足立区の198万円戸建てを予算100万円台でリフォームした方法
高橋 洋子
2016/10/06
日当たりの悪い1階は白をベースにすることで明るい空間に
わずか2時間で消える幻の100万円台戸建て
今回訪問したのは、足立区のなかでも、つくばエクスプレス青井駅から徒歩5分。秋葉原まで電車で13分と都心へのアクセス抜群の好立地。青井駅の周りは近年再開発が進み、駅周辺は整備され、集合住宅や戸建賃貸も増えるなど人気エリアとなっています。
ではなぜ、そんな立地で一戸建てが198万円もの安さで入手できたのでしょうか? 早速、投資家のIさんに話を聞きました。
「この土地は、再建築不可で借地権となっています。昭和37年築と古いのですが、昭和57年に増改築を行なっています」
以前もこの連載で、大田区150万円戸建て(「大田区で150万円の空き家が、リノベーションでハンモックのあるオシャレな家に再生!」 http://sumai-u.com/?p=5810 )を取材しましたが、その物件も接道の関係から、建て替えができない再建築不可物件でした。
この198万円の戸建、どこで見つけたかというと、今回の物件もまた特別なルートではなく、インターネットの不動産情報サイトで発見したそうです。
「激安物件を狙っている人は多いので、100万円台の戸建ともなれば掲載されて2時間もすれば買い手が見つかり、ネット上から消えてしまいます。すぐに電話をするなど見つけたらスピード命です」
Iさんがネットの情報を見て不動産会社に電話をしたときにはすでに2番手。購入は無理かとあきらめていたのですが、電話してから1カ月後、決済当日に1番手の人が購入を取り止めたために、Iさんが入手できることに。
(参考記事)
「大田区で150万円の空き家が、リノベーションでハンモックのあるオシャレな家に再生!」
DIYで低コストリフォームを実現!
洗面台を新たに設置。水道工事は業者に依頼
問題は、築54年の老朽戸建をいかにして、客付けできる魅力的な物件にリフォームするかです。Iさんは、金融関連の会社に勤務した後、職業訓練校で半年にわたり、リフォームや内装などの勉強をしたことから、DIYの技術がありました。
そこで、下記の業者に頼まざるをない作業以外は、すべて自分で行なうことにしたのです。
【業者に依頼したもの】合計83万円
・電気アンペアアップ:10万円
・洗面用配管:3万円
・窓増設:12万円
・給湯器交換:8万円
・外壁塗装:50万円
これら以外は、たとえばキッチンの設置や組み立て、ドアを自作して設置する、襖を外して壁を設置するといった工事も、自分で行なったというから驚きです。
キッチンは、IKEAで材料費12万円。その他の材料費を合計しても、なんと38万円ほどですんだそうです。業者に支払った料金を合わせても、合計120万円ほどでリフォームできたことになります。
スイッチカバーやカーテンタッセルなど、セリアの100円グッズを用いて、いまどきのファミリー世帯が喜びそうなオシャレな雰囲気に仕上げています。
目指すは23区すべての戸建を取得すること
木枠のドアも自作。押入れに壁紙を貼ってワークスペースに
DIYを行なうことで費用を大幅に抑えることができるものの、今年の2月から9月まで、7カ月にわたって週末はDIYにあててきたIさん。
Iさんはすでに、RC2棟、S造1棟、木造2棟、戸建5 戸を所有しています。
人口減少傾向にある現在、都内23区の戸建てを主に投資対象としているというIさんの今後の目標は、 23区すべてで戸建を入手することだとか。
現在、江戸川区(2戸)、足立区、中野区、板橋区、荒川区(S造)の5区を制覇。残るは18区!
今後もIさんの活動を引き続きウォッチしてきたいと思います!
(参考記事)
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この記事を書いた人
暮らし研究所エメラルド・ホーム代表
暮らしのジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー 1979年岐阜県生まれ。 情報誌の編集、フリーライターを経て現職。空き家をリノベーションし、安くマイホームを購入した経験から、お得なマネー情報の研究に目覚め、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。講演・執筆・FP相談を通じて、家探しの基本から中古住宅の価値向上とリノベーションの魅力を伝えている。空き家活用に関するセミナーは3年でのべ2000名が参加し、「わかりやすくて、おもしろい。勇気がもらえる」と幅広い世代から好評を得ている。著書に『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)、『100万円からの空き家投資術』(WAVE出版)など。