「水災」「風災・雹災・雪災」――自然災害での保険の選び方(1/3ページ)
平野 敦之
2019/09/23
イメージ/123RF
自然災害による被害が後を絶ちませんが、なかでも毎年のように被害が発生しているのが台風による被害です。特に風災による被害は建物の立地を選ばないため台風や竜巻などが発生すると被害が大きくなります。
台風や竜巻など風災被害の状況
2019年9月に発生した台風15号による被害は日を追うごとにその被害の規模が明らかになり、停電による混乱が被害を拡大させました。被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。
この台風15号の被害同様、2018年に発生した台風21号の被害も凄まじく関西国際空港が孤立したり、一戸建てのベランダごと吹き飛ばされたり、車が横転したりと大変な被害がありました。
風災による保険金の支払い状況をみると、雹(ひょう)災との統計ですが次のような状況になっています。
<風災・雹災の保険金の支払い状況>
自然災害は多く発生する年やそうでない年の繰り返しですが、表にあるように2011年度以降は恒常的に増えています。火災保険の保険料がこのところ上昇している背景の一つに気候変動による自然災害の保険金の支払い増加がありますが、風災もその原因の一つということです。
火災保険における風災の補償とは?
火災保険における風災による補償は、一般的に「風災・雹災・雪災」の3つが一つになっており、風災もここで補償されます。なお、台風の場合には床上浸水や土砂崩れなどの被害もありますが、これらの被害については、火災保険の水災で補償します。
同じ台風が原因でも風災と水災では火災保険の中で補償するところが変わるので注意してください。現在の火災保険は、補償の異なる複数のプランから選ぶタイプか、基本補償をベースに自分で必要な補償を選ぶタイプのいずれかが主流です。
多くの火災保険で風災補償はセットされていますが、基本補償をベースに補償を選ぶタイプの一部の火災保険では、「風災・雹災・雪災」を外すことができるものがあります。これらのタイプはネットで見積もりなどを取るのがメインなので、自分で調べて加入する人が多いでしょうが、風災の補償の必要性は念のためよく確認してください。
なお、自由化前の損保の火災保険の共通商品である「住宅火災保険」「住宅総合保険」(いずれも専用住宅の場合)も、風災補償はセットされています。
この記事を書いた人
平野FP事務所 代表 CFP ®認定者、1級FP技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
東京都出身。証券会社、損害保険会社を経て実務経験を積んだ後に1998年から独立して活動をはじめてFP歴20年以上。また相談業務を受けながら、中小企業の支援にも力を入れている。行政機関や大学での非常勤講師、企業研修などセミナーや講演も多数。メディアでの執筆記事も多く、WEBに公開されているマネー記事は550本以上。2016年にお金の情報メディア「Mylife Money Online」の運営を開始。主な著書に「いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)」がある。誰もが自分らしい人生を安心して豊かに過ごすため、「お金の当たり前を、当たり前に。」をモットーに活動中。「Mylife Money Online」のURLはコチラ→ http://mylifemoney.jp