サービスルームの活用方法は日本と海外では違う!?
ウチコミ!タイムズ編集部
2016/04/20
人間は光のない空間に不安を感じることから、どんな家であっても可能な限り窓を設けて外の光が入ってくるように設計されています。しかし家の構造上窓に面していないところに部屋を作る場合、そこを荷物置場などに利用するのがほとんどです。こうして生まれたスペースのことを、最近では「サービスルーム」と呼んで活用するケースが多く見られるようになりました。今回はサービスルームの概要や、その活用法についてお伝えしていきたいと思います。
サービスルームとは
今でこそサービスルームという呼び方がされていますが、サービスルームとはつまり古くから日本家屋にもある「納戸」のことです。納戸には窓がなく、家の構造上、部屋と部屋の間などに生まれた空間を新たに部屋にしたものがほとんどです。窓がないので、人が常に過ごす部屋としては向いていません。
ここで少し法律上の定義も見てみましょう。建築基準法では、常に人が過ごす部屋には床面積に対して7分の1以上の面積を持つ窓を設けなければならないとしています。つまり、最初から窓がない納戸は「部屋」ではないと定義しているのです。もちろんそういう空間が好きな方がそこに住むことには問題ないのですが、法律上は部屋としてカウントできないため、古くは納戸、そして現在ではサービスルームと呼ばれているのです。
法律上人が住む部屋ではないと定義されているので、基本的にサービスルームには窓だけでなく電源やテレビアンテナの端子もありません。いったいそんなスペースに、物置以外のどんな活用法があるでしょうか?
日本と欧米のサービスルームの使い方
「サービスルーム」という呼び方は、欧米から伝わってきたものです。サービスという言葉には「何かの作業や仕事をする」という意味があり、欧米の住宅ではサービスルームを家事室として使っていることが多いそうです。ちょっと物を広げる必要のある作業など、家具などを置いているほかの部屋ではできそうにない作業などを、もっぱらサービスルームで行うという考え方を欧米の人達は持っています。
それに対し日本にはそういった習慣がなく、かつてあった納戸も農家にとっての作業部屋だったので現代のほとんどの家庭にはあまり関係ありません。現在、日本の住宅のサービスルームでは「騒音が漏れない」というメリットを生かして、カラオケの練習ルームや、映画や音楽を楽しむためのAVルームにするというケースが多いようです。電源がないという問題も、コンセントをほかの部屋や廊下から引けば、簡単に解決することができます。絵画が好きな人は絵を描くアトリエスペースとして使えますし、何かの趣味をするときに使う部屋、集中したい時に使う部屋として活用するのも面白いのではないでしょうか。
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