「インシュアテック」ってなに?
ウチコミ!タイムズ編集部
2019/07/15
イメージ/123RF
保険とテクノロジーを組み合わせた造語
3~4年前、Finance(金融)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせたフィンテック(FinTech)という造語が一気に注目を集めました。当初はなんのことだかよく分からなかったという人も、今となってはQRコード決済や電子マネーなど、すっかりフィンテックの恩恵を受けているのではないでしょうか。
当然、保険の世界でもテクノロジーとの融合は進んでいます。それを表す造語が、Insurance(保険)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせたインシュアテック(InsurTech)です。
最新のテクノロジーによって、消費者や事業者がより便利に効率的に保険を契約したり提案したりできるようにするものです。
フィンテックの進化を目の当たりにすると、保険の契約や保険料の支払い、保険金の受け取りなどが、スマートフォンやパソコンを使ってもっと手軽に便利にできるようになるのではないかと想像する人も多いのではないでしょうか。
生命保険や医療保険の場合、契約期間が長かったり、保障の条件が複雑だったりするため、スマートフォンなどで手軽に契約できるケースはまだ少ないのですが、事業者側のインシュアテックが進んでいるため、消費者はさまざまなサービスを受けられるようになっています。
損害保険においては、スマートフォンでも手軽に加入できる保険がすでにいくつか登場しています。
今回は、それぞれのインシュアテックの代表例を簡単にご紹介します。
ビッグデータを活用した健康増進型保険
まず、インシュアテックによる生命保険や医療保険の商品の代表例が、健康増進型保険です。
健康増進型保険はビッグデータやIoTを活用し、健康診断や一定の運動などに取り組む人、あるいは基準よりも健康体であるとみなされる人を対象に、保険料を割り引きするといったメリットを提供する商品です。
とくに、住友生命の『Vitality』がインシュアテックを推進した商品としては分かりやすい例でしょう。消費者が契約するにあたって、ウェアラブル端末やスマートフォンの活用が必須となるからです。ウォーキングをしたりスポーツイベントに参加したりしたことがデータとして蓄積され、それによって契約者はポイントを獲得できるなどというメリットがあります。
今後、加入者が増えれば事業者はより多くのデータを得られ、さらに効率的な商品の開発につなげることができるようになります。その結果、たとえば実年齢ではなく健康年齢で保険料を算出されるといった商品が増え、消費者が自分の健康状況やライフスタイルなどにより適した保険に加入できるようになるでしょう。
→参考『健康増進型保険』のメリットと注意点
損害保険にポチっと加入できる『LINEほけん』
次に、損害保険です。損害保険におけるインシュアテックは、消費者もかなり身近に利用できるものが増えています。
その代表が『LINEほけん』です。LINEを利用していれば簡単に加入できる保険です。
しかも、無料で加入できる保険も用意されており、ハードルはかなり低く、これまでの生命保険や損害保険などのように「保険に加入しなくては……」という固い感覚もあまりありません。
LINEの無料保険の代表が、「無料でもらえるスマホのおまもり」。スマートフォンを落としたときに損害を1万円まで1回補償してくれるというものです。保障期間は3カ月で、保険期間が終了すると自動解約となります。
『LINEほけん』に加入すると、さまざまな保険の提案がトーク画面に届くようになります。
たとえば、「梅雨到来! 大雨のリスクをしっかりサポート」「楽しい海水浴! 夏のお出かけを安心サポート」「思いっきり楽しむわたしのフェス保険」などです。
とてもユニークなキャッチコピーですが、保障内容はケガによる入院補償や他人への賠償責任補償など、通常の損害保険と同様です。
しかし、保険期間は半日や1日などの短期で設定できる商品が多く、保険料も数百円~。「明日は海水浴だ!」というようなときに、LINE上でポチっと簡単に加入できることはインシュアテックの賜物といえるでしょう。(『LINEほけん』の商品内容については2019年7月4日現在)
このように、インシュアテックによるサービスはこれからもどんどん増え、商品の種類や加入方法も多様化していくでしょう。変化に柔軟に対応していくことも、自分に本当に必要な保険を見つける手立てになりそうです。
■取材協力:保険クリニック
1999 年に日本で初めて*オープンした保険ショップ。
日本の約90%の世帯が加入している生命保険を、視覚的に分かりやすくご説明するために、保険分析・検索システム『保険IQ システム』を独自に開発している。保険商品の検索や比較の機能を追加し、保険の現状把握からお客さまに合わせたプランのご提案まで、全国の『保険クリニック』でお客様にとって適切な保険選びをサポートしている。
*「日本初の来店型乗合保険ショップチェーン※」※店舗数11店舗以上または年商10億円以上をチェーン店と定義 東京商工リサーチ調べ(2018年6月)
『保険クリニック』へのご相談はこちら↓
https://www.hoken-clinic.com/
「LINEほけん」 公式ブログより
この記事を書いた人
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