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無理なく払える返済額はこう考える

住宅の購入予算はいくらまでにするべきか

小島淳一小島淳一

2016/01/04

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家を買う前にしておくべきこと

 住宅を購入するに当たって、最初にするべきことはなんでしょうか。自分に合った住宅ローン商品を利用できる金融機関を探すこと? 希望の立地や間取りの条件をまとめること?

 もちろんそれらも重要ですが、より先にやっておくべきなのは、いくらまでの物件なら購入できるかを知ること。つまり予算の設定です。

 どれほど気に入った物件だとしても、将来に不安を残すのは好ましくないでしょう。せっかく購入した物件も、返済ができなくなってしまった場合は、泣く泣く手放すことになる恐れがあります。そういう事態を回避するためにも、購入予算を決めて、余裕のある返済プランを考える必要があるのです。

まずは家計を把握することから

 予算を設定する上で、専門知識もむずかしい計算も必要のない方法があります。それは現在の家計を把握することです。住宅ローンも、毎月の家計から返済してくわけですから、家計をしっかり把握しておくことは、購入予算と返済プランを考えるためには不可欠です。

 家計の収入と支出はもちろんですが、支出については、その内訳まで把握しましょう。大まかなものでもかまいませんので、一度家計簿をつけて家計の見直しをしてみましょう。

 まず現在、住宅費(管理費等を含む)として毎月いくら払っているでしょうか。また、家を購入する資金として月々貯金している金額はいくらでしょうか。そのふたつを合計したものが、あなたが家のために毎月払っている金額です。住宅の購入後も、その金額までなら今の暮らしのまま、無理なく払えるでしょう。

 勤務先の福利厚生や実家住まいなどで、具体的な住宅費がわからないという人は、住宅ローンの支払いは、大体手取り年収の20パーセント以下にすることを目安にしてください。

保険や税金の支払いも考慮に入れて

 ここで注意しなければならないのは、その金額を丸々、住宅ローンの月々の返済額にしてはいけないということです。

 物件を購入するのですから、住宅ローンが残っていても、その物件は所有者の資産です。特殊なケースを除いて、資産を守るのも責任を負うのも、基本的には購入者となることが多いでしょう。もしものときに備えて、火災保険などに入ることもあるでしょうし、固定資産税など、さまざまな税金も支払わなくてはいけません。住んでいるうちにリフォームを考えるときがくるかもしれません、ほかにもマンションなら管理費等がかかるでしょう。

 こういった物件そのものの価格以外の支払いや、将来に向けた積み立てを住宅費から差し引いて、残った額が月々のローン返済にあてられる金額であると考えましょう。

 次に支出の内訳を確認してみましょう。どういうものにお金をかけているのかを知れば、自分の生活をより具体的に把握することができます。住宅の購入に伴って新たに保険に入ることもあるので、保険の見直しの機会にもなるかと思います。

 ほかにも月々の支払いではなく、年単位での支払いがあるとわかっているものがあれば書き出しておくと、より正確な家計の把握につながります。

 支出の内訳を見直してみると、削減が可能な支出と、どうしても削減のできない支出が見えてくるはずです。住宅ローンの返済のために生活費の無駄を削ることは大切ですが、それにも限度があります。先ほども書いたとおり、住宅ローンの返済負担は手取り年収の20パーセント以下にするのが無理のない返済額と考えておくのがよいでしょう。

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この記事を書いた人

ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定)、相続診断士

1970年生まれ。神奈川県海老名市出身。 早稲田大学商学部を卒業後、93年、「海賊とよばれた男」の出光興産株式会社に入社。特約店経営改善計画からマーケティング・SS現場の増客増販まで一連のガソリンスタンド事業に携わる。福島県山間部での集客イベントでは3日間でガソリン10万ℓを売上、全国優秀店表彰へ導く。 その後、2000年にヘッドハンティングされソニー生命に入社。社内表彰やMDRTに連続入会、営業職最高位エグゼクティブライフプランナーに認定される。 現在は、金融機関に属さない独立系FP会社:ライフワーク株式会社の代表として、リスクマネジメントコンサルティングを中心に、各種セミナー講師として活躍中。

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