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住宅ローンは銀行が儲けるための商品です!

住宅ローンで後悔しないために、まず理解しておくこと

牧野寿和牧野寿和

2016/07/19

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住宅ローンは「商品」です

住宅ローンの相談にいらっしゃった方がよくする質問があります。「住宅ローンについて、まず理解しておくべきことは何でしょうか?」というものです。

その答えは何だと思われますか? この質問に対して、私はいつも次のように答えています。「住宅ローンは商品だということを理解してください」と。

住宅ローンの取り扱い金融機関は都市銀行から地方銀行、信用金庫、また住宅ローン商品のみを扱うモーゲージバンクまですべて合わせると1500社前後、商品の種類は数万に及ぶといわれています。商品ですから、売り手(貸し手)側は多くの人に買ってもらい、儲けが出るようにいろいろと工夫を凝らしています。逆に買い手(借り手)側からすれば、どの商品を選ぶかによって、総返済額が数十万、数百万円単位で変わってくるということです。

もちろん、買う側にとって、金銭的な損得がすべてではありません。スーパーでの買い物と同じです。特売日を狙って、少しでも安く購入しようと遠くのお店まで足を運ぶ人もいれば、多少値段は高くても、店員のサービスが行き届いたお店を選ぶ人もいるでしょう。

住宅ローンにおいても、商品選びに正解があるわけではありません。買う人が何を最優先とするかで答えは変わってきます。何より大切なことは、知らず知らずのうちに買わされてしまうのではなく、商品の特性をしっかりと理解して納得した上で選択することです。

諸費用も含めて借りられる金融機関が増えている

住宅を買うならすべて住宅ローンが利用できるわけではありません。住宅ローンの資金使途は「本人居住用の土地や住宅の購入、新築・増改築」に限られます。投資用(賃貸用)物件やセカンドハウス(別荘等)の購入には利用することはできません。そのかわり、取りはぐれのリスクが少ないことから、ほかのローンに比べて金利が低くなっているのです。

最近では、物件の購入や住宅ローンを組むにあたってかかる保証料や事務手数料、登録免許税、登記費用、火災保険料などの諸費用も、住宅ローンに含めて借りられる金融機関が増えています。そうでないところも、通常住宅ローンより金利は若干高めですが、諸費用専用のローンを用意し、実質的に頭金ゼロを認めているところが増えています。

申し込みにあたっては、融資の実行時の年齢が20歳以上70歳以下、返済期間は最長35年、 完済時年齢80歳未満としているのが一般的です。

勤務形態は正社員、自営業者、会社経営者は可。商品によっては、派遣社員も申し込めるものがあります。ただし、勤務形態によって審査基準は異なります。

返済ができなくなった場合はどうなる?

住宅ローンを組む際には、購入した物件を担保に差し出さなければならないことはすでにお話ししましたが、保証人については、借り手すなわち借り主が自身で用意する必要はありません。金融機関指定の保証会社に、保証料を支払って保証人となってもらいます。物件を担保に差し出す相手も、金融機関ではなく保証会社となります(一部、保証会社不要の金融機関もありますが、審査は厳しくなります)。

万が一、借り主が返済不能の事態に陥ると、この保証会社が住宅ローンの残債をいったん金融機関に支払います。そして、保証会社は担保にしていた物件を競売にかけて処分し、それだけで回収しきれない場合は残額を借り主に請求します。つまり、借り主は保証会社に対して返済義務が残るということです。

ただし、死亡・高度障害により返済できなくなったケースについては、借り主が団体信用生命保険等に加入していれば、住宅ローンの残債すべてが保険金でまかなわれるため、遺族は物件を手放すことなく、返済は免除されます。

以上、住宅ローンがどういう商品なのか、基本的な知識をお話ししました。繰り返しになりますが、住宅ローン選びには正解があるわけではありません。商品の特性をしっかりと理解して納得した上で選択することが大切です。

 

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この記事を書いた人

CFP、一級ファイナンシャル・プランニング技能士

1958年名古屋生まれ、大学卒業後、約20年間旅行会社に勤務。出張先のロサンゼルスでファイナンシャルプランナー(FP)に出会い、その業務に感銘を受け、自らもFP事務所を開業。 その後12年間。どの組織にも属さない「独立系」FPとして、誰でも必要なお金のことを気軽に考えてもらうため「人生を旅に例え、お金とも気楽に付き合う」を信念に、日本で唯一の「人生の添乗員(R)」と名乗り、個別相談業務を行なうとともにセミナー講師として活動している。 また、賃貸不動産の経営もしており、不動産経営や投資の相談にも数多くのアドバイスやプランニングをしている。

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