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窓辺を演出するカーテン――厚手のカーテン、レースのカーテンを素材から見直してみる(1/2ページ)

MieMie

2021/01/08

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イメージ/mykeyruna・123RF

古代エジプトからはじまったカーテンの歴史 

今回からは同様に光を取り込むためのインテリアでもある「窓周り」についてのお話です。

「窓周り」の総称を「ウインドゥ・トリートメント」と呼びます。ウインドゥ・トリートメントの主な役割は「光の調節、遮断」「室温の調整」「視線のコントロール」「窓周りの装飾性」などが挙げられます。

ウインドゥ・トリートメントで用いられるものには「カーテン」「ブラインド」「ロールスクリーン」「シェード」「プリーツスクリーン」「パネルスクリーン」「ハニカムスクリーン」「すだれ」などがあります。

そこで今回は、ウインドゥ・トリートメントの中でも最も身近なインテリアでもある「カーテン」を取り上げます。

カーテンの起源は古代エジプトと言われています。とはいっても、この時代は「布」ではなく「皮革」を使用して住居の出入口に吊るしたり、間仕切りとしても使用されたりしていました。

エジプトは昼夜の気温差が激しい環境なので、昼は日除けや遮光として、夜は保温の役割があったようです。やがて布を使用して寝台や寝所の上を天幕のように覆うようになり、その後、ヨーロッパに伝わり、華やかなカーテン文化が開花した歴史があります。

カーテンの一般的イメージとしては、窓、レース地のカーテン、日を遮る布のカーテンと重なるように複数のカーテンを取り付けるイメージがあるのではないでしょうか。

多くの場合はレースカーテンと厚地カーテンですが、実はそれぞれの特徴によって種類が複数に分かれています。

厚地の生地なら「ドレープカーテン」「遮光カーテン」。レース系統の生地なら「シアーカーテン」「ラッセルカーテン」「ケースメントカーテン」「機能レースカーテン」などがあります。

日本では一般的にレースカーテン以外の物を「厚地カーテン」と呼んでいます。厚地と呼称されますが、実際には生地自体の厚さとは全く無関係です。

実際、ホテル内のホールやクラシカルなレストランなどで目にする重厚で豪華な印象の極厚ジャガード織カーテンから、一般住居などに使用する無地、ストライプ、プリント柄などのシンプル、カジュアルな印象の軽く薄手のドビー織カーテンと、生地そのものは幅広いですが、これらを「厚手」と言っているわけです。しかし、こうした厚手のカーテンの総称は「ドレープカーテン」というになります。

 

ドレープカーテンはさまざまなものがあります。 

「遮光カーテン」はドレープカーテンの生地内に黒い糸を織り込んだ物や、アルミなどの金属を生地自体に蒸着させたもの、裏面を樹脂でコーティングしたものなどがあります。

次ページ ▶︎ | 生地によって風合いの変わる「シアーカーテン」 

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この記事を書いた人

MIE色彩研究社代表

自由が丘産能短期大学能率課インテリアコーディネーター課程卒業。産業能率大学情報マネジメント学部卒業。東京商工会議所カラーコーディネーター検定試験認定講師。電子機器製造メーカー、産業機械商社に勤めながら、社会人学生として産業心理学を学び、色彩と人間の意識との深い結びつきに共感。さまざまな社会経験を通して、色彩と人の意識に関わる数多くの実証の基、色彩スペシャリストとして事業を展開。東京都中央区銀座のオフィスではこれまでに培ったパーソナルカラー、空間色彩、商品色彩、カラースクール、色彩セミナーなどを個人、法人を問わず全国で行っている。趣味は街散策。

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