#05 ハワイに住もう(長期・賃貸編)
中野亜紀
2019/01/16
ハワイでの長期賃貸のポイントは「6ヵ月」
今回はハワイでの長期賃貸物件探しについてお話しします。ハワイでの長期賃貸は、通常6ヵ月以上を差します。6ヵ月以下ですと消費税(オアフ島は4.712%)のほかにホテル税(10.25%)もかかり、また固定資産税のカテゴリーも居住用とみなされ税率が上がるため、6ヵ月以下か以上かが大きな境目となります。
6ヵ月以下の短期賃貸ですと、上記経費のほかにも賃貸募集広告等かかる経費が多く、稼働率も下がり手間もかかるため料金設定は高くなりますが、長期賃貸の賃料は短期賃貸に比べかなり割安になります。ビザを持たずにアメリカに滞在できるのは1回90日以内ですが、長期賃貸で物件を借りて私物なども置いたまま、年に数回行き来し別荘のように使われる方もいらっしゃいます。
ハワイでは複数の物件を案内してくれる不動産会社は少ない
ただし、日本と大きく違うのは物件探しの方法です。日本では1つの不動産会社に希望する地域や予算・間取り等を伝えれば、その会社が希望に近い物件を探して案内してくれますが、ハワイでは日本にある礼金の制度(日本では家主への礼金がそのまま仲介会社への手数料として戻されるケースがある)がないため、不動産会社は賃貸物件のお客様を紹介しても手数料はもらえません。そのため自社の管理物件以外で賃貸物件の案内を積極的にやっている会社は一部の日系不動産会社以外はほぼありません。賃貸物件を探してくれる会社の手数料は規定がないため様々ですが、家賃1ヵ月分を手数料としているところが多いようです。
自分で物件を探す場合には?
自分で物件を探す場合は、広告に書いている電話番号やEメールに直接コンタクトを取ります。賃貸物件を探すのに多くの人が利用しているのは以下のサイトです。
●HiCentral.com(ホノルル不動産協会のサイト。英語のみ。不動産会社のみが広告を出すので安心)
http://www.hicentral.com/forrent.php
●craigslist(英語のみ。無料掲示板で誰でも掲出できるのでオーナーが直接出していることも多い。ただ個人情報を取得しようとする詐欺広告も紛れているので注意が必要)
https://honolulu.craigslist.org/d/apts-housing-for-rent/search/oah/apa
●びびなびハワイ(日本語の無料情報掲示板。不動産会社だけでなく、オーナーが直接情報を掲出していることも多い)
https://hawaii.vivinavi.com/rp/
●ハワイに住むnet(日本語の情報掲示板。原則広告を掲出している不動産会社のみが情報を提供)
https://www.hawaiinisumu.com/realestate/rent/
ほんの数年前までは日本語の無料新聞“日刊サン”や日曜日の『ホノルルスターアドバタイザー新聞』を買って気になる物件の広告に電話をするのが一般的でしたが、今では新聞広告はかなり減りました。その他住んでみたいと思うコンドミニアムのロビーに行くと大抵掲示板があり、そこに賃貸募集の広告が出していることが多いので、住んでみたいコンドミニアムがあったらまずはそこの掲示板をチェックしてみるのもお勧めです。
また、長期賃貸の場合、家具なしと家具付があります。家具なしの場合も基本的にコンロ(ハワイでは90%が電気コンロです)と冷蔵庫はついています。洗濯機・乾燥機も各部屋に置き場がある場合はついています。家具ありの場合は物件により異なります。トランク1つで入っても家具、家電からバスタオル、食器、フォークまで揃っているところもありますが、大きな家具だけで、バスタオルや調理器具等はないところもあります。賃貸物件は退去が決まったらまだ借主が住んでいても次の借主募集の内覧を始める貸主もいますので、何が含まれているのか確認が必要です。
2回目以降の部屋探しはハードルが低くなる
内覧をして住みたい物件が決まったら、申し込み書と申し込み金($25くらいまで)を出します。申し込み金を要求しない貸主もいますが、テナントチェックといってソーシャルセキュリティ番号、名前、住所等を入れると家賃や電話料金、ローンやクレジットカードの支払いが滞っていないかや犯罪履歴等が調べられ、その費用に充てられます。ビザを持たない日本人の場合はソーシャルセキュリティ番号がなく、このテナントチェックで履歴が出ないため、不利になることがあります。その場合は、銀行の残高証明を提出したり、通常家賃1ヵ月分の保証金を多めに払うなどの意思を示すことが大切です。家賃滞納のリスクが低いと分かれば、日本人はパーティで騒いだり、部屋を極端に汚くしたり壊したりしないと思われているので、入居できる確率は高くなります。
ハワイで最初に物件を借りる際のハードルは高いですが、2回目以降は申し込み書に現在の住所や家賃等を書く欄があり、その貸主に連絡を取って問題のない借主だと分かれば、2回目以降はぐんと借りやすくなりますので、まずは気に入った”借りられる物件“を見つけてください。
この記事を書いた人
東京都出身。2000年8月から一人娘とともにハワイへ移住。2005年ハワイ大学経営学部会計学科卒業後、ハワイの日系不動産会社に勤務しハワイ州不動産免許(後にブローカーライセンス)を取得。2013年、雇用による永住権を取得し、現在は不動産投資・開発・管理・売買・商業物件・バケーションレンタル等扱う現地総合不動産会社“リアルセレクトインターナショナル”で、日本人顧客の居住用不動産売買を担当。https://www.realselectintl.com/