マナーのよい入居者は、オーナーさんが集めることができます!その実例
ウチコミ!タイムズ編集部
2019/09/21
イメージ/123RF
入居者管理を管理会社にすべて任せているオーナーさんに比べ、自主管理オーナーさんが辛い点といえば、やはりこれです。不良入居者が発生した際の対応でしょう。もちろん、どの管理会社もベストな対応をしてくれるというわけではありません。
ですが、直接そうした入居者の相手をしなくてよいということに、大きな安心を感じている「管理会社におまかせ派」のオーナーさんは多いはずです。一方、独自の工夫で、事前の対策を立てているオーナーさんもいます。
事前の対策とは?
入居者さんを不良入居者にさせないための対策です。もしくは、不良入居者予備軍に対して、逆に向こうから入居を避けてもらうための対策です。
実例を3つご紹介しましょう。
1…オーナーさんが面接
読んで字のごとくです。オーナーさんが入居希望者と面談し、人となりを見極めてから、入居してもらうかどうかを決める方法です。
すると、当然こんな声が挙がるでしょう。
「一度面と向かって会ってしまったら、断れなくなりませんか?たとえ相手の印象を悪く感じたとしても…」
そのとおりです。さらには、「断って逆恨みでもされたら」と、不安を抱かれるオーナーさんも多いはずです。
そこで、こういうかたちにします。まず、面談に進む入居者さんは、家賃債務保証会社の審査はちゃんとクリアした方、ということにします。これが大前提です。
そのうえで、入居をお断りするという選択肢は、オーナーさんの心の中には「実は、はじめから存在しない」ということにもします。つまり「面談相手は全員合格」と、オーナーさんはハナから決めてしまっているのです。
ではなぜ、わざわざ面接・面談するのか? それは、入居希望者と打ち解けるためです。オーナー自身を理解してもらうためなのです。
「親身な大家さんだな。物件を大事にしてるんだな。もしも入居することになったら、この大家さんだけは裏切れないな」と、相手に思ってもらうためなのです。
それこそが、面談の真の目的です。
マナーに欠ける人物や、不良入居者化しそうな相手をあらかじめ見定め、排除しようとするのではなく、その人があとでグレない(?)ように、楔(クサビ)を打ち込んでおくというやり方です。
もちろん、真摯な気持ちで打ち込む、温かな楔である必要があるのは当然です。
一方で、自らの生活がだらしないことを自覚している人物の多くは、オーナー面接があると聞いた時点で、関わりを避けてくれることが期待できます。
2…一緒に物件内・ご近所へ挨拶回り
晴れて入居が決まった入居者さんをご挨拶回りに連れ出すオーナーさんがいます。「新しく〇〇号室に入られた〇〇さんです」と、ほかの部屋の皆さんに紹介して歩くのです。まるで昭和の下宿ですね。
すると、「いまどきとんだお節介」と、嫌がられる?
逆です。ほとんどの入居者さんが、「自分では動き出しにくい。ありがたい」と、思ってくださるそうです。
このほんのひと手間により、入居者さん・オーナー・入居者さん、三者が顔見知りとなる関係が、挨拶の数だけ生まれます。
「顔見知りに対して恥ずかしい行動は見せられない。迷惑はかけられない」との意識が醸成されることで、マナー違反を事前に抑えるといったかたちです。
さらには、物件内だけではありません。新たな入居者さんを連れて、ご近所へも、挨拶回りされるオーナーさんもいます。
地域に見守られている安心感と緊張感を同時に得てもらうことで、賃貸住宅の住人が起こしがちなゴミ問題や騒音など、近隣トラブルを防止するのがねらいです。
ちなみに、知らない人が出す音は不快に聞こえても、知っている相手の場合は、それがあまり気にならなくなるともいいます。オーナーさんに連れられての挨拶回りをきっかけに、入居者さん同士に良好なコミュニケーションが生まれると、たとえば「子どもの声や足音が苦情になりにくくなる」と、いった効果につながることもありそうです。
3…マナー同意書
こちらは、ある管理会社が行っているやり方です。有名になったため、最近は真似されているオーナーさんもいらっしゃるかもしれません。入居しようとされる方全員に、生活マナーや災害時の協力をお願いする「マナー同意書」へのサインをいただくのです。
これにより、入居者さん同士にあっては、互いに同じ内容の書面にサインをした関係であるという安心感が生まれます。同時に、お互い同意内容に反することはできないという緊張感も生まれます。
「だらしない自分はそういった関係には加われない」と思う人は、自ら入居を避けてくれるということにもなるわけです。
以上、入居者さんを不良入居者化させないための事前の対策、実例を3つ挙げてみました。
なお、これらはどれも自主管理オーナーさんにとって大きな武器となりますが、管理会社に入居者管理をお任せしている場合でも、募集~入居プロセスの中に比較的スムースに導入することが可能です。相談をもちかけてみるのもよいでしょう。
(文/朝倉継道 画像/123RF)
この記事を書いた人
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