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火災保険

評価額はこうして決められる(1/3ページ)

平野 敦之平野 敦之

2019/04/17

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火災保険は契約している対象(建物や家財など)に損害があったときに、元の状態に戻すことを目的にしています。そのため火災保険の契約するときの評価額は、何かあった場合の損害額の基本となるために重要なものです。だからこそ契約の際に適正な評価額の計算をして、正しい保険金額で契約されていなければなりません。

火災保険の評価額の2つの算出基準

火災保険は住宅物件であれば、契約の目的は主に建物と家財です。これらの評価額の算出方法には次の2つの方法があります。

・新価(再調達価額)
・時価

新価とは保険の対象(建物や家財など)と同等のものを再築あるいは再購入するために必要な金額を基準にした評価額です。これに対して時価とは新価から使用年数に対して消耗した分を差し引いた金額を基準にした評価額です。

通常は「物」につける保険は時価を基準にすることがほとんどです。例えば自動車保険で車両保険に加入すると300万円した新車でも毎年契約を更新するたびに、280万円、250万円などと使用により減価した分が減っていきます。しかし火災保険の場合、住まいが損害を受ける前と同じように再建できないとその後の生活に問題が生じます。そのため火災保険では、新価という評価基準も採用されているのです。

現在、新規で火災保険に加入する場合、一般的にどの損害保険会社でも新価を基準にした商品のみで時価は採用していません。住宅火災保険や住宅総合保険などの古いタイプの火災保険に加入している場合には、時価と新価2つの基準を採用していました。

35年などの長期契約でまだこれらの住宅火災保険や住宅総合保険などに加入している場合、一般的には時価を基準にしていると考えてください。

次ページ ▶︎ | 建物の新価(再調達価額)を計算する2つの方法 

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この記事を書いた人

平野FP事務所 代表 CFP ®認定者、1級FP技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

東京都出身。証券会社、損害保険会社を経て実務経験を積んだ後に1998年から独立して活動をはじめてFP歴20年以上。また相談業務を受けながら、中小企業の支援にも力を入れている。行政機関や大学での非常勤講師、企業研修などセミナーや講演も多数。メディアでの執筆記事も多く、WEBに公開されているマネー記事は550本以上。2016年にお金の情報メディア「Mylife Money Online」の運営を開始。主な著書に「いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)」がある。誰もが自分らしい人生を安心して豊かに過ごすため、「お金の当たり前を、当たり前に。」をモットーに活動中。「Mylife Money Online」のURLはコチラ→ http://mylifemoney.jp

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