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自動車保険、知っているようでわかっていないノンフリート等級の基本

平野 敦之

2020/12/10

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イメージ/©︎Yusuke Madokoro・123RF

個人の自動車保険にはノンフリート等級という制度が導入されています。

これは契約期間中に保険事故があった場合、自動車保険の利用の有無などで次年度の割引(増)率が変わるというものです。損害保険分野でも火災保険や傷害保険などにはない自動車保険固有の制度です。

自動車保険料を安くするためには、この制度の割引率を高くすることが重要です。また損をしないために自動車保険において、この制度についての内容をよく理解しておかなければなりません。

自動車保険のノンフリート等級制度とは?

自動車保険のノンフリート等級制度とは、契約者が所有・使用する車の契約台数が9台以下の場合に適用される割増率・割引率のランクの区分けのことを言います。このランクの区分けのことを「等級」と呼びます。

ノンフリート等級の等級区分は、一般的に1等級(割増率が最も高い)から20等級(割引率が最も高い)まであります。はじめて自動車保険に加入すると、原則として6等級からはじまります。例外としてすでに別な車で自動車保険の契約があり、条件を満たしていると2台目以降に車に複数所有新規割引(セカンドカー割引)が使えることがあります。この場合は新規でも7等級からはじまります。

保険期間1年間の場合で、その契約期間中に事故で保険の利用がなければ1等級進みます。例えば10等級であった場合には翌年11等級になります。なお無事故で進むのは1年に1等級だけです。

逆に事故で自動車保険の利用があった場合、原則として3等級ダウンします(3等級ダウン事故)。10等級であった場合、7等級となります。これが前提ですが、自動車保険には他に1等級ダウン事故とノーカウント事故があります。

・1等級ダウン事故
契約車両の盗難、台風による風災や水災による損害で車両保険等を使用、飛来した小石などでフロントガラスが破損したなど

・ノーカウント事故(保険を利用しても事故にカウントされない)
人身傷害保険、弁護士費用特約、ファミリーバイク特約、個人賠償特約などのみを使った場合

このように同じ自動車保険の利用でも翌年の取り扱いに違いがあるのです。

ノンフリート等級の割引率はどのくらいになるのか?

ノンフリート等級の割引率は、1等級から20等級まであるといいましたが、正確には1等級から20等級までのランク分けが、「無事故の人」と「事故有の人」用の2つがあります。

1等級の場合はいずれも64%割増になります。一方、20等級の場合、無事故では63%割引ですが、事故有では44%割引と20%近く割引率が違います。

一般的に1等級~6等級は事故の有無に関係なく、等級が同じなら割引(増)率も同じです。しかし、7等級から20等級は事故の有無で割引率が違ってきます。

例えば、無事故の10等級(45%割引)から、事故があれば翌年3等級ダウンすると7等級になるといいましたが、正確には事故有の7等級(20%割引)になるのです。自動車保険の利用がなければ無事故の11等級(47%割引)になっていたので、事故の有無は翌年の保険料に非常に大きな影響があるのです。

ルールとして3等級ダウン事故をすると事故有の等級が3年間、1等級ダウン事故の場合には事故有の等級が1年間適用されます。複数の事故が続いた場合、最長6年に渡って事故有の等級が適用されます。

自分の自動車保険の契約の等級は、満期案内や保険証券に記載があります。事故などで翌年の等級がどう変わるかは契約先の保険会社に確認してください。

等級が進んでいない人の注意点

自動車保険では事故ばかり起こしている人より、無事故の方が優良な契約者であるのは言うまでもありません。

損保会社にもよりますが、一般的に1等級の契約者はあまり歓迎されません。それなら他社にすればいいと考えるかもしれませんが、なおさら厳しくなります。

仮に自動車保険が4等級の場合、3等級ダウン事故を起こすと翌年は1等級です。万が一のために保険に加入しているので、大きな事故があれば自動車保険を利用したほうがいいのは言うまでもありません。しかし、地道に無事故を継続して等級を進めることが大事であることを理解してください。

知らないと損するノンフリート等級の引き継ぎの基本

等級の話をすると事故が多く等級が進んでいない人は他社に契約を移す、自動車保険の名義を配偶者などに変えることを考えるようです。しかし、これらのことは後で分かります。ノンフリート等級はシステムで損保各社が繋がっているので、契約他社に移しても割引を引き継ぐことができますが、これは割増も同じです。名義を変えた程度では分かりますし、13カ月は履歴が残ります。

なお、車を複数所有している人は(これから増やす人を含む)、増車するタイミングで割引の入替が可能です。

例えば自分が乗っている車が20等級、運転に慣れない子どもが新しく車を購入して新規で契約する際、新しく購入した車を既存の契約の20等級にして、現在自分が乗っている車を新規契約することが可能です(減車するタイミングでも同じことが可能)。

6等級で自動車保険に加入すると、無事故でも20等級まで14年かかります。等級制度の仕組みを知って地道に等級を進めることが、自動車保険料を安くするためのベースを作ることに繋がるのです。

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この記事を書いた人

平野FP事務所 代表 CFP ®認定者、1級FP技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

東京都出身。証券会社、損害保険会社を経て実務経験を積んだ後に1998年から独立して活動をはじめてFP歴20年以上。また相談業務を受けながら、中小企業の支援にも力を入れている。行政機関や大学での非常勤講師、企業研修などセミナーや講演も多数。メディアでの執筆記事も多く、WEBに公開されているマネー記事は550本以上。2016年にお金の情報メディア「Mylife Money Online」の運営を開始。主な著書に「いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)」がある。誰もが自分らしい人生を安心して豊かに過ごすため、「お金の当たり前を、当たり前に。」をモットーに活動中。「Mylife Money Online」のURLはコチラ→ http://mylifemoney.jp

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