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投資物件の購入はあくまでもスタート マンション投資の運用はそこからが本番

斎藤 岳志斎藤 岳志

2020/12/10

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イメージ/©︎syahrir maulana・123RF

管理会社の言いなりにならない大家になるために

中古のマンション投資では、物件購入はあくまでもスタートに過ぎません。しかし、中には物件購入をして満足してしまい、あとのことは無頓着という人もいます。当然のことですが、マンション投資は資産運用の1つなのですから、これを順調に末永く継続させるためには関係知識のブラッシュアップをすることが大切です。

大家としての知識をどう身につけるか――手っ取り早い方法は、それに関係する資格を取得することです。具体的には「宅地建物取引士」「マンション管理士」「管理業務主任者」などです。こうした資格がないと大家ができないというわけではありません。ですので、必ずしも資格取得が目標ではありません。

しかし、ただ知識だけを得ようとしても、なかなか身につくものではありません。そこで資格取得を目標にすることで、真剣に知識を得ようとする姿勢が変わってくるものです。また、“芸は身を助ける”というように、今の仕事の幅を広げたり、転職したりするときに役立つなど、資格は持っていて邪魔にならないもの。そんな目標を持つことが自己研鑽にもつながるのではないでしょうか。

もちろん、購入した部屋の管理は管理会社などに任せるにしても、こうした知識を持っているだけでも、先方の言いなりにならず、自分が求めることが可能なことか、無理なことかの判断がつくようになると同時に、先方に何をしてほしいか、しっかりと要求することができるようになるはずです。

不動産関連資格で専門知識を身につける

では、それぞの資格について見ていきましょう。

宅地建物取引士の資格は、不動産取引にかかわる法律的なことが中心的な内容で、不動産全般の知識を身につけるにはうってつけの資格です。「資格取得までは……」という方は関連の書籍を読んでみるだけでも意外なことを知ることができます。

私は通信教育で学びましたが、普段ふれることのない民法などを学ぶことができて知識のブラッシュアップには多いに役立ちました。

マンション管理士、管理業務主任者の資格では区分マンションの建物管理についての知識が身につきます。

この2つの資格は管理会社に勤める方やコンサルタントなどが取得する資格ですが、マンションの管理に直結する部分でもあるため、これから賃貸住宅の大家になるにあたって、その基本知識として関連の書籍に目を通しておくだけでも役立ちます。

お金全般の知識が身につくファイナンシャルプランナー

資産運用全般の知識を得るのに便利なのがファイナンシャルプランナー(FP)です。

FPは国家資格のファイナンシャル・プランニング技能検定1級から3級とファイナンシャルプランナー協会によって認定されるCFPとAFPというものがあります。

いずれも、年金、保険、金融、不動産、税制、相続と6つの分野の知識を学びます。入門の「ファイナンシャル・プランニング技能検定3級」だけでも、その知識は実生活に生かせるため、学んでおいて絶対に損のない資格です。

会社員として働いている人であれば、会社任せの税金、健康保険、年金、退職金、年末調整の仕組みがわかるようになります。生命保険、損害保険、最近の話題のiDecoやつみたてNISA、もちろん、不動産など金融や資産運用に関しての知識が身につきます。

さらに賃貸住宅の大家ともなると、会社員であっても税金の申告は会社任せでいられましたが、給与所得と不動産所得を合わせて確定申告が必要になります。こうした税金の知識についても知ることができます。

加えて、物件購入にあたっての住宅ローンについても基本的なことを学ぶことができます。また、もしもの際の相続についてもカバーされるので、FPの資格はお金に関する一通りのことを学ぶにはうってつけの資格だと思います。

とはいえ、一度学んだだけではダメですが、こうした資格を持つことで、新聞やネットのニュースを読んでいても、自然とそうしたニュースに関心が向くようになります。

物件を購入後、通帳を眺めて家賃収入があるからと安心するのではなく、大家であると同時に不動産の投資家として自分の資産をどう守り、運用していくかをしっかりと考えるようにしてください。

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この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

FPオフィス ケセラセラ横浜代表 百貨店在職中にファイナンシャル・プランナーの資格を取得。税理士事務所、経営コンサルティング会社などを経て、FPオフィス ケセラセラ横浜を開設、代表を務める。 マイホーム購入・売却相談のほか、不動産投資のサポートも行なっている。株式投資やFXなど一通りの投資を実践した後、2007年より不動産投資をスタート。現在は、自らの資産運用はほとんど中古マンション投資に絞って取り組んでいる。

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