電子レンジの3つの機能はどう使い分ければいいの?
桑田 唯
2016/10/05
電子レンジの3つの機能
時短料理に欠かせない電子レンジですが、多くの電子レンジにはレンジ機能とオーブン機能、グリル機能の3つがついています。使う食材やつくりたい料理によって、これらの機能を使い分ける必要がありますが、いまいち使い分けがわからないという方も多いのではないでしょうか。今回は、電子レンジの各機能の仕組みと、それぞれの用途をご紹介したいと思います。
マイクロ波加熱とヒーター加熱は何が違う?
電子レンジのレンジ機能・オーブン機能・グリル機能は、加熱方法によって大きくふたつに分けられます。レンジ機能はマイクロ波加熱、オーブン機能とグリル機能はヒーター加熱です。
マイクロ波加熱とは、マイクロ波という高周波の電磁波を食材にあてて、食材に含まれている水分や油分を振動させることで熱を発生させ、食材を温めるという加熱方法。一方、ヒーター加熱は、庫内にあるヒーターが熱くなることで、食材を加熱する方法です。マイクロ波加熱が食材の内側から発熱するのに対して、ヒーター加熱はあくまでも食材の外側にある熱い空気やヒーター自身の熱によって熱されます。
それでは、同じヒーター加熱のオーブン機能とグリル機能ではどこが違うのでしょうか?
それは温度調節ができるかどうかということです。
オーブン機能には温度調節機能があり、庫内の空気の温度を一定に保つことで、空気全体で食材を包み込むように熱することができます。予め庫内を設定した温度にできる予熱機能があるのもオーブンの特徴です。一方、グリルでは温度調節がされず、ヒーターで高温で加熱し続けるので、食材を一気に焼くことができます。
レンジ、オーブン、グリルはどうやって使い分ける?
それぞれの機能の違いはおわりかいただけたと思いますが、どのように使い分けたら良いのでしょう?
ずレンジ機能は、主に調理済の料理の温め直しや、野菜を茹でるのに向いています。
あくまでも食材内の水分や油分が熱されるため、温度は100〜130度ほどにとどまります。また、食材の水分が蒸発して、蒸しているような状況にもなるので、しっかり焼き目をつけたいような料理や、トーストやフランスパンなどカリッとさせたい食材の調理には向いていません。
焼き目をつけたいならグリル、火が通りにくいものはオーブン
焼き目をつけたり、カリッと仕上げたい場合には、グリル機能を使いましょう。グラタンやトースト、ハンバーグや焼き魚などに適しています。ヒーター加熱は温度が300度近くにもなるので、しっかり焼き目がつきますよ。コロッケやフライなどの揚げ物の温め直しも、電子レンジよりもグリルのほうがサクサク感をキープしやすいです。
グリル機能は温度調節機能がなく、ヒーターの熱が食材にあたり続けるので、長時間使い続けるとどうしても表面が焦げてしまいます。そのため、ローストビーフや厚みのある魚など、内側まで火が通りにくい調理には向いていません。
厚みがあって火が通りにくい調理の場合は、オーブン機能が活躍します。温度が調節されるのでグリルよりも焦げにくく、長時間加熱することができます。それでも焦げてしまう場合は、アルミホイルを上にかぶせるといいでしょう。また、ケーキやクッキーなど、一定の温度で焼く必要があるものも、オーブン機能を使用しましょう。
以上、電子レンジの機能のご紹介でした。実は、私もグリルとオーブンに関しては、最近まであまり意識して使い分けができておらず、いつも迷っていました。
でも、それぞれの機能の加熱方法を知っていると、レシピを見なくてもどの機能を使えばいいかがわかってくるのではないでしょうか。調理ずみなのか、焼き目をつけたいのか、火を通すのに時間がかかるのか、温度調節が必要なのかということも考えながら使い分けてみてください。
この記事を書いた人
インテリアコーディネーター
大学時代に建築を学び、雑貨バイヤーなどを経てインテリアコーディネーターの資格を取得。海外のインテリアや家具、その国ごとのライフスタイルや歴史に興味を持ち探求中。ワーキングホリデーでパリに滞在する。理想の住まいは、木や石などの自然な素材で作られた、秘密基地のような家。