軽くて暖かい掛け布団の特徴と選び方のポイント
桑田 唯
2016/02/29
掛け布団の暖かさは何で決まるのか
掛け布団でいちばん重視したいポイントは、軽さと暖かさではないでしょうか。冬の寒い時期に、布団に入ってもなかなか暖まらないと、すぐに寝つくことができず、つらいですよね。日本ではもともと木綿の掛け布団がよく使われていましたが、重量がかなりあるので、最近では羽毛布団か合繊(化学繊維)の掛け布団がよく売られています。
ここでは特に、羽毛布団と合繊の掛け布団について、その特徴と選び方をご紹介したいと思います。
そもそも、布団はどういう条件のときに暖かく感じられるのでしょう? 掛け布団の暖かさを決めるいちばんの要素は、中綿に細かい空気がたくさん含まれているかどうかということです。布団は、中綿が暖かい空気を閉じ込めることで、暖かさを保ちます。
たとえば羽毛布団のなかに入っている水鳥の羽は、細い繊維が集まってつくられており、細かい隙間がたくさんあるので暖かい空気が逃げにくくなっているのです。つまり、中綿の素材が繊細であればあるほど、暖かい布団になるといえます。
羽毛布団はダウンとフェザーの割合をチェック
羽毛布団は高級品というイメージがあると思いますが、最近では1万〜2万円の羽毛布団も販売されています。ただ、やはり安いと性能もそこそこになってしまいます。羽毛布団を買うときにチェックしたいのは、まずはダウン(羽毛)とフェザー(羽根)が含まれている割合です。
ダウンとフェザーは、両方とも水鳥の羽ですが、取れる部位が異なります。ダウンは、水鳥の胸からお腹にかけて生えている、綿毛のように柔らかい羽のことで、一羽の水鳥から取れる量が少なく希少です。一方フェザーは、ダウンよりもしっかりとした羽で、1本の羽根の軸が通っています。
ダウンとフェザーを比べると、保温性や柔らかさは断然、ダウンのほうが上です。ですから、ダウンの割合が多いほどいい羽毛布団といわれています。ただ、ダウン100パーセントだと軽すぎてしまうため、5〜10パーセントのフェザーが混ざっているものが理想的です。ちなみに、中綿の50パーセント以上がフェザーだと羽毛布団とは呼ばず、羽根布団と呼ばれるので、混同してしまわないようにご注意ください。
また、「かさ高性」という数値にも注目しましょう。こちらはダウンのボリュームを表しており、この数値が大きいほどふんわりとした羽毛布団になります。
さらに、羽毛布団を触ったときの手触りも大切。チクチクするときは、フェザーの軸の部分が外に飛び出ているということ。羽毛布団の生地の目がゆるいと軸が出てしまいやすいので、生地の目が細かいかどうかも見てみましょう。
値段によってピンキリな合繊の掛け布団
羽毛布団と比べるとかなり安く買えるのがポリエステルなどの綿を使った合繊の掛け布団。安いものだと数千円で買えるので、出費を抑えたい人にとってはとてもありがたい布団です。また、羽毛などの動物性の中綿だとアレルギーが出てしまうこともありますが、合繊ならその心配もありません。
ただ、やはり化学繊維は吸湿性がよくないため、汗や湿気がたまり、蒸れやすくなってしまうというデメリットがあることは無視できません。また、羽毛と比べると保温性や柔らかさも劣ります。
このように、一般的には合繊の掛け布団は、価格はお手頃でもあまり質がいいとはいえないのですが、最近では性能のいい繊維が開発され、保温性に優れたタイプのものもあります。なかには羽毛布団よりも暖かいという実験結果が出ているものも。もちろん性能がよい合繊の布団は少し値段が高くなりますが、それでも羽毛布団よりは安く買えます。
以上、掛け布団の選び方についてご紹介しました。羽毛布団に関しては、やはり安いものだと性能がよくないので、せっかく買うのであればある程度の価格のものを選ぶのがよいのではないでしょうか。価格と性能のバランスを納得いくまで見きわめてください。
次回は枕の選び方についてご紹介します。
この記事を書いた人
インテリアコーディネーター
大学時代に建築を学び、雑貨バイヤーなどを経てインテリアコーディネーターの資格を取得。海外のインテリアや家具、その国ごとのライフスタイルや歴史に興味を持ち探求中。ワーキングホリデーでパリに滞在する。理想の住まいは、木や石などの自然な素材で作られた、秘密基地のような家。