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賃貸の火災保険・家財保険は自分で入らないと割高に? 見過ごすと怖いリスクも解説(2/3ページ)

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「保険は自分で選ぶ」を拒絶するオーナーは少ない

以上、ほとんどのオーナーや管理会社にとって、賃貸住宅入居者用の総合保険(賃貸の火災保険・家財保険)に対し、求めるものは現在ひとつとなっている。「借家人賠償責任補償」と「個人賠償責任補償」が保証されることだ。

となれば、これらがきちんと押さえられているのならば、保険会社はどこでもよいと判断するオーナーや管理会社があって当然ということにもなる。

そのうえで、不動産会社(仲介会社、管理会社)が入居希望者に示す保険料は概して高くなりがちだ。理由は、それらが多岐にわたり補償内容の手厚い、いわばフルスペックな損害保険であることが多いためだ。しかし、一方で最近は補償内容がシンプルで保険料の安い、少額短期保険業者による商品もさまざま登場している。加えて、損害保険会社の商品ながら内容をスリムに抑えた、やはり保険料の割安なものも販売されている。

そこで、近年入居希望者のなかには、そうした商品を自ら選んで契約したい旨を申し出る人が増えている。また、すでに入居中であっても、契約更新などを機会に保険を自ら切り替えたいとする例もたびたび聞かれるようになってきた。

一方、こうした申し出に対し、オーナー側がこれを拒絶するような例はあまり聞かれない。理由は、さきほども述べたとおり「借家人賠償責任補償」と「個人賠償責任補償」が、補償金額の面などで十分整っていれば、ほかに異存はないケースが多いからだ。

ただし、ここで一旦立ち止まり、慎重に考えた方がよいのは実は入居者の側となる。保険料の安さだけに注目していると、思わぬリスクを見逃してしまうことがあるからだ。

水災や地震は? 家財が多い人やファミリーも要注意

不動産会社が用意した賃貸住宅入居者用の総合保険(賃貸の火災保険・家財保険)は利用せず、保険料の安い商品を自ら選んで加入することでのメリットが多いのは、主に単身者となる。

理由は、家財の量が概して少なく、それらの金額も高額にはならないことが多いからだ。つまり、家財への補償を大きく抑えられる。 

そこで、例えば若い入居者から「家財補償100万円、借家人賠償2000万円、個人賠償1億円、保険料年額4000円の保険に自ら入りたい」と、言われれば、お金持ちのオーナーならば「家財たった100万で間に合うの?」と、驚いたりしながらも…… 「部屋にはテレビもステレオも無いし、家電は全部ディスカウント品。家具は組み立て式の安いやつだけなので」との理由を聞き、「そうか。それがいまの子か」と納得しつつ、「借家人賠償2000万円。うちのワンルームなら十分だろう」と、首を縦に振るはずだ。

しかし、これがファミリーで家財が多い場合など、補償をどこまでにするかはじっくり考えた方がいい。さらにはその範囲だ。当然のことだが、保険料が安い商品の方がタイトだったり、追加できる特約が少なかったりしがちとなる。

一方で、補償範囲が広く手厚い、主には保険料の高いフルスペック型の商品だと、例えば水災(河川氾濫等による浸水など)での家財補償が付いていたり、地震保険を追加できたりもする。加えて、部屋のカギが盗まれドアの錠を交換しなければならなくなったときの補償といった、気の利いたサポートも用意されていたりする。

そこで、想像してみよう。例えばあなたが子どものいるファミリーの入居者だとして、物件は水害ハザードマップで洪水の危険が示される場所に建っている……部屋には大型テレビのほか、テレワーク用の高性能パソコンや周辺機器一式も置いてある……よって、地震も心配だ……。 

リーズナブルでシンプル・安価な保険をよく吟味もせず選ぶわけにはいかないケースも出てくるはずだ。(ただし、低額の保険でも水災補償付きのものがあるなど、競争のなか各社の工夫はさまざま、流動的ではある)

ちなみに、さきほどの「借家人賠償責任補償」と「個人賠償責任補償」についても、保険によっては差が出てくる。 

例えば、あるリーズナブル&シンプルな保険では、借家人賠償責任補償について「火災、破裂、爆発、給排水設備に生じた事故に伴う水ぬれによって、借りている建物に損害を与え、貸主に対し法律上の損害賠償責任を負った場合」と、具体的に条件が規定されている。

一方、保険料の高いある保険では、「被保険者に責任がある不測かつ突発的な事故によって、借りている住宅を損壊し、貸主に対して法律上の損害賠償責任を負った場合」となっていて、条件が具体的には限定されないかたちだ。

同様に、個人賠償責任補償についても、前者(リーズナブル&シンプル)のある保険では、補償限度額は1000万円。後者(保険料が高い)のある保険では3億円などといった差がついてくる。

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この記事を書いた人

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賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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