ゼロから学ぶ住宅ローンの基礎知識
小島淳一
2016/01/04
そろそろ持ち家を、と考え始めた人へ
今の家が手狭になってきて、そろそろ賃貸ではなくて持ち家を……と考え始めたあなた。マイホームの夢は膨らみますが、購入資金という現実的な問題を避けては通れません。そこで、住宅ローンについての基本的な知識を身につけておきましょう。
「銀行の融資窓口なんて利用したことがないし、住宅ローンの種類も知らない。どこで相談したらいいのかもわからない」という人でも安心してください。ここでは、ゼロから住宅ローンについて学びたい人にも役立つ情報を紹介していきます。
住宅ローンは、普段取引していない銀行からでも借りることが可能です。まずは銀行のホームページで、どんな住宅ローンがあるのかを調べてみましょう。銀行ごとにいくつかの住宅ローン商品が用意されていますし、忙しくて銀行へ行けないという人でも、ネットで審査や申し込みを行なえる銀行だってあります。
「大事なことだから、直接話をしたい」という人には、相談会がオススメです。多くの銀行では夕方以降や土日に住宅ローンの相談会が開かれており、いろいろな質問に答えてくれます。銀行によっては予約が必要な場合があったり、営業エリアが限定されていることがあったりするので、事前に確認しましょう。
また、資金計画などの相談は、モデルルームでも対応してもらえます。その人の収入や経済的な事情、家族構成に合わせて、ファイナンシャルプランナーの資格を持った専門家が相談にのってくれるので、多くの人が気軽に利用しています。特に建築をお願いする会社が決まっている場合はぜひ、無料相談を活用しましょう。その会社と銀行が提携しているローンを利用すると一部の手続きを代行してもらえるので、初心者の人には便利です。
無料相談で注意すべきこと
ただし、無料相談にはメリットばかりでなく注意点もあります。お客さん(あなた)からお金をもらわないということは、相談員たちに報酬を払っているのは不動産会社ということになります。相談員もお仕事として報酬をもらっている手前、クライアントの不利になるアドバイスは言いづらい……という事情もあるのです。
聞いたところによると、多少無理のあるプランでも「退職金があるから安心」「お子さんも(多分)就職するので大丈夫です」などと言われたという話もあるそうです。確かに相談員の立場からすれば、「年収がこの額なので、この不動産会社の物件はやめましょう。もう少し価格を下げて検討したほうがいいですよ」なんて意見は、たとえ思ったとしても言いにくいでしょう。
だからといって、無料相談は怪しいだとか、すべての相談員が本音を隠しているというわけではありません。もちろん、きちんと良心的なアドバイスをしてくれる誠実な相談員も大勢います。大事なのは、こうした相談会で得た情報をしっかりと活かして、最終的には自分で判断することです。
ファイナンシャルプランナーに相談するのもおすすめ
多少料金がかかったとしても、より時間をかけて親身に相談にのってもらいたいという場合は、直接自分でファイナンシャルプランナー(FP)に数万円程度の相談料を払ってアドバイスをもらうという選択肢もあります。この方法なら、結婚、出産、子育て、教育費、治療費、老後の蓄えなど、現在から将来までの家計を予測して、自分にピッタリなシミュレーションを作成してもらえます。
シーズンごとの旅行代や祝い金など突然な出費も考慮し、各家庭の事情に合わせて最適な頭金の額なども算出してくれるので、住宅ローンを本格的に検討し始めた時や気になることがあった時にはFPに相談してみるのがおすすめです。
住宅ローンは金額の大きなものですから、必ずしも相談=即決しなければならないということではありません。自分でよく調べて、機会があれば積極的にいろいろな場所へ出掛けていきましょう。たくさん情報を集めて、比較検討の末に決めることが重要です。
この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定)、相続診断士
1970年生まれ。神奈川県海老名市出身。 早稲田大学商学部を卒業後、93年、「海賊とよばれた男」の出光興産株式会社に入社。特約店経営改善計画からマーケティング・SS現場の増客増販まで一連のガソリンスタンド事業に携わる。福島県山間部での集客イベントでは3日間でガソリン10万ℓを売上、全国優秀店表彰へ導く。 その後、2000年にヘッドハンティングされソニー生命に入社。社内表彰やMDRTに連続入会、営業職最高位エグゼクティブライフプランナーに認定される。 現在は、金融機関に属さない独立系FP会社:ライフワーク株式会社の代表として、リスクマネジメントコンサルティングを中心に、各種セミナー講師として活躍中。