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保険はもはや「保障」だけではない?――ちょっとしたことでも役立つ付帯サービスの使い方

平野 敦之平野 敦之

2020/11/09

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イメージ/©︎paylessimages・123RF

生命保険や医療保険、がん保険などの保険には、「付帯サービス」と呼ばれるものが付いていることが増えています。あくまで「サービス」なので保険の「保障」ではありません。

保険契約をした時点では保険金や給付金を請求する人の方が少ないので、サービスがあることを理解していない、あるいは忘れてしまう人もいます。しかし夜間に自分や家族の具合が悪い、あるいは病気になって他の医師にも相談してみたいなど医療に関連することで困ったときに意外と役に立つサービスなのです。

■生命保険・医療保険などの付帯サービスとは?

生命保険や医療保険、がん保険などの保険商品に付帯しているサービスとは、保険の保障とは別に原則として無料で提供されるサービスです(一部優待価格などで紹介するサービスもある)。

例えば24時間健康相談サービスやセカンドオピニオンサービスなどがあります。

対応するのは医師や看護師などの医療関連の資格を持つ専門職の人です。夜間に急に高齢の親や子どもの体調が悪くなった、この病気の専門医を探したい、相談したいなどの際にこれらのサービスを受けることができます。

医療技術の進歩などにより、昔は疾患したら死を覚悟する病気も今は必ずしも死に直結するわけではありません。その一方で、長期の治療や再発、治療後の定期的な検査など病気と長く付き合っていかなければならないことも増えています。

働きながら病気の治療を続けるケースもあるため、これまでのように単に保険金や給付金を支払うだけが生命保険に求められる役割ではなくなってきているのです。

■具体的に付帯サービスは、どんなことができる?

生命保険の付帯サービスは、保険会社が独自でサービスを展開しているというよりは、付帯サービスを提供する企業と提携して、契約者などに提供しています。主なサービスをみてみましょう。

 24時間健康相談サービス
 セカンドオピニオンサービス
 専門医紹介(紹介状あるいは専門医の手配)
 メンタルヘルス相談
 癌に関連する相談
 介護相談
 人間ドック優待   など

保険会社によって提供される付帯サービスは一律ではありません。どのようなサービスがあるかは確認しておきましょう。

例えば、癌になって働きながら治療を続けなければならない場合、勤務先がこうしたことに理解のある会社ならいいのですが、そうでない場合、どう切り出せばいいのかなど悩ましい問題です。こんなときに相談に乗ってくれる人がいるのは心強いものです。

2020年11月2日からFWD富士生命が発売したがん保険「FWDがんベスト・ゴールド」には、治験情報の提供や相談なども含まれています。付帯サービスは外部の専門の会社が主に生命保険会社と提携することで提供しています。一方、東京海上グループでは、東京海上日動あんしん生命の契約者だけでなく、東京海上日動の損保契約者にもメディカルアシストというサービス提供をしています。

同じ生命保険の付帯サービス提供企業でも、提携する保険会社が異なると付帯サービスの内容が違うことがあり、同じ保険会社でも契約している保険の種類(生命保険、医療保険、がん保険など)によって、サービス内容が違うこともあるので注意してください。

■意外と使える生命保険の付帯サービス

2020年コロナ禍においても、各社のこうした付帯サービスが色々と活用されたようです。

健康なときに病気の治療などにかかることは気にする人は少ないでしょう。また保険に加入する際、死亡したらいくら保険金がおりるのか、入院や手術で医療費がかかった場合、どのくらい給付金が支払われるのか、保険料はいくらかなどに注目しがちで付帯サービスのことまで気にしない人は珍しくありません。

誰でもネットで色々なことを調べることができる便利な世の中になりました。しかし、この病気について相談するのに専門の医師はどこにいるか、どんな医療機関に実績があるか、どの地域にあるかなどを探すのは大変な労力です。

まして自分が病気になっているわけですから、その負担は相当なものです。すべての生命保険商品に必ず付帯されているわけではありませんが、意外と知られていないお得なサービスなのです。

■保険金・給付金よりも予防と治療が先

生命保険や医療保険というと保険金や給付金が貰えて万が一のときに、そのお金が経済的な助けになるとイメージしている人が多いでしょう。

実際に生命保険の本質はそのとおりなのですが、最も大切なのは病気にならないための「予防」です。生命保険などでも付帯サービスとは別に、健康増進するプログラムや健康を維持した際のキャッシュバックなどがある商品が増えてきています。

次に病気になったらどのような「医療」を受けられるかです。このときに生命保険の付帯サービスなどが役に立ちます。
もちろん治療を受ければお金がかかるので、このとき生命保険や医療保険などの民間の保険の本来の役割が係わってきます。付帯サービス目当てに既存の生命保険を解約するのは本末転倒ですが、保障だけでない観点からの保険選びもこれからは必要な時代です。

 

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この記事を書いた人

平野FP事務所 代表 CFP ®認定者、1級FP技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

東京都出身。証券会社、損害保険会社を経て実務経験を積んだ後に1998年から独立して活動をはじめてFP歴20年以上。また相談業務を受けながら、中小企業の支援にも力を入れている。行政機関や大学での非常勤講師、企業研修などセミナーや講演も多数。メディアでの執筆記事も多く、WEBに公開されているマネー記事は550本以上。2016年にお金の情報メディア「Mylife Money Online」の運営を開始。主な著書に「いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)」がある。誰もが自分らしい人生を安心して豊かに過ごすため、「お金の当たり前を、当たり前に。」をモットーに活動中。「Mylife Money Online」のURLはコチラ→ http://mylifemoney.jp

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