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「セルフリノベーション 壁紙張り換えの巻③」

壁紙張りに必要な道具の種類と選び方

内村恵梨内村恵梨

2018/09/26

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(写真①:左から、地ベラ、カッター、スムーサー、なでバケ、角ベラ、おさえローラー)

壁紙張り換えの巻②では壁紙と糊の種類や選び方をお伝えしましたが、今回は作業に必要な道具についてのお話です。
道具はネットやホームセンターなどで購入でき、様々な種類・価格帯があります。ここでは、どんな観点から選べばいいか、現役のクロス職人の意見を基に解説していきます。

クロス張りに使う道具、必須6+1アイテムはこれ!

まずは、クロス張りに欠かせない6+1つの道具をご紹介します。

この6つの道具がないと、満足のいく作業ができません。

そして、これらは作業中常に出したりしまったりと交互に使うので、腰袋も用意しておくと便利です。

それでは、①の写真の左から順番に紹介していきます!


(写真②:軽量化された地ベラ)

1. 地ベラ

壁紙を壁に貼り付け、余分をカッターで切り落とす時に、カッターのガイドとして使います。先がとがっているのでケガに注意が必要です。

<選び方>

刃の厚みはいくつか種類がありますが、1.2mm厚のものが施工しやすいのでおすすめ。

上記の写真のような形のものの他に、下の写真のような形のものもあり、写真②は持ち手の木の部分が少ない分、軽く使いやすいので、プロに好まれています。


(写真③:刃の入れ替え部分にカバーのついているものは壁紙施工には使いにくい)

2. カッター小

クロスを壁に合わせてカットする際に使用します。頻繁に刃を折りながら使うので、替刃の用意も必須です。
<選び方>
S型(刃の幅9ミリ)でオートロックが付いているもの(壁にあてたときに刃が戻らないもの)を選ぶのがおすすめ。
また、刃の交換を頻繁にするので、入れ替えをする部分にカバーのついていないものが理想です。
カッター刃の刃厚は、0.38㎜を用意しておくと良いです。0.30や0.20など、もっと薄刃のものもありますが、慣れていないと力を入れたときに刃がグラグラして安定せず、施工がしにくくなります。

3. 竹ベラ
入隅(いりずみ)に壁紙をしっかりと入れ込み、余分をカットする前の準備をします。
プロはステンレス製の角ベラを使用している方も。
<選び方>
プラスチックのものより、竹のものが手なじみ良く使いやすいのでよりベター。
壁紙を破ってしまわないよう、使う前にサンドペーパーで先端を削って少しなだらかな角度にしておくと良いです。

4. なでバケ
壁紙を貼った後に全体をなでつけ、下地と壁紙を密着させます。
<選び方>
持ち手の部分に穴が開いているものが、軽くて作業しやすいです。。

5. スムーサー
壁紙を壁に貼った後に空気抜きをします。
<選び方>どの商品も使い勝手は大きく変わらないので、特にどれというものはありません。ただ、竹ベラとおなじように、左右の角の部分はサンドペーパーで少し丸くしておくのがコツ。こうしておくことで作業中に壁紙を破ってしまうのを防げます。

6. おさえローラー
クロスとクロスの合わせ目(ジョイント)部を圧着し、合わせ目を目立たなくします。
<選び方>
①の写真はローラーの幅が35mm×40mmの狭いものですが、35mm×60mmなど、ローラー部分の幅が広いサイズもあります。ローラーが広い方が施工しやすいです。
ローラー面の素材は、ウレタン素材の方がやわらかく使いやすいですが、普通の白い樹脂製のものと比べお値段が張るので、DIYでちょっとチャレンジ、という程度なら樹脂製の安価なもので十分かと思います。

これらのマストアイテム6点で、予算は4,500円~8,000円程。
お試し程度で壁紙施工をやってみたい、という方は、ネットやホームセンターでこれらがセットになっているものを1,000円くらいで売っていたりもするので、そこからチャレンジしてみてもいいかもしれません。

ただ、自宅や実家の改装をしたい方や、DIYをよくやる方であれば、長持ちして使いやすい、スタンダードな価格帯の道具を選ぶことをおすすめします。

+1.腰袋
これらの道具を入れて、サッと取り出すのに便利な道具が腰袋です。
実際の張り替え作業では、これらの道具をそれぞれの工程で使い分けるわけですが、そんなときに「なでバケが、竹ベラが、地ベラが、カッターが…」と道具をどこかに置いていると、それを探したり、取りにいったりと大変です。脚立にのぼっての作業も多いので、いちいち下りずにその場で効率良く作業をしていかないと、糊が乾いてしまいます。
そこで用意しておきたいのが腰袋(写真⑤)。
価格は3,000円ぐらいから。通常地ベラが8寸(24cm)なので、腰袋の横幅は20cm~30cm程のものを選びます。内装専用の腰袋は、カッターやローラーなどを入れる細かなポケットなど、便利な機能が付いています。


(写真④:時ベラだけでも大中小の3種類を使い分けて作業している)

 こうした基本的な道具に加え職人さんは、どんな壁の状況でも対応できるよう、さらに道具が増えていきます。
例えば、地ベラも一つのサイズだけでなく(写真④)、狭い部分にも入るサイズのものも持っています。


写真⑤:あると便利な腰袋(左)/写真⑥:職人さんの腰袋は様々な道具が入 れられている(右)

こうした様々な道具を使うため、⑥の写真のようにとても重たい腰袋をつけて作業をしています。
一つひとつの道具でいかに軽量化するかが大事な理由がわかりますね!

その他に準備するものは?
1. スポンジ
クロスの表面や木枠部分に付着した糊をふきとるのに使います。
<選び方>
100均に売っているスポンジでもOK。職人さんは、長いスポンジのバーのような状態のものを買い、好きなサイズに切って使っています。

2. コーキング材
天井と壁面のすき間や、ドア枠・窓枠まわりのすき間などにさし、クロスの剥がれを防ぎます。
<選び方>
「ジョイントコーク」という商品が主に使われています。白やアイボリー、茶系など、40色程のカラーバリエーションがあるので、クロスの色に合わせて使用します。白系の壁紙を貼るときは、真っ白なジョイントコークよりはアイボリーの方が仕上がってからのなじみが良いのでおすすめです。


(写真⑦:パテベラ)

3. パテベラ
壁紙を貼る前の下地調整の際、パテ処理が必要な時に使用します。
<選び方>
適度にしなるものを選びます。また、サイズは5寸(150mm)、6寸(180mm)あたりが使いやすい。

4. ハンドサンダー&サンドペーパー
パテを塗って乾いた後に平滑にならすために使います。
<選び方>
マジックテープでサンドペーパーを着脱するタイプの商品が便利です。

いかがでしたか? こうした道具をそろえたら、いよいよ実践です。次回は、壁紙を貼る前の準備段階、「既存の壁紙はがし」と「下地調整」について紹介させていただきます。
お楽しみに!

 

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この記事を書いた人

匠アカデミージャパン 事務局長 (運営:株式会社イマジンネクスト)

匠アカデミージャパンは2016年に開校した内装リノベーションのスクール。 単にDIYのノウハウを教えるスクールではなく「人生100年時代の大人の学び直し」の場として、副業やセカンドキャリア、定年後の生き生きとしたライフスタイルに生かせる技術を身につけることを提唱している。 講習内容は、クロスや床材の張り替えや、賃貸住宅大家さん向けワンルームの原状回復コースなど、まったくの経験のない方に対してDIYを超えた職人の技を伝授。照明プランニングや内装コーディネートのセミナーなども開催中。 http://www.takumi-ac.jp/

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