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賃貸管理会社から見た「買ってはいけない物件」の条件とは?

斎藤 岳志斎藤 岳志

2021/11/26

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イメージ/©︎vrender・123RF

賃貸管理会社が避ける物件の「7条件」

これまで賃貸住宅オーナーとしての物件の見分け方などについてお話ししてきました。

今回はちょっと視点を変えて、賃貸管理会社から見た避けたい物件とはどう違うのかという話をしていこうと思います。

実はこの視点、オーナー視点からも選んではいけない物件にほかなりません。

というのも、管理会社から見ればこうした物件は、すなわち「入居希望者を探すのに時間がかかる部屋」ということであり、空室リスクが高い物件と言うことができるわけです。

その具体的な内容は、次のようになります。

1)最寄り駅から徒歩15分以上の物件
2)最寄り駅周辺に仲介不動産会社(店舗)がない物件
3)共有部分(エントランスなど)の清掃状況がよくない物件
4)築年数が古い物件では、共有部分の修繕が疎かになっている物件
5)占有面積が15㎡以下(最低でも18㎡以上)
6)室内に洗濯機置き場がない物件
7)1階で半地下になっている物件

以上の7点が要チェックポイントだということでした。

これまで私が選んではいけない物件として、指摘してきた部分と重なるところもありますが、なるほどと思ったのは「(2)最寄り駅周辺に仲介不動産会社(店舗)がない物件」という指摘です。

これは管理会社ならではの視点だと感じました。というのも、物件オーナーの視点からは見落としがちになるところだからです。

簡単にできるその街の物件マーケティング

最近では賃貸物件探しはネットで検索して探すことが一般的になってきており、リクルートの調査では「オンラインのみの内見実施者が13.5%」と、もはや物件選びでのネットの活用は外せません。もちろん、最近はコロナ禍という事情があるでしょうが、仕事においてもリモートが進むなかでは、部屋探しのネット活用はバーチャル技術などが進歩し、さらに進むでしょう。しかし、物件そのものはネットだけでも可能ですが、細かい周辺環境やその物件のある街の雰囲気などは、実際に訪れないと分からないところもあるはずです。

そんな物件探しでのネット活用が進むなかでも仲介不動産会社の店舗があるというのは、やはりその地域に魅力があり、実際に訪れて部屋を探す人の需要があるから。仲介不動産会社も商売ですから、人が来ないところにわざわざ店を構えることはないでしょう。

つまり、駅周辺に仲介不動産会社の店舗があるかないかは、その街に人気があるかのバロメーターになります。たいてい人が集まる駅であれば、駅を出で目に付きやすいところに不動産会社の店舗があるものです。

私自身、物件探しをする際、知らない街では必ずその街の仲介不動産会社の店舗を見て回り、店頭に貼られている物件の広告を見ながら「どのくらいの広さ、どのくらいの家賃で募集しているか」といったことなどその街の物件について情報収集しています。場合によっては店舗に入って話を聞くこともあります。

ただ、大手チェーンの店舗では人の入れ替わりも激しいので、話を聞くのであればその街で長く商売しているような、いわゆる街の不動産屋さんみたいな店舗がよいかもしれません。

実際、私自身これまで物件を購入する際に、いろいろな街を回りましたが、仲介不動産会社の店舗が少なかったり、あっても目立たない街はなんとなく避けていたように思います。

こうしたちょっとしたことも、その街を知るためのマーケティング調査になり、中古マンション投資においては、こうしたちょっとしたことが失敗しないための対策につながります。

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この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

FPオフィス ケセラセラ横浜代表 百貨店在職中にファイナンシャル・プランナーの資格を取得。税理士事務所、経営コンサルティング会社などを経て、FPオフィス ケセラセラ横浜を開設、代表を務める。 マイホーム購入・売却相談のほか、不動産投資のサポートも行なっている。株式投資やFXなど一通りの投資を実践した後、2007年より不動産投資をスタート。現在は、自らの資産運用はほとんど中古マンション投資に絞って取り組んでいる。

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