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なぜこれほど注目されているのか?

いまさら聞けない、話題の「Airbnb」ってナニ?(1/2ページ)

尾嶋健信尾嶋健信

2016/03/09

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個人宅と旅行者をマッチングするサービス

ここ数年、「民泊」「Airbnb(エアビーアンドビー)」という言葉を耳にする機会が増えています。今回はまず、このふたつの言葉について説明してから、不動産投資のプロである私がなぜAirbnbに注目しているのかを語っていきたいと思います。

「民泊」とは、旅行者が個人の民家に料金を払って宿泊すること。海外では「バケーションレンタル」と言ったりします。よく似た言葉に「民宿」がありますが、民宿は、旅館業法で「簡易宿所営業」が認められている宿泊施設のこと。一方の民泊については、いまのところ、これを規定する法律は存在しません。

「Airbnb」とは、2008年にアメリカでサービスが開始された、民泊マッチングサイトを運営するWebサービスのこと。以下、その仕組みをご紹介しましょう。ちなみにbnbはいわゆるB&B、すなわちBed & Breakfastを表しています。

まず、「自宅に客を泊めてもいい」と考えている家主は「ホスト」としてサイトに登録します。一方、「ある地域に格安で泊まりたい」旅行者は「ゲスト」としてサイトに登録します。

ゲストは地域・日程・料金などからホストの物件を検索し、必要があればホスト宛に質問メールを送り、宿泊したい物件のホストに予約リクエストを入れます。リクエストを受けたホストは、24時間以内にゲストを受け入れるかどうかを決定。受け入れる場合は、待ち合わせ時間等を調整し、連絡先を伝え、予約が完了します。

なお、Airbnbサイトへの登録はホスト、ゲストともに無料。ゲストがホスト宅に宿泊する場合、Airbnbはゲストからホストへのオンライン決済を実施します。その際、ゲストは決済価格の6〜12パーセントを、ホストは決済価格の3パーセントをAirbnbに支払うシステムになっています。

Airbnbでは、ホスト、ゲストともに登録には細かな個人データを入力する必要があり、ゲストには身分証明書の提示が求められるほか、利用者が相互に信頼性を評価するレビューも公開されるなどのセキュリティ対策も講じられています。

現在、Airbnbは世界192カ国3万3000の都市で80万以上の宿を提供しているとか。日本では2014年5月にAirbnbの日本法人が発足し、1年間で2000億円以上の経済効果をもたらしたそうです。旅館業法に抵触しない形で、わが国でもAirbnbは少しずつ広がりを見せているのです。

世界的に広がるシェアリングエコノミー

Airbnbを語るうえで、欠かせないキーワードが「シェアリングエコノミー」。モノやサービスなどの資源を複数の人々が共有する経済のあり方のこと。共有経済とも訳されます。

これまでの一般的な経済の形は、B to C(Business to Consumer=企業と消費者の間の取引)か、B to B(Business to Business=企業間取引)に限られていました。しかし、限られた資源をより有効に活用するためにはC to C、つまり消費者同士の取引がもっと活発化してもいいはず。

こうした考え方のもとに発達したのが、ネットオークションであり、今回ご紹介するAirbnbでもあるわけですね。なお、同様のシェアリングエコノミーのサービスとしては、移動したい人とドライバーとのマッチングサイトであるUber(ウーバー=米国)も有名です。

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この記事を書いた人

満室経営株式会社 代表取締役

1970年、神奈川県逗子市生まれ。青山学院大学経営学部卒業。 大学卒業後、カメラマン修行を経て、実家の写真館を継ぐ。その後、不動産管理会社に勤務。試行錯誤の末、独自の空室対策のノウハウを確立する。 2014年時点で、500人以上の大家さんと4000戸以上の空室を埋めた実績を持つ。著書に「満室革命プログラム」(ソフトバンククリエイティブ)、「満室スターNO1養成講座」(税務経理協会)がある。 現在、「月刊満室経営新聞(一般社団法人 日本賃貸経営業協会)、「賃貸ライフ(株式会社 ビジネスプレス出版社)」にコラム連載中。 大前研一BTT大学不動産投資講座講師。

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