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【インタビュー】「父も母も大好きな息子がどちらかと会えなくなるなんて考えられない」

しばはし聡子しばはし聡子

2019/08/06

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さまざまなカタチで離婚後も両親で子育てを行っているママの実体験を記事化したシリーズ。今回は、当初より迷いなく共同養育を実践されてきたママを直撃インタビューしました。

■共同養育をするようになった経緯をお聞かせください。

別居になったのは息子が小学校6年生の時でした。私が一戸建のスタジオを構え、その2階に生活できる場ができたことが大きかったと思います。

夫婦が別れたからといって息子がどちらかと会えなくなるということはまったく考えていなかったので、本当に自然の流れでしたね。

■どうしてスムーズに共同養育を行えるようになりましたか。

別居する際これといった取り決めはしていませんでしたが、息子は小さい頃から「父さんも母さんも大好き!!」という思いの強い子だったので、どちらかと会えなくなるということはまったく考えていませんでした。

夫婦が別れることになっても息子が父親も母親も偏見なく愛せる状況をつくることが私自身の課題だと思っていましたから。また息子のことが大好きな元夫から子どもを奪うことはあってはならないと考えていました。

■現在、どんなカタチで共同養育を行っていますか。

息子は車で5分ほどの元夫の家で週2,3日過ごし、私のところで週4,5日過ごすという生活を最近まで繰り返していました。そのため荷物がどちらの家にあるのかわからなくなることにストレスを感じている時期もありました。

「面倒ならやめれば?怒らないから好きなようにしていいんだよ」と言っても自らその生活を続けてきました。大学3年となった今年4月から息子も行ったり来たりをそんなにしなくてもいいのかもと思い始めたのか、ずっと私のところにいるようになりました。

■この共同養育のスタイルで困ったことはありますか。

高校生の頃など部活で早朝に家を出るにもかかわらず、その前に荷物を元夫の家に取りに行ったりすることもあり、そういう時は大変でしたね。あとは、息子に逃げ場を作っていることでしょうか。私との間にイヤなことがあると「別にいいよ、あっちに行くから」と向き合うことをせず元夫の家に行ってしまいます。でも、それがあるから私も助かっている部分はあったでしょうね。

■共同養育はどんなメリットがありますか。お子さんはもちろんご自身にとっても良いことがあれば教えてください。

息子にとっては父親、母親のふたりと過ごすとことによって双方の立場を理解し、どちらとも仲良くやっていけることがとてもいいと思います。私も一人で子育てをしていたら「何で別れたんだよ」という息子のワダカマリに向き合うことは辛かったと思いますね。私から離れる時間があることでそういう気持ちを緩和できたのかなあと。

あとは息子の口から「父さん最近ギター始めたよ。おれも頑張る」などと父と子の世界に触れることで私の知らない息子を発見できるのがうれしいですね。もちろん私自身が一人になる時間や空間を持てることも大きなメリットです。

■お相手がどんなことをしてくれたらうれしいですか。

養育費や教育に関する必要なお金をこちらからお願いしなくても出してくれるとうれしいですね。あと私は旅が好きなので「この期間、息子をお願いできる」と頼んだ時に快く引き受けてくれるとうれしいです。

■お相手とのかかわりで気にかけていることはありますか。

やはり感謝の思いを忘れないということですかね。元夫は親としてしっかり息子に向き合ってくれ、必要なことを提供してくれていますしね。

離婚から時を経て、共に歩むパートナーではないけれど遠くで応援してくれている人という風に感じています。息子の人生を一緒に協力し支えてくれている、そういったところには本当に感謝しています。

直接会うことはほとんどないですが必要があれば連絡を取り合いますし、夫婦じゃない今の方がいい関係と言えるかもしれません。それは相手に求めないからかもしれませんね。

■ご自身のこれからの夢・ビジョンをお聞かせください。

自身のことを「世界を旅するダンサー&ヨガ講師」と言っているんですが、自分のダンスを世界で発信していく、絶景でヨガをするなど世界とつながっていきたいですね。そして、私のお城である横須賀のスタジオで一人でも多くの人が自分を大好きになって自分を表現できるようになってほしいです。

あとは、東京進出を考えはじめているんですよ。面白いことに飛びつく人もたくさんいらっしゃると思うので、より多くの人とつながって色々なことへのチャレンジを一緒にやっていきたいです。「いくつになっても夢を実現」。そんな人生をこれからも体現していきたいと思っています。

息子との夢もあります。息子の二十歳の誕生日に私も加入している「旅クラブ」の入会をプレゼントしたんです。それは「いつでも世界に飛び立っていきなよ」というメッセージも込めてです。息子が小学校にあがる前、私のダンス留学のため1ヶ月間ふたりでニューヨークに滞在したこともあるんです。

またいつか一緒に旅ができて、バスケットが大好きな息子とNBAを観戦したいというのが夢です。それが一番の息子孝行かなと思っています。

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この記事を書いた人

一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント

1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️

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