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あの家は私の学費の20倍はする――プライベートカウンセリングで相続トラブルをうやむやに(2/4ページ)

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こころをほぐし、本質へのアプローチ

ご夫婦が帰られたその日の午後、従妹のA子さんがカウンセリングルームに訪れました。

A子さん「おじさんからここへ来るように言われました」

とリクルートスーツに身を包んだA子さんは、緊張した表情を浮かべて話し始めました。

「いま、就活をされているんですか?」

A子「はい。ちょうど、この辺の会社訪問があって。いま、面接を受けてきたんです。1年間休学していたので、就活も1年遅れになりました」

というと、彼女はカウンセリングルームの窓から見える小さな公園に目をやりました。

「おじさまからは、どんなことで、カウンセリングを勧められたのですか」

A子「私が落ち込んでいるとか、就活でストレスがたまっているだろうからとか。確かにそれもあるけれど、でも……」

「も?」

A子「いや、いいです。なんでもありません」

「そうですか。無理にお話しされなくても、大丈夫ですよ。カウンセリングでは、いまの体調について、また、これまでの人生経験について、時間をかけてお聞きするんですが、いいですか?」

A子「はい、ぜひ、よろしくお願いします」

それから彼女は、生育歴や小中高時代の友人や恋愛のことなど、1時間くらいかけて詳しく話したあと、幼い頃からお母さまとの二人暮らだったこと。お母さまの介護についても話しはじめました。

A子「高校生のころから母はからだの具合が悪くて、腎臓に負担をかけない料理を覚えて、一緒に食事をしていました」

大学に通い始めてから、母親の容体が悪くなり休学。そんな彼女は今ではすっかり薄味に慣れてしまい、「コロナが終わって友だちとご飯を食べにいっても、友だちと食事の好みが合わないかも」と笑うA子さん。そのはにかんだ表情の彼女からは、衝動性のかけらも感じられなかった。

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この記事を書いた人

公認心理師 博士(医学)

大手不動産会社で産業保健活動を行う一方、都内で親子や夫婦の関係改善のためのプライベートカウンセリングを実践している。また、最近は、Webカウンセリングも行い、関東甲信越や東北地方の人たちとのセッションにも力を入れている。

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