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ケース別、住宅ローンの考え方(5)

定年退職までにローン返済を終える賢い方法は?

小島淳一

2016/02/26

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人生の三大資金とは?

 将来的に収入が増える見込みはない一方、子どもの教育資金など支出は増えていくことで、家計の余裕がなくなることが予想されるFさん(30代男性)。このような場合、住宅ローンの返済はいつまでに終わらせておくのがいいのでしょうか?

 これは、Fさんのケースに限ったことではありませんが、住宅ローンは定年退職までの完済を目指すことをおすすめします。Fさんも定年退職までに完済するため、「毎月の返済額を抑えるために返済期間を長期で組んでおき、途中で繰り上げ返済するために貯金をしていけばいい」と考えているようです。

 一般的には、繰り上げ返済をすすめる雑誌やウエブなどの記事は多いですし、ファイナンシャルプランナー(FP)のなかにも、繰り上げ返済を推奨している人は少なくありません。そういった背景もあり、Fさんと同じことを考える人は多いと思います。

 しかし、住宅ローンだけを支払えればいいというわけではなりません。人生の三大資金(住宅、教育、老後)という言葉があるように、子がいれば教育資金の負担がのしかかりますし、老後資金も確保しておかなければなりません。

 住宅ローンを必死で繰り上げ返済したはいいけれど、子どもが大きくなったときに教育資金が確保できずに、また借金をするようなことがあったら意味がありません。住宅ローンより低い金利で借りられるお金はありません。住宅ローンを返済した結果、住宅ローンよりも高い金利の借金を抱えることになってしまいます。しかも、長い人生、病気で働けなくなってしまったり、リストラや転職で収入が減ったり途切れたりする可能性もあります。貯蓄をしてとにかく住宅ローンを繰上げ返済すればいいとった単純な話ではないのです。

退職金を住宅ローンの返済にあてるのは避けるべき

 一方で、毎月の決まった返済額だけを支払っていくとすると、返済期間によっては、定年退職した後も住宅ローンが残ってしまうことも考えられます。「そうなったら退職金で返済しよう」と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。年金だけで老後の生活をまかなうことがむずかしい現在、大切な退職金を使ってしまって大丈夫でしょうか?

 それに、最近では退職金をカットしている会社だって珍しくありません。退職後も安定した収入があるならともかく、そうでない人の場合、一括返済の資金を退職金に期待するのは避けたほうが賢明です。

毎月の返済額を抑えて、確保した資金を運用することも

 かといって、できるだけ早く住宅ローンの返済を終わらせようと、返済期間を短く設定すれば、当然、月々の返済負担は大きくなります。

 やはり借入期間は30年、35年といった長期で、なおかつ全期間固定金利型でローンを組むことをおすすめします。そして、何よりも大切なのはそもそもの借り入れ金額を大きくしすぎないことが大切です。

 毎月の住宅ローンの返済額はできるだけ抑えながら、貯蓄と運用で手元の資金を厚くしておきましょう。ある程度、貯蓄ができたからといって住宅ローンの繰り上げ返済にあてるのではなく、まずは子どもの教育費などを確保することをおすすめします。

 そのうえで、定年退職までに住宅ローンを完済するために何ができるかを考えてみましょう。それぞれの事情があるので、これが正解ということはいいにくいのですが、親から贈与や相続を受けることができる人もいるでしょう。

 また、現在のような低金利時代には、住宅ローンの金利以上の利回りで運用することも不可能ではないため、貯蓄の一部はそうした運用に回すことも考えてみる価値はあります。

 Fさんのように、現在まだ30代で定年まで時間のある人なら、打ち手はいろいろ考えられるはずです。具体的にどんなことができるのか、FPなどの専門家に相談してみるのもいいと思われます。

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この記事を書いた人

ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定)、相続診断士

1970年生まれ。神奈川県海老名市出身。 早稲田大学商学部を卒業後、93年、「海賊とよばれた男」の出光興産株式会社に入社。特約店経営改善計画からマーケティング・SS現場の増客増販まで一連のガソリンスタンド事業に携わる。福島県山間部での集客イベントでは3日間でガソリン10万ℓを売上、全国優秀店表彰へ導く。 その後、2000年にヘッドハンティングされソニー生命に入社。社内表彰やMDRTに連続入会、営業職最高位エグゼクティブライフプランナーに認定される。 現在は、金融機関に属さない独立系FP会社:ライフワーク株式会社の代表として、リスクマネジメントコンサルティングを中心に、各種セミナー講師として活躍中。

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