4Kテレビはいま買うべき? 画質はどれくらい違うの?
桑田 唯
2016/08/16
そもそも「4K」ってどういう意味なの?
最近よく耳にする4Kテレビ。さらに今後は8Kテレビが出るといわれています。画質がいいテレビだということは伝わっていると思いますが、そもそも4Kの「K」ってどういう意味なのでしょう?
今回は、少しわかりづらいテレビのスペックを表す言葉や、4K対応の映像コンテンツはどれくらい普及しているのか、また、4Kテレビを買うときの注意点などをご紹介したいと思います。
テレビの画質は解像度で決まる
テレビの画質は、画面の解像度で決まります。
解像度とは、テレビやパソコンのモニターなどの映像が、何マス×何マスの四角で表現されているかということ。マスの数が少ない場合、昔のゲームのようなドット絵風の荒い映像になり、マスの数が多いときめ細やかで滑らかな映像になります。
このひとつのマスのことをピクセルという単位で表しています。
「4K」は解像度を示している
実は、4Kという言葉もこの解像度のことを表しています。4Kは4000のことで、Kは1000を表しています(1000g=1kgと同じ要領です)。4Kテレビの解像度は、横3840×縦2160なのですが、この横の3840をおよそ4000として、4Kと表現しているのです。
となると、2Kも8Kの意味もわかるのではないでしょうか? 2Kは解像度1980×1080なので1980を約2000として2K、8Kは解像度7680×4320なので7680を約8000として8Kと表示しているんですね。
ちなみにフルHD(フルハイビジョン)も解像度のことを表しており、これは2Kの解像度と同じく1980×1080です。つまり、2K=フルHDなんですね。
2Kと4Kの画質はどれくらい違うのか
2Kと4Kは数字だけ見ると2倍の差があるように思えますが、画素数(全ピクセル数のこと)は4Kだと約207万画素、4Kだと約829万画素で、4倍もの差があります。
小さい画面のテレビだとあまりその差は感じませんが、壁を覆うような大画面のテレビだと、画面に近づいたときに荒さが気にならなくなります。
4Kテレビには思わぬ落とし穴も
4Kテレビの映像がきれいというのはわかりましたが、実はいま売られている4Kテレビには思わぬ落とし穴があるのです。
映像の美しさは、テレビの解像度だけではなく、コンテンツ自身の解像度でも決まります。たとえばブルーレイとDVDだと、ブルーレイはフルHDの解像度ですが、DVDはフルHDの1/4の解像度(SDといいます)しかありません。フルHDのテレビでDVDを見ても、実際の画質は低いままです。
同じように、4Kのテレビがあっても4Kの解像度を持つコンテンツがないと、本来の美しさを発揮できないのですが、実は4Kに対応しているコンテンツはまだまだ少なく、一部のケーブルテレビやスカパー、会員制の動画サービスのみになります。
NHKはリオデジャネイロ・オリンピックから4K・8Kの試験放送を行なっていますが、実はいま販売している4Kテレビではこれらの放送は受信できず、近くのNHK放送局で見るようにアナウンスされています。
また、2018年以降にBSで4K放送が本格的に配信される予定になっていますが、現在販売している4Kテレビだけでは見られず、別途チューナーを買う必要があります。これは、現在の4KテレビはCS用のチューナーが内蔵されているのですが(※内蔵されていないものもあるのでご注意ください)、BS用のチューナーはまだ規格なども決まっておらず、内蔵したくてもできない状況なのです。
このように、4Kテレビを買っても4K映像をそのまま楽しめるわけではないのですが、テレビの機種によっては、低い解像度の映像でも4K画質に近づけるようなアップコンバート機能が搭載されています。アップコンバート機能があれば、DVDなどの低画質の映像でも、2Kテレビよりもきれいに見れるのです。
以上、4Kテレビについてのご紹介でした。家電メーカー側は4Kテレビをプッシュしていますが、実際には安くなったフルHDのテレビを買う人のほうが圧倒的に多いようです。
実際にテレビ売り場では4K映像を流しているのできれいに見えますが、実際に家で4Kコンテンツをどのくらい見られるのか? という点も考えたほうがいいでしょう。
この記事を書いた人
インテリアコーディネーター
大学時代に建築を学び、雑貨バイヤーなどを経てインテリアコーディネーターの資格を取得。海外のインテリアや家具、その国ごとのライフスタイルや歴史に興味を持ち探求中。ワーキングホリデーでパリに滞在する。理想の住まいは、木や石などの自然な素材で作られた、秘密基地のような家。