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広告料と担当者ボーナスを効果的に使う

営業マンに客付けの優先順位を上げてもらう方法

尾嶋健信尾嶋健信

2016/01/04

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広告料とキックバックを多くする

 自分の賃貸物件の入居者を募るときに、複数の仲介会社に一斉に客付けを依頼する「一般媒介」や、ほかの不動産会社からの紹介になってしまった場合、絶対に営業マンは優先して紹介してくれないものなのでしょうか?

 そこは営業マンとはいえ、人の子です。優先順位を上げる方法がないわけではありません。そのためにはふたつの作戦を用意します。

 まずひとつ目が、広告料とキックバックを多くする方法です。仲介手数料の上限は宅地建物取引業法で家賃1カ月分と定められていますが、「広告料」という名目で謝礼をしたり、成約の際にキックバックとして商品券を個人的に贈ったりという方法(担当者ボーナス)が考えられます。

 営業マンにとって一番の目的は、「成約することで利益を上げること」ですから、ニンジンをぶら下げることで優先順位を上げ、紹介確立を上げるという方法です。

 もうひとつが、とにかくこまめに連絡を入れることです。定期的に大家さんから連絡が入る物件は、優先順位が上がってきます。1カ月に1回では足りないくらいなので、週に1回はメールか電話でコンスタントに連絡を取り合うようにしましょう。

 ここでのポイントは、時間よりも回数です。営業マンが忙しそうなときには短めに電話を切ります。アプローチの方法としては「アドバイス通りにしてみたら内見が増えました、ありがとうございます」などお礼をきっかけにするとよいと思います。

営業マンにはこまめに会いに行く

 電話やメールも大切ですが、やはり直接会うのが一番関係性を深められる方法です。もちろん、事前に予定を確認してから訪問するようにしましょう。

 そもそも営業マンは、「自社物件」「借り上げ物件」「専任媒介」に意識が向きがちなので、そのなかであなたの賃貸物件の優先順位を上げるためには、物件の魅力以上に営業マンとの人間関係を深めることが重要になります。

 人間関係を深めるためには、アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが唱えた「ザイアンスの法則(単純接触効果)」を実践することをおすすめします。これは、「人間は知らない人には攻撃的になり、会えば会うほど好意を持ち、人間的な側面を知った時により強い好意を持つ」という、接触頻度を高めることで円滑な人間関係が可能になるという考え方です。

 1~2カ月に1回の連絡では、どうしても印象は薄くなってしまいます。そこでコンスタントに訪問し、直接会話をすることで、関係性を築いていきます。目安としては、少なくとも1カ月に1~2回はアポイントを取った上で訪問し、1週間に1回は電話かメールで現状確認をするようにしましょう。

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この記事を書いた人

満室経営株式会社 代表取締役

1970年、神奈川県逗子市生まれ。青山学院大学経営学部卒業。 大学卒業後、カメラマン修行を経て、実家の写真館を継ぐ。その後、不動産管理会社に勤務。試行錯誤の末、独自の空室対策のノウハウを確立する。 2014年時点で、500人以上の大家さんと4000戸以上の空室を埋めた実績を持つ。著書に「満室革命プログラム」(ソフトバンククリエイティブ)、「満室スターNO1養成講座」(税務経理協会)がある。 現在、「月刊満室経営新聞(一般社団法人 日本賃貸経営業協会)、「賃貸ライフ(株式会社 ビジネスプレス出版社)」にコラム連載中。 大前研一BTT大学不動産投資講座講師。

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