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賃貸一人暮らし よい思い出を作るために5人がやってみたこと

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かりそめの賃貸一人暮らし

賃貸住宅で一人暮らしをしている期間というのは、人生の中でかりそめのものであることが多い。

かりそめとは? 一時的なこと。その場限りのこと。

たとえば、卒業、就職、結婚、転勤―――、いわゆるライフイベントが次々と起こりやすい若い入居者ほど、その傾向はつよいといえるだろう。

そんな、かりそめな賃貸一人暮らしの時間の中で、あとから振り返ったときに、人生のよい思い出となることをやってみた人たちの例をこの記事では紹介していきたい。

町内会に入ってみた

初めて暮らす街。周りの人は全てが見ず知らずという、単身用賃貸マンションでの一人暮らし。そんな環境の中、Aさんは町内会に入ってみた。

とはいえ、そんな物好き(?)で不思議な人の登場は、町内会側としても異例のこと。大いに驚かれたそうだ。

と、同時に、Aさんは感謝もされた。

「古くからの住宅街に突然建ち上がった集合住宅。住んでいるのは、道で会っても挨拶も返さない不愛想な人ばかり。周りが皆不安に思っていたところ、やっと顔見知りが出来た」

それが周囲の反応だった。

ちなみに、その町内会のメンバーといえば、活動しているのはほとんどが高齢者で、実態はまさに老人会だ。

防犯・防火のための夜回り、路上の定期清掃、ゴミ集積場の片づけ、冬の雪かきなど、比較的若いAさんがご近所のために力を発揮できる機会は多く、Aさんは充実した日々をそこで過ごせたそうだ。

一方、Aさんとしても、恩恵は十分だった。

何かあったときは頼れる知り合いが周りにたくさんいるということで、そこでの数年間は、一人暮らしの心細さから解放された生活を送れたとのことだ。

物件の掃除を買って出た

上記のAさんが、町内会に入ったきっかけはこうだった。

Aさんの住んでいた賃貸マンションには、多くの物件同様、管理会社が存在した。ところが、オーナーとの契約内容がショボいものだったのか、管理はまったく充実したものとはいえなかった。

たとえば、共用部分の掃除はひと月に1度しか行われない。しかも、その仕事っぷりといえば「雑」そのもの。まさにいい加減のひとことだった。

そこで、Aさんは、管理会社へ文句を言う代わりに、「共用部分が汚れたら、そちらの担当が来るのを待たずに私が掃除します」と、申し出た。

「掃除用具は自腹で買いましたが、大した値段じゃない」

と、Aさん。

「それよりも、あそこが汚れていて不快だ、とか、いつになったら掃除しに来るんだ、とか、そんなストレスが無くなることで、生活が一気に快適になりました」

やがて、そうこうしているうち、物件のエントランスを一生懸命に磨いているAさんの姿を見たご近所の方が、

「あそこのマンション、管理人さんが住み込むようになったらしい」

と、勘違い。声をかけたのが、Aさんの町内会入りのきっかけだったそうだ。

避難訓練の実施を提案した

いわゆる駅近、賑やかなエリアに建つ賃貸マンションに暮らしていたBさん。近所でボヤ騒ぎがあったのをきっかけに、同じ建物に住むオーナーに対し、こう提案したそうだ。

「うちのマンションでも避難訓練をやっておきませんか」

すると、オーナーもこれに賛同。間もなく実際に訓練が行われ、その過程で住人同士が互いに顔見知りになるなど、火災のみならず、防犯面も併せて物件全体での安心感が高まったそうだ。

その後、避難訓練は毎年の定例となった。

窓をギャラリーにしてみた

Cさんの住む賃貸アパートは、住宅街のさほど広くない通りに建っていた。そこは車通りは少ないが、人通りは結構多い。

通勤の男女や、通学の生徒・児童、買い物袋を提げたご近所の方、さらには、お散歩で行き来する保育園児たちと、1日中歩く人の姿が絶えなかった。

そんな中、Cさんの部屋は通りに面した1階にあって、出窓が道路の方を向いていた。

そのため、Cさんは、初めのうちは窓の向こうの視線が気になり、つねに内側を厚いカーテンで塞いでいたという。だが、あるとき考えを少し変えた。

Cさんは、絵が描ける人だった。そこで、出窓を自作の絵のギャラリーにした。

可愛い動物たちが集う作品などは、特に保育園児たちにウケたようで、窓の向こうから聴こえて来る楽しそうな声に、いつも癒される日々を過ごしたそうだ。

物件の屋上に上がらせてもらった

数年間を過ごした賃貸マンションから退去することが決まったDさん。以前から抱いていた希望をオーナーに伝えたという。

「この建物の屋上に上がらせてください」

快く了承してもらい、Dさんは自分の住む家のてっぺんに初めて立つことに。仲のよい友人も呼んで、よく知っているけれどもいつもとはちょっと視点が違う――不思議な景色を堪能。

よい思い出がつくれたそうだ。

記憶がよみがえる写真の撮り方

学生の時分以来、いくつもの賃貸住宅を住み替えてきているEさん。

思い出により深く刻まれる風景は、旅先や遊園地、イベント会場などよりも、むしろ日常の中にあると、あるとき気付いたのだそうだ。

そのため、Eさんは、自身の住む部屋の中や、建物の周りで、普段から折に触れスマホで写真撮影をする。

カンカン照りの日、大雨の日、夕焼けに染まる街など、窓やベランダからの風景もさまざま写真に撮っておく。

そんな、日々過ぎ去っていくいつもの風景が、その部屋から引っ越し、立ち去ったあとは、かけがえのない思い出の切れ端になっていくのだそうだ。

(文/賃貸幸せラボラトリー)

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この記事を書いた人

編集者・ライター

賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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