コロナショック! 賃貸住宅オーナーが"利用すべき制度"と"やるべきこと" ~固定資産税の支払い 編~
ウチコミ!タイムズ編集部
2020/04/25
物件を所有している方なら誰もが支払っている“固定資産税”。その支払い時期が近づいてきました。コロナショックにより、退去や家賃減少が増えている現在で固定資産税を払うことが難しくなってしまったオーナーもいるのではないでしょうか。
新型コロナウイルスの日本経済への影響が深刻化するなか、政府は企業の資金繰りの急速な悪化を防ぐために、数々の緊急対策を打ち出しています。助成金の支給や融資の拡充などのほかに、税金の軽減や納税猶予もオーナーにとって重要な対策のひとつである。そのうち、必ず支払う必要がある固定資産税について、業績が大きく悪化している中小企業を対象に、免除も含めた軽減策も公表されました。
そこで前回の「家賃の減額交渉されたらどうする」に続き、大家さん専門税理士の渡邊浩滋氏のコラム「コロナによる家賃収入減少!固定資産税を払うべきか?」を紹介します。
「コロナによる家賃減少!固定資産税を払うべきか?」
まだまだコロナによる経済の影響が計り知れないですね。大家さんにもいよいよその波を受けそうです。
コロナによって政府から家賃猶予要請があったこともあり、今後入居者さんから家賃の猶予や減額の依頼がくる可能性があります。固定資産税の支払いが始まってくるので、これから苦しくなるだろう資金繰りを考えると、固定資産税を払うべきかどうか悩んでしまうと思います。
固定資産税も減免措置になる法案も出ているので、なおさらです。
まず現状(4月15日時点)の情報を整理して考えてみたいと思います。
固定資産税の減免措置ですが、コロナによる固定資産税の減免措置は、業種を限定せず、中小事業者が適用されますので、個人の賃貸オーナーにも適用は可能です。
《要件と減免割合》
令和2年2月~10月までの任意の3カ月間の売上高が前年同期間と比べて
〇30%以上50%未満減少→2分の1減額
〇50%以上減少→全額免除
売上が下がったことの認定経営革新等支援期間(税理士など)の認定を受けて市町村への申請が必要になります。
ただし、この減免措置は、令和3年度分(来年4月以降の納期限)が対象です。令和2年度分(今年4月以降の納期限)は対象になりませんのでご注意ください。
令和2年度分の固定資産税については、売上20%以上減少(1カ月以上前年同期比)していれば納税を猶予してもらえます。
猶予はすでに払ってしまったものは対象外。口座振替にしている方は止める手続きをされた方がよいです。
市区町村によって
『市役所の窓口で手続きをする方法』
『銀行の窓口で手続きをする方法』
があります。
まずは、市役所の固定資産税課に連絡してみることをしてください。
ちなみに東京都23区の場合HPでは、「東京都主税局徴収部納税推進課(03-3252-0955)又は所管の都税事務所徴収課へご連絡ください。」となっています。
プロフィール
渡邊浩滋総合事務所
税理士・司法書士 渡邊 浩滋氏
大学在学中に司法書士試験に合格
大学卒業後総合商社に入社。法務部にて契約管理、担保管理、債権回収などを担当
商社を退職後、税理士試験に合格
その頃、実家のアパート経営(5棟、全86室)が危機的状況であることが発覚。 経営を立て直すために自ら経営を引き継ぎ、危機的状況から脱出する。
資産税専門の税理士法人に勤務した後、2011年12月、独立開業
税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動し、税理士・司法書士のワンストップサービスを提供している。
2011年、「行動する大家さんの会」を設立
2013年、「一般社団法人 大家さんの道しるべ」代表理事就任
資格専門学校の講師、賃貸住宅フェアなどのイベントでの講演、セミナー講師等、幅広い分野で活躍中。
2017年からは日本全国の大家さんを救うべく、フランチャイズ展開を開始。
同じ志を持つ税理士を求めている。
『コロナショック! 賃貸住宅オーナーが"利用すべき制度"と"やるべきこと" ~家賃の減額交渉 編~』
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https://knees-ohya.com/category/blog/watanabe/
渡邊浩滋総合事務所
この記事を書いた人
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