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ケース別、住宅ローンの考え方(4)

定年退職後に住宅ローンを残したくない。どうしたらいいですか?

小島淳一

2016/02/26

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現在41歳の会社人Nさんのケース

 41歳の会社員Nさん。若いうちに結婚して生まれた子どもは国立大学の1年生です。今後子どもにかかる学費もほぼ確定したので、念願のマイホーム購入を考えるようになりました。

 あと数年で、Nさんの子どもは大学を卒業予定ですし、本人は就職を強く希望しています。Nさん自身がこれから昇進することもほぼ確実となりました。支出ダウンと収入アップから、家計にはだいぶ余裕が出てきそうです。

 Nさんのような場合、住宅ローンの返済期間はどのように設定するのがよいでしょうか。

「お金に余裕ができる(かもしれない)から、短期間でさっさと払ってしまおう」と考える人は少なくないでしょう。たしかに、それも確かにひとつの考え方ではありますが、初めからリスクを考慮に入れない計画を立てることはやめておくべきです。

 Nさんの場合でいうなら、子どもが大学に通ううちに気が変わって、大学院への進学を希望するかもしれませんし、昇進の話が立ち消えになってしまうことだって、あり得ないとは言い切れません。当然、万が一の事故や病気ということもありますし、ここは慎重に考えて、できるだけ返済額を抑えた計画でスタートするほうが安全です。

定年退職後もローンが残ってしまうという不安

 返済期間を長めに設定しておくと、毎月の返済額を低く抑えることができます。しかし41歳のNさんには気になることがありました。最初のうちは、こうした方法で無理なく返していけばよいとして、定年退職した後も住宅ローンが残る計画を立ててしまっても、本当に大丈夫でしょうか。

 その問題を解決するためには、家計に余裕ができるタイミングが来てから、改めて返済計画の見直しを行なえばよいのです。Nさんのケースに合った解決方法としては、貯金を使った繰り上げ返済(期間短縮型)を行なったり、返済額の条件変更を申請したりする方法があります。

返済額を抑えつつ、老後資金の準備を

 ただし、住宅ローンを返済することを優先するあまり、定年退職時には住宅ローンを完済したものの、老後資金の準備がまったくできていないといった事態に陥ってしまっては悲劇というほかありません。

 ローンの返済額をできるだけ低く抑えながら、余裕資金を貯金や運用に回しましょう。現在のような低金利の時代であれば、住宅ローンの金利以上の利回りで資金を運用することも不可能ではありません(ただし、リスクの高い運用を行なうことはおすすめできません)。

 毎月一定額を国内外の株式や債券で分散して積立てる方法を使えばリスクを抑えつつ利回りの高い運用が期待できます。

 老後資金の準備を視野に入れて、繰り上げ返済や返済額の変更を行なうかどうかは慎重に検討したうえで判断してください。

 Nさんは初めに30年のローンを組んでおいて、子どもが大学を卒業するタイミングで、「毎月返済額を増やして返済期間を短縮する」という条件変更を行なう計画で毎月の貯蓄額を増やすことにしました。定年退職までに老後資金を確保しつつ、同時に住宅ローンの返済を終えることにして、ようやく老後の住宅ローン返済に関する不安が解消されたのです。

 安心できる老後を過ごすためには、定年後に住宅ローン返済を残さないようにしたいものです。とはいっても、返済スタート時からの無理は禁物。初めは様子を見ながら、後から返済計画をメンテナンスしていきましょう。そうすることで、家計への影響を最小限にしたゆとりある返済ができるのでおすすめです。

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この記事を書いた人

ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定)、相続診断士

1970年生まれ。神奈川県海老名市出身。 早稲田大学商学部を卒業後、93年、「海賊とよばれた男」の出光興産株式会社に入社。特約店経営改善計画からマーケティング・SS現場の増客増販まで一連のガソリンスタンド事業に携わる。福島県山間部での集客イベントでは3日間でガソリン10万ℓを売上、全国優秀店表彰へ導く。 その後、2000年にヘッドハンティングされソニー生命に入社。社内表彰やMDRTに連続入会、営業職最高位エグゼクティブライフプランナーに認定される。 現在は、金融機関に属さない独立系FP会社:ライフワーク株式会社の代表として、リスクマネジメントコンサルティングを中心に、各種セミナー講師として活躍中。

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