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環境アレルギー対策で、さらに健康増進! 第10回 「皮膚の弱い人の感染症対策~手指消毒編~」

加藤 美奈子加藤 美奈子

2020/11/20

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イメージ/©︎編集部

新型コロナウイルスの感染者が日本全国で一日あたり2000人を超え、いよいよ本格的に第3波が押し寄せてきています。私たちにできることは予防しかありません。しかしそこで気になるのが手指消毒の際の手荒れ。今回は皮膚の弱い人のための感染症対策についてのお話をします。

気づけば一日8回の手指消毒 皮膚に多大なストレス

新型コロナウイルス感染症予防で、手指のアルコール消毒液は商業施設、病院、レンタル施設、習い事や働く場所などの出入口に設置されています。

私の場合、スーパーマーケット、喫茶店、レンタル施設、病院など一日に8回も消毒を行うことがありました。これは非常に皮膚にとってストレスと感じます。なぜなら、日に日に皮膚がかさつき、手荒れを起こし始めているからです。

そもそもアルコールとは何かというと、炭化水素の水素原子をヒドロキシ基 (−OH ) で置き換えた物質の総称です。

消毒用アルコールの効果は、細胞膜など脂質膜やタンパク質を変性させる生理作用があります。アルコールが新型コロナウイルス感染症になぜ効果があるのかというと、アルコールはウイルスの「膜」を壊すことで無毒化するものだからです。アルコールは濃度70%以上、95%以下のエタノールを、よくすりこむと効果があります。

では、次に皮膚の表面の解説をします。皮膚のうるおいは、3つの物質によって一定に保たれています。

①皮脂・・・皮脂腺から分泌される脂(あぶら)のことで水分の蒸発を防ぎます
②角質細胞間脂質・・・表皮で作られ、角質細胞と角質細胞の隙間を埋めている脂のことです
③天然保湿因子・・・角質層にある低分子のアミノ酸や塩類のことです


イラスト/マルホ「手あれのおはなし」を基に編集部作成

このように皮膚の表面を見ていくと、アルコールで皮膚の表面が壊れやすい状態にあると言えます。物質的な変化の一方で精神的には、アルコールが皮膚に沁みこむことで痛みを伴い、心の負担になる可能性もあります。

今回は、皮膚の弱い人が手指を清潔にするための感染症対策をご紹介します。

まず、洗い流すことが最も重要です。

どのくらいウイルスが減るかというと、流水15秒の手洗いだけで100分の1に減ります。石鹸やハンドソープで10秒もみ洗いし、流水で15秒すすぐと1万分の1に減らせるのです。


出典/厚生労働省「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」

対策のポイントは3つ

では、皮膚の弱い人たちは、この時期をどのように切り抜ければよいのかご提案をいたします。

消毒・除菌される環境が増えている今、皮脂が取れ、繰り返すことで荒れます。その傷からウイルスが入ってしまうこともあるので避けたいものです。

対策は次の通りです。

①石鹸の洗い残しや水分の残しがないようにし、手洗い後ごしごし強く手を拭かず優しく水分を取り除きましょう
②保湿剤をたっぷり塗りましょう。目安はティッシュペーパー1枚がつくぐらい塗りましょう。保湿の種類は、市販のものでも、皮膚科のものでもよいです
③必要時、皮膚科に相談しましょう

手指のお手入れをしっかりしながら、今の時代を乗り切りましょう。

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この記事を書いた人

春日井環境アレルギー対策センター 代表

子どもがアレルギー起因の喘息で入退院を繰り返した経験から、2011年にアレルギーをもつ子どもの育児をサポートする任意団体を設立。2018年、春日井環境アレルギー対策センターを設立し、健康住宅建築や既存建築物の空気質測定、室内空気環境品質検査認証などを中心に事業展開。アレルギー患者を一人でも減らすべく日々活動している。資格:看護師、環境アレルギーアドバイザー、シックハウス診断士

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