賃貸経営における永遠のテーマ「空室対策」――入居者の募集広告をチェックしていますか?
廣田 裕司
2021/10/20
イメージ/©️haywiremedia・123RF
皆さんこんにちは。大家兼不動産屋の廣田裕司です。
大家さんに「インターネットに掲載されている入居者募集広告をチェックしたことがありますか」という質問をすると、「チェックしている」と答える大家さんは少ないです。
入居者募集に関しては、管理会社に任せっぱなしで、あまり関与していない大家さんが多いのではないでしょうか。しかし、管理会社の担当者は、一人で100~200室の部屋を管理しています。入居者募集以外にもさまざまな業務があり、入居者募集にかけられる時間も限られています。
そこで、入居者募集活動のうち、募集広告に関して大家さんができることを書いていきます。
入居者募集サイトの募集広告が掲載されているか
お部屋を探している人は、スマホを使ってインターネット上の入居者募集サイトから、希望の条件で検索し、お部屋の募集情報を集めるのが一般的です。今の入居者募集広告は、インターネット上の入居者募集広告が重要になります。
入居者募集サイトのうち、利用者の多い、SUUMO、アットホーム、HOME’Sの3サイトが、3大ポータルサイトとも呼ばれています。
この3大ポータルサイトなどに、自分のお部屋の募集広告が掲載されているか、チェックしましょう。3大ポータルサイトなどに掲載されていないと、募集情報が、お部屋を探している人に届きにくい状態だと思います。
不動産屋さん(管理会社さん)に募集を依頼しているにも関わらず、3大ポータルサイトに掲載されていないことがあります。
なぜ、掲載されていないかというと、不動産屋さんは、各ポータルサイトから広告枠(広告を掲載できる物件数)を購入するのですが、広告予算の関係上、無尽蔵に広告枠を購入することができません。限られた広告枠の中で、自社に誘導できるお部屋を優先的に掲載するため、自分のお部屋がポータルサイトに掲載されていない場合もあります。
募集広告の内容をチェックする
広告が掲載されている場合は、募集広告の内容をチェックしましょう。
募集広告をチェックする項目は、
①写真(掲載枚数・質)
②キャッチコピー
③家賃額、初期費用、入居条件、設備
の3つです。
①写真
ポータルサイトにより違いがありますが、一つの広告に20枚程度の写真が掲載できるようなっています。写真の掲載数が多い広告の方が、効果が高くなります。逆に写真の掲載数が少ない広告は見てもらえません。
次に写真の質です。暗い写真やピンボケの写真は論外です。お部屋を探している人が見たい情報を提供できているか。同じような写真や、どこを写しているのか分からない写真がないかをチェックします。また、写真に適切なキャプション(説明文)がついているかも重要です。
②キャッチコピー
写真だけでは伝えきれない物件の魅力を伝えるために、物件の魅力を短い文書で表現するキャッチコピーは重要です。キャッチコピーが掲載されているか、内容は適切かをチェックします。
③家賃、初期費用、入居条件、設備
写真以外に、家賃、初期費用、入居条件、設備が正確に記載されているかをチェックします。家賃、初期費用、入居条件、設備は、検索の条件となっている項目が多いので、正確に記載されていないと、検索にヒットせず広告が表示されません。また、募集中に家賃額、初期費用、入居条件を変更した場合は、広告上で正しく変更されているかチェックが必要です。
募集広告の修正
広告をチェックして問題点がある場合は、不動産屋さん(管理会社さん)に修正を依頼します。
自分で撮影した写真のデータを不動産屋さんに提供してもよいと思います。写真のデータは大容量になるので、DropBox、OneDriveなど、クラウド型のデータ共有サービスを利用するといいと思います。
大家さん自身でできる募集広告
数年前までは、入居者募集サイトへ直接大家さんが広告を掲載することはできませんでした。しかし、最近は、大家さんが直接入居者募集サイトに広告を掲載できるサービスが登場し、大家さんが自ら募集広告を掲載することが可能になっています。
直接募集広告を掲載できるサービスを紹介します。
〇ウチコミ!
大家さんが直接入居者さんを募集できるサイトです。募集しているお部屋に興味を持ったお客さんと直接やりとりができ、お部屋の魅力をお伝えすることが可能です。ウチコミ!でお部屋を契約した場合、入居者さんには仲介手数料が発生しないのが、ウチコミ!でお部屋を探す入居者さんのメリットです。
賃貸契約に関しては、管理会社か、サイト運営者の指定する宅建業者(エージェント)が賃貸契約を締結してくれるので安心です。掲載は無料で、入居者が決まったときに料金が発生します。
〇Echoes
Echoesは、大家さんが直接3大ポータルサイトなどに募集広告を掲載することができるサービスです。広告枠を大家さんが購入するので、確実にポータルサイトに掲載することができます。また、掲載した広告の反響情報や内見されたお客さまの感想がフィードバックされます。
賃貸契約に関しては、管理会社さん依頼することもできますし、サイト運営者に依頼することも可能です。
費用は、一部屋の募集情報を1カ月間掲載して、3300円(税込)です(複数のサイトに掲載されます)。間取り図作成や写真撮影のオプションがあります。
※料金は、2021年10月現在
〇その他
不動産専用のサイトではありませんが、無料広告掲示板の“ジモティー”も募集広告を掲載できます。また、物件紹介用の動画を撮影し、YouTubeなどの動画共有サイトで募集をするものよいと思います。
まとめ
入居者募集広告は、お部屋を探している人にお部屋の魅力を伝え、問い合わせや内見につなげるための手段です。
お部屋の魅力を一番分かっているのは大家さんです。入居募集は不動産屋さん(管理会社さん)に任せっぱなしにしないで、大家さんが「自分ごと」としてとらえ積極的に入居者募集に関与しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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この記事を書いた人
「合同会社アップ」代表 「行動する大家さんの会」代表
妻の実家の賃貸事業を引き継ぎ、賃貸経営に関わるようになる。サラリーマン時代の経験を活かし、原状回復費の低減、稼働率アップに成功。賃貸経営での経験をベースにセミナー講師としても活動。2014年大家仲間と一緒に、管理会社「みまもルーム」設立に参加。大家さんとしての経験、不動産業者としての経験を活かし、大家さんの賃貸経営をサポートする会社「合同会社アップ」を設立。大家さんのサポート活動を展開中。