パリのアパートで隣人と出会ったら
桑田 唯
2016/01/05
会ったら笑顔で挨拶
フランスは、日本と比べて人との距離が近いように感じます。スーパーで買い物をするときも、店員さんとお客さんが「元気?」とフレンドリーに話している光景をよく見ますし、初対面の人でもみんな気軽に話す雰囲気があります。
日本とは少し距離感が違う人付き合いですが、実際にアパート内での交流はどうなのでしょう? 今回は私の住むアパート内での隣人や入居者との交流についてお話ししたいと思います。
日本でも、同じアパートやマンションに住んでいる人とすれ違うときは挨拶をすると思いますが、こちらではやはりフレンドリー度が高めで、ほぼ全員「目を見て笑顔で挨拶」してくれます。日本だと、会釈するだけだったり、目は合わなかったりすることも多かったのですが、フランスでは笑顔で挨拶というのがデフォルトのようです。
また、男性は、玄関の扉を開けて先に通してくれることも。本当にレディファーストが徹底されているんだなぁと感じました。こういう距離感なので、ちょっと困ったときや何か質問をしたいときも、気軽に話しかけやすいです。
大家さんとの交流
大家さんは同じアパートに住んでおり、私の住む部屋の2階下に部屋があります。大家さんご夫婦とはよくすれ違い、会うと少し世間話をすることも。
また、何か困ったことや質問したいことがあるときは、家を訪ねることもあります。家賃に関しては私は振込で払っているのですが、現金を手渡しという方法でもいいらしく、融通を利かせてくれるようです。
余談ですが、今私が住んでいるアパートは、部屋ごとに大家さんが違うということが最近わかりました。私の向かい側の部屋は、実は別の大家さんが管理している部屋らしく、家賃や部屋のスペックも違うようでした。
どうも話を聞くと、建物全体を管理している大家さんがひとりいて、部屋に関しては部屋ごとに何人かの大家さんがいるようです。同じアパートで暮らしている大家さんもいれば、別の場所に住んでいる大家さんもいるとのこと。
これ以上ははっきりとわからないのですが、 何やら日本よりも仕組みが複雑そうです。
隣人や同じ階の人との交流
隣人や同じ階の人との交流は特別多いわけではなく、こちらも会ったときに挨拶して軽く自己紹介をするくらいです。引っ越しの挨拶の習慣は特にないようでした。同じ階に日本人がふたり住んでおり、そのふたりとは割と交流があります。
アパート内では、外部の人ともたまに会うことがあります。よく会うのはアパート全体の清掃をしてくれている人や、工事や修理をしている人です。
アパートのエントランスは週に何度か清掃されており、常に奇麗に保たれています。また、私の階にある公共トイレや廊下も週に1度掃除されています。
工事や修理に関しては、やはり古い建物なので、工事や修理の頻度が多く、工事・修理業者の人と会う事が多いと感じます。
日本人同士の交流
私の住むアパートには、私を含めて日本人が4人住んでおり、日本人同士の交流があります。やはり雰囲気でお互い日本人ということがわかるので、アパート内でたまたま会ったときに話して、連絡先などを交換して交流しています。
先日、パリで同時多発テロが起こった次の日には、ひとりの日本人留学生が声をかけてくれ、4人で集まってお互いを励まし合いました。日本語でお互い知っている情報を交換できたり、困ったときに助け合えるので、かなりありがたいです。こういう非常時は特に、日本人が近くにいるということはとても心強く感じました。
また、一度近所のコインランドリーが全て閉まっているときがあり、どうしてもその日に洗濯をしなくてはならず、隣室の日本人の方に相談させてもらったこともありました。そして、私がそれまで知らなかったランドリーを教えてもらい(実はそのコインランドリーが一番アパートから近かったのでした)、無事に洗濯できました! 旅行前だったので、洗濯ができなかったら持って行く洋服がない! となってしまうので、本当に助かりました。
語学の習得が目的の場合は、日本人同士で仲良くなるとあまり語学が上達しないという面もありますが、やはり安心という面では、日本人が近くにいる環境はオススメです。
いかがだったでしょうか。
パリに来てすぐは、慣れない環境なので、周りの人の暖かさが余計ありがたいなぁと思いました。少し不安な部分もあると思いますが、きっと暖かく迎えてもらえると思います!
この記事を書いた人
インテリアコーディネーター
大学時代に建築を学び、雑貨バイヤーなどを経てインテリアコーディネーターの資格を取得。海外のインテリアや家具、その国ごとのライフスタイルや歴史に興味を持ち探求中。ワーキングホリデーでパリに滞在する。理想の住まいは、木や石などの自然な素材で作られた、秘密基地のような家。