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「住宅ローン借り換え」を楽にする“ちょいテク”

本間弘明本間弘明

2018/12/18

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住宅ローンの返済は長期間に及ぶ。借入返済中に市況金利の低下や家族構成の変化に伴い、借り換えや繰り上げ返済を検討する人も多いはずです。今回は住宅ローンの借り換えについて筆者の実務経験も交えてご紹介させて頂きます。

住宅ローンの借り換え見極めポイント

住宅ローンの借り換えについては、
①金利差 :1%以上
②返済期間:10年以上
③借入残高:1000万以上
の要件を満たした場合は借り換えを検討する価値がある。

最近の住宅ローンの借り入れ金利は、S銀行(2018年12月適用金利)の場合、
・変動金利 :0.418%
・10年固定:0.800%
・20年固定:1.320%
・35年固定:1.480%
と過去の住宅ローン金利の中でも最も低い水準となっている。

借り換えの際の留意点として、金利差だけでなく、借り換えにかかる諸費用についても考慮しておきたい。
一般的に金融機関を変える場合は借入額の約1~3%程度が必要になる。

いざ手続き、立ちはだかるハードル

インタ-ネットで借り換え試算をし、大幅に借入金額の削減が出来る、とわかっても、いざ実際に実行に移すとなるとなかなか重い腰が上がらない人も多い。

平日に有休をとって会社を休んでも1日では借り換えの手続きは終わらない。奥さんに頼もうと思っても本人でないと話が前に進まない。

借り換えでさらに金利を下げる条件として、給与振り込み口座や各種引き落とし口座の変更、証券口座の開設、新規の定期預金…などさまざまなものがあって、それが面倒になって諦めてしまう人も少なくない。

金融機関を変えずに見直しを進めるには

筆者のクライアントで前述の借り換え効果の期待できる3要件を満たしていながら1年以上前に踏み出すことができなかったが、一念発起して遂に借り換えに成功した事例をご紹介していこう。 具体的な進め方は以下の通りで、このやり方で他のクライアントも何人も借り換えに成功している。

① 年末に自宅に送付される「住宅ローン残高証明書」を見ながらインターネットで借り換え試算を行う(R銀行とS銀行の2社で実施し、その結果をプリントアウト)

② 上記借り換え試算を持参し現在の住宅ローン借入金融機関に借り換えの相談に行く(事前に用件を伝えてアポを取っておいた方が話はスムーズ)


③相談窓口で、「住宅ローンの借り換えを検討しているのですが、できれば他行ではなく、御社でそのま  ま継続したいのですが、もう少し金利は下がりませんか?」と言ってみる

 ※他行での借り換え試算は最後の交渉手段としとっておき、まずは口頭で交渉してみる
 ※銀行としても他行に行かれたくない⇒行かれるくらいなら今の金利を適用して当行に残ってほしい、
と考えるはず

最終的にこのお客様は下記の内容で借り換えに成功。
・変動金利:2.30% ⇒ 変動金利:0.725%(▲1.58%)
・借り換え手数料:印紙代含めて(たったの)6,000円
・返済期間:13年 ⇒ 10年に3年間短縮(毎月の返済額はほぼ変わらず)

借り換えを終えたお客様の感想は、
「こんなに簡単にできるのならもっと早くやればよかった」(私からはさんざん提案していたのですが…)
「返済期間が3年も縮まって返済の目途がついた(ゴールが見えてきた)」
と非常に晴れやかな表情をされていたのが、とても印象的だった。

借り換えは自ら動かなくては大損に

このお客様が借り換えの手続きを終えてから、銀行の担当者に「どうして銀行側からもっと早く提案してくれなかったのですか?」と聞いたところ、
「当行からは(たとえお客様の利益につながるとわかっていても、自社の利益が減るような)そのような提案は致しません」ときっぱり言われたという。

銀行も商売なので彼らが悪いとばかりはいえない。しかし、
「自分も知らなかったので損をしてしまった」
「実際に行動に移せなかったので機会を逃してしまった」
と後で後悔することがないよう、日頃から情報の収集といざと言う時の行動力を身につけておきたいもの。それこそが賢い消費者とえるのではないだろうか。

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この記事を書いた人

株式会社お客様相談室 代表取締役  (社)介護相続コンシェルジュ協会 相談員

1969年 新潟生まれ。生命保険、損害保険だけでなく、確定拠出年金、NISA、投資信託を交えた総合的なコンサルティングを得意とする。企業向け選択制確定拠出年金の導入による社会保険料削減提案や各種共済、生命保険を活用した退職金制度の導入コンサルを中心とした経営アドバイザーとして活動している。また、ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、相続診断士、DCマイスター、損害保険トータルプランナーなどの資格を持ち、生損会社、税理士、社労士向けの講演や、新聞や雑誌への寄稿も行っている。

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