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古い火災保険と新しい火災保険の違いはどこ? 解約して入り直す必要は?

平野敦之

2020/10/13

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イメージ/@takasuu・123RF

火災保険は商品の自由化以降、各損保がさまざまな商品を販売しています。現在では、各社独自の火災保険を取り扱っているため、補償内容などは同じになっていません。以前は住宅ローンの利用時に借入期間と同じ期間の火災保険に加入するのが当たり前だったため、現在も自由化前の火災保険に長期契約したままになっている人もいます。

自由化前の旧タイプの各社共通内容の火災保険は現在のものと内容がかなり異なります。自然災害が増えている状況で現在の火災保険よりも注意する点があるのです。

旧タイプの火災保険とは?

火災保険は、物件の用途によって契約する火災保険の種類が決まります。専用住宅の場合、旧タイプの火災保険は2種類あり、「住宅火災保険」「住宅総合保険」です。この2つの火災保険は補償範囲に次のような違いがあります。

住宅火災保険と住宅総合保険の補償範囲の主な違い

補償内容のうち、自然災害に該当するのは「落雷」「風災・ひょう災・雪災」「水災」です。「落雷」「風災・ひょう災・雪災」はどちらの保険でも補償していますが、水災は住宅火災保険では補償されません。

現在の火災保険は何らかのかたちで補償を選べるものが主流ですが、旧タイプの保険では補償を選択する、自分に合わせたプランに設計し直すことはほとんどできません。なお、地震や噴火、これらによる津波については、地震保険の加入が必要なのは現在の火災保険と同じです。

旧タイプの火災保険と保険金額

火災保険の保険金額(契約金額のこと)は、再調達価額と時価によるものがあります。再調達価額は、建物や家財を再築・再購入するための金額で新価ともいいます。再調達価額から、使用による消耗分を加味した金額が時価です。建物が災害で全壊した場合、時価では同じ建物を再築するには金額が不足します。

いまの火災保険は、再調達価額で評価するものが主流です。現在でも住宅火災保険や住宅総合保険の契約があるなら、時価での契約がほとんどです。旧タイプの火災保険に加入しているときには重要な注意点です。

風災・ひょう災・雪災

現在の火災保険も旧タイプの火災保険も「風災・ひょう災・雪災」の補償は一つになっています。旧タイプの火災保険では、これらが補償されていないことはありませんが、保険金の支払いに条件があります。

その条件とは、「損害額が20万円以上になった場合」というものです。損害額が19万円なら保険金は1円も支払いになりませんが、20万円になれば自己負担なく保険金が支払われる仕組みです。

水災

近年、増加傾向の水災ですが、この補償については複雑なのでよく内容を確認しておくことが必要です。水災というのは洪水などによる床上浸水だけでなく、土砂崩れなども含みます。

住宅火災保険では水災が補償されず、住宅総合保険は補償されるものの、上限額が損害額の70%までなどになっています。部分的な損害についても保険金の支払いは、実際の損害額を支払うわけではなく、定率払いになります。損害額が所定の割合に該当した場合に、契約で決められた割合で保険金を支払います。

水災が補償されても必ず実際の損害額が支払われるわけではないのです。

落雷

落雷の場合については住宅火災保険、住宅総合保険いずれの場合も対象です。落雷の場合、家電製品などが壊れることがよくありますが、こうしたケースでは建物だけでなく家財にも火災保険をつけていないと補償されません。

この点は旧タイプの火災保険に限った話ではありませんが、保険期間35年などの超長期の火災保険だと建物にしか火災保険をつけていないことも多いでしょう。改めて家財に火災保険の手配が必要な点は覚えておきましょう。

旧タイプの火災保険は解約した方がいい?

このように旧タイプの火災保険の自然災害に対する補償内容をみてみると、現在の火災保険の方がいいようにも思います。実際に火災保険としての補償内容はいまの保険の方が内容は優れています。

但し、保険金額が時価ではなく再調達価額となると契約金額が引き上がるため保険料も高くなります。補償内容は選べるものが多いものの、自然災害が増えている影響などで何度も保険料率の改定があり、全国平均ではいずれも値上げです。

まずは都道府県、また物件の立地による住まいのリスクをしっかり確認しましょう。その上で旧タイプの保険の補償内容を確認して、補償が不足するなら予算も含めて旧タイプの火災保険の切り替えなども検討してみてください。長期契約の火災保険の場合、日割りではありませんが、所定の割合で解約返戻金があるため、これを予算に組み込むのもポイントです。

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この記事を書いた人

平野FP事務所 代表 CFP ®認定者、1級FP技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

東京都出身。証券会社、損害保険会社を経て実務経験を積んだ後に1998年から独立して活動をはじめてFP歴20年以上。また相談業務を受けながら、中小企業の支援にも力を入れている。行政機関や大学での非常勤講師、企業研修などセミナーや講演も多数。メディアでの執筆記事も多く、WEBに公開されているマネー記事は550本以上。2016年にお金の情報メディア「Mylife Money Online」の運営を開始。主な著書に「いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)」がある。誰もが自分らしい人生を安心して豊かに過ごすため、「お金の当たり前を、当たり前に。」をモットーに活動中。「Mylife Money Online」のURLはコチラ→ http://mylifemoney.jp

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