ご存知ですか? 家や土地を購入すると、これだけの税金がかかるんです
土屋裕昭
2016/02/26
税金の額を資金計画に組み込んでおこう
不動産を買うときには税金がかかることをご存知でしょうか。たとえば、自宅を購入するときなど、物件価格にばかり目がいってしまい、その他にかかる費用を認識しないまま、購入可能かどうかを考えてしまう人は少なくないように思います。
不動産を買ったときには、その土地や建物の代金のほかに、何種類かの税金がかかってきます。どんな税金がいくらかかるのかを把握しておかないと、あとから、「こんなはずではなかった」ということにもなりかねません。
マンションや一戸建てを買うときには、当然、資金計画を考えることと思いますが、その不動産を買ったときにかかる税金がいくらなのかを把握して、資金計画に組み込んでおかなければなりません。
不動産を買うとどんな税金がかかるのか?
では、不動産を買ったときにかかる税金にはどんなものがあるのでしょうか。 不動産を購入する際には、「印紙税」「消費税」「登録免許税」「不動産取得税」がかかります。それぞれについて見てみましょう。
(1)印紙税
不動産の売買を行なうときや、建物を建築するときには契約書をつくります。
また、不動産を買ったり、建物を建築したりするときには、銀行など金融機関からローンの借り入れをすることがありますが、このとき、金銭消費貸借契約書をつくります。これらの契約書を取り交わすときにかかる税金が印紙税です。印紙税の税額は、契約金額によって決められています。
(2)消費税
不動産を買うときにも消費税がかかります。ただし、消費税がかかるのは建物だけで、土地には課税されません。ですから、8%の消費税がかかるのは、建物の購入代金、建物の建築費になります。
このときの消費税の負担はかなり大きなものになるので、資金計画に組み込むことを忘れないようにしてください。また、不動産業者に支払う仲介手数料にも消費税がかかります。
(3)登録免許税
不動産を買ったら、そのあとすぐに登記をするのが普通です。登記をすることで、「この土地や建物は自分のものである」という権利が明確になります。
不動産を登記するには、登録免許税という税金を支払わなければなりません。ただし、自宅を購入した場合は、登録免許税が軽減されることがあります。また、ローンを組んで不動産を購入した場合、その担保として不動産に抵当権を設定されますが、このときにも登録免許税がかかります。
(4)不動産取得税
土地や建物を登記したあとには、不動産取得税がかかってきます。その名の通り、不動産を取得したときにかかる税金です。この不動産取得税も、自宅を購入した場合には軽減されることがあります。
不動産を購入したのではなく、無償で取得した場合にも不動産取得税が課税されることになっています。つまり、不動産を贈与された場合や、等価交換で手に入れた場合にも課税されるのです。ただし、相続によって不動産を取得した場合には課税されません。
なお不動産取得税は、不動産を買ったときに、一度だけかかる税金です。
(5)その他の税金
不動産を買うと、税務署から「お買いになった資産の購入価額などについてのお尋ね」という書類が送られてくることがあります。これは税務署が、住宅資金などの贈与がなかったかなどを調査するための書類です。
贈与を受けている場合は、贈与税がかかりますので注意してください。また、相続で不動産を取得した場合にも、相続税がかかってくることがあります。
この記事を書いた人
税理士
CFP、宅地建物取引士 米国アラスカ出身。一般企業勤務を経て簿記知識ゼロから3年で税理士試験合格。著書に「いちばんわかりやすい確定申告の書き方」(ダイヤモンド社)など多数。HP「相続税申告のツチヤ」にはお客様の声50件超掲載。