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不動産投資の4つのメリット(2/2)

不動産投資なら自分の力で収益を好転させられる

大倉修治大倉修治

2016/01/24

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ほかの投資にはないメリットがある

 前回に引き続き、不動産投資の4つのメリットについてご説明してきます。

 前回はふたつのメリットについてでしたが、今回は残りふたつのメリットについてです。特に、物件購入後の運営のしかたによって収益を好転させられるという点は、ほかの投資にはないメリットといえるでしょう。

メリット3 税務上の取り扱いが特徴的

(1)所得の計算に際して
 所得税の「所得」とは、簡単にいうと私たちが、色々な形で手にする収入から経費などを差し引いた利益のことです。

 サラリーマンの収入は給与所得、商売等事業による収入は事業所得というように、10種類に分類されます。複数の所得がある場合、不動産所得・事業所得などの赤字を、ほかの黒字の所得と通算できる損益通算というしくみがあります。

 その結果、全体として所得を減らすことができるので、税金の額を少なくすることができます。マンション投資で得た家賃収入等は、不動産所得として扱われ、家賃収入等そのものではなく、家賃収入等から色々な必要経費(*1)を差し引いて計算されます。

 この必要経費を差し引くことによって、実際の手取りの収入はプラス(黒字)であっても、所得の計算ではマイナス(赤字)となる(=不動産所得が赤字になる)ことがあります。この不動産所得が赤字であれば、損益通算のしくみを使うことができます。

(*1)減価償却費(建物の価値の減少分)、固定資産税・都市計画税等の税金、火災保険料、管理費やローンの利子(ローンを利用している場合)など。

「税金をなるべく払いたくない」といったニーズは総じて高いようです。ただ、損益通算の仕組みが利用できたとしても、それは限られた期間のみです。また、そもそも論として、「赤字を期待する投資」というのも、いかがなものでしょうか。

(2)相続税法上の財産評価に際して
 相続税を算出する上での相続財産の評価、預金、債券、株式、投資信託等については基本、時価をベースに評価します。それに対して、不動産の相続税評価額は必ずしも時価とは限りません。

 土地は路線価などで算出する相続税評価額、建物は固定資産税評価額がベースで、一定の要件を満たすと評価額をさらに下げる(圧縮する)ことができます。

 建物の固定資産税評価額は新築時の大体60パーセント程度です。現金を建物に変えるだけで、相続財産の評価額を圧縮できるということです。さらにその建物が貸家の場合は、その70パーセントで評価されます。

メリット4 投資家の裁量の範囲が広い

 不動産投資によるキャッシュフロー(税引き後)は、「家賃収入等」から「不動産賃貸事業を運営するために必要な費用(運営費)」(*2)、「ローン返済額(元本・利息)」、「税額(不動産投資で得た所得に対する)」を差し引くことで計算できます。

●税引き後のキャッシュフロー
キャッシュフロー(現金収支)=家賃収入-運営費-ローン返済額-税額

(*2)管理料、維持・修繕費、固定資産税・都市計画税、損害保険料(火災保険等)など

キャッシュフローを高めるには?

 上記の計算式から、キャッシュフローを高めるためにはどうすればよいでしょうか?

(a)家賃収入を多くする、
(b)運営費の無駄をなくす、
(c)ローン返済額を減らす、
(d)税額を減らす(=節税する)、などの方法が考えられます。

 たとえば、前回ご紹介したメリット1の「継続的な収入を得る仕組みがつくれる」については、家賃を高めに設定するということではなく、できる限り「満室経営」を目指すということです。それは、入居者募集の仕組みや費用対効果をふまえた物件価値の維持、向上といった空室の期間を減らす工夫をすることで実現できる可能性があります。

 つまり、物件購入後の運営のしかたによって収益を好転させられるということです。この点は、ほかの投資商品にはないメリットといえます。

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この記事を書いた人

CFP、1級ファイナンシャルプラニンング技能士

DCマイスター、宅地建物取引士 1972年生まれ。立教大学卒業。学生時代はラグビー部に所属。 大手住宅メーカー、 住宅・マンションディベロッパー、外資系生命保険会社を経る過程で、お客様にとって「偏りのない納得性の高いアドバイス」を提供したいという思いから、20世紀末より、ファイナンシャルプランナー(FP)としての業務を始める。

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