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人口動態統計「速報」が公表。出生数過去最少、婚姻数もコロナ水準のまま

朝倉 継道朝倉 継道

2026/03/16

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出生数過去最少を10年連続で更新

2月26日、厚生労働省が人口動態統計の速報を公表している。わが国における2025年の出生数は過去最少を更新。なおかつ、更新は2016年以来の10年連続となった。数字を抜粋しよう。

2025年(速報値)
項目 人数 備考
出生数 70万5809人 10年連続で過去最少を更新
死亡数 160万5654人  
自然減数(死亡数-出生数) 89万9845人 18年連続で過去最多を更新

なお、上記は「日本における日本人、日本における外国人、外国における日本人及び前年以前に発生した事象を含むもの」(厚労省)―――という、かなりややこしい括りの数字となっている。報道では「外国人を含む」などと、端折って紹介されるものだ。

そこで、日本における日本人―――いわゆる「日本人」を集計した24年の数字(確定数)を掲げると、以下のとおりとなっている。

2024年(確定数)
項目 人数
出生数 68万6173人
死亡数 160万5378人
自然減数(死亡数-出生数) 91万9205人

そのうえで、同じ24年における前記―――ややこしい括りの方の数字はこうだ。

2024年(速報値)
項目 人数
出生数 72万988人
死亡数 161万8684人
自然減数(死亡数-出生数) 89万7696人

当然ながら「日本における外国人」等が含まれている速報値に比べ、「日本における日本人」に限った確定数の方が出生数は少ないわけだ。(24年の場合約3万5千人少ない)。

よって、25年分もゆくゆくは同様の結果が出るのだが、これについては、まず6月上旬に日本における日本人の「概数」が公表される。次いで、9月にその確定数が公表されるスケジュールとなっている。

そういうわけで、若干分かりにくいが、とりあえずこういうことだ。

「日本で生まれる赤ん坊や日本人の赤ん坊は減り続けていて、それが止む様子もない」―――。

婚姻数は2年続けて増加も「コロナ水準」に留まる

婚姻数(速報値)を見てみよう。婚姻は、言うまでもなく出生という事象が生じる主な前提となるものだ。ここ10年の数字を掲げてみる。

婚姻数(速報値)
組数
2016年 63万6522組
2017年 62万3010組
2018年 60万2735組
2019年 61万5652組
2020年 53万7583組(約7万8千組の減)
2021年 51万4242組
2022年 51万9823組
2023年 48万9281組
2024年 49万9999組
2025年 50万5656組

このとおり、25年は昨年に続いての増加となっている。ただし、さかのぼると2020年に大きな落ち込みがあり、その後は下がったままのレベルが続いている様子も分かる。

そこで、20年といえば「コロナ禍」始まりの年となる。指摘や分析がさまざまあるとおり、コロナ禍は、人々の結婚観や結婚へのモチベーションに対し、少なからず影響をおよぼしたようだ。

ちなみに、先ほどと同様「日本における日本人」に限っての婚姻数における確定数を記すと、24年は48万5092組となっている。もちろん、上記の速報値よりも少ない。差は約1万5千組となる。

コロナ禍が婚姻数を急減させ、それが定着する状況を招いた理由について、人口減少を要因とする以外で語られているいくつかを挙げておこう。

「コロナ禍がもたらした行動制限や活動自粛がリアルな出会いの場を減らした。その結果、実際に人と会って交流することへのハードルを感じる人が増えた」

「行動制限等の間、交際のきっかけを得られなかった男女のうち、少なくない数の人が何らかの理由で、そのままの生活スタイルを保つことを選んでいる」

「コロナ禍で経済的な打撃を被った若者などが、続く物価高でも苦しんでいるケースが少なからずあると推測される。彼らの将来設計が厳しくなっている」

「低位」予測に迫る今回の結果

今回の人口動態統計・速報値における出生数について、これを国立社会保障・人口問題研究所が公表している「日本の将来推計人口」(23年推計)と比較してみたい。

ちなみに、同推計においては、低位・中位・高位―――3つの予測レベルが設定されている。もちろん、低位にあって出生数は少なく、高位では多い。

国立社会保障・人口問題研究所の推計(2025年の出生数・日本における外国人を含む)
項目 人数
出生低位 約68万1000人
出生中位 約77万4000人
出生高位 約87万6000人

これに対し、今回の人口動態統計・速報値での出生数は70万5809人(再掲)だ。高位はもちろん、中位も大きく下回り、低位に迫る結果となっている。よって、わが国の人口減少を悲観する立場からは、これら3つのうち当たってほしくなかった予測が概ね的中する事態となっている。

なお、上記の中位予測では、2041年の出生数が約71万0千人、42年が約70万1千人となっている。25年における実際の数字とほぼ同じだ。つまり、現実は15年以上も早くこれらに追いついたことになる。

以上、厚労省が公表した人口動態統計の速報について、その内容をいくつか紹介した。同資料および国立社会保障・人口問題研究所の推計については、下記でさらに詳しくご確認いただける。

厚生労働省 人口動態統計速報(2025年12月分)
国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口

(文/朝倉継道)

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この記事を書いた人

コミュニティみらい研究所 代表

小樽商業高校卒。国土交通省(旧運輸省)を経て、株式会社リクルート住宅情報事業部(現SUUMO)へ。在社中より執筆活動を開始。独立後、リクルート住宅総合研究所客員研究員など。2017年まで自ら宅建業も経営。戦前築のアパートの住み込み管理人の息子として育った。「賃貸住宅に暮らす人の幸せを増やすことは、国全体の幸福につながる」と信じている。令和改元を期に、憧れの街だった埼玉県川越市に転居。

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