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建設業の許可について

岡田一夫岡田一夫

2016/09/16

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最近、建設業会でもコンプライアンスが重視され、元請業者から建設業許可の取得を促されるケースが増加しております。

【許可が必要かどうか?】
一般的には請負金額が金500万円以上、建築一式工事については1500万円以上かどうかが許可取得のボーダーラインとなります。但し、上記で述べたように最近では、元請業者の法令順守、信用性の確保という点からゼネコンをはじめとする地元の中堅工務店に至るまで、下請業者に建設業の許可取得を発注条件にしているようです。当事務所でも建設業許可取得依頼の多くがこの理由によるものです。

【許可の区分】
建設業許可には「一般」と「特定」という区分があり、これは下請けに出す際の金額により区別されます。施主からの請負金額と勘違いされている方もおられますが、原則金3000万円(例外:建築一式工事は金4500万)以上を下請けに出すことが出来るかどうかで区分されます。つまり元請しかしない会社、下請けしかしない会社は請負金額が多くても一般でよい訳です。
「知事」と「大臣」という区分があり、これは営業所が1ヶ所の場合は、その所在地を管轄する知事許可となり営業所が他府県にまたがる場合は、大臣許可となります。

【許可の種類】
平成28年5月31日までは全部で28種でしたが、平成28年6月1日から1業種「解体工事業」が新設されました。解体工事は以前は「とび・土工工事業」に区分されており、「とび・土工工事業」取得業者でも解体工事が出来るよう猶予期間がありますが、解体業をされている会社は速やかに許可の追加をする必要があります。

【許可の要件】
許可を取得するにあたり、最も重要なポイントが「経営業務の管理責任者」と「専任技術者」の2名がいるかどうか(⇒正確に表現するならば書類で証明できるかどうか)です。
例えば、個人事業主として技術資格が無く、リフォーム業を10年以上営んでいた方が、内装仕上げ工事業の許可を取得する場合、「経営業務の管理責任者」としての経歴は最低5年以上でいいのすが、10年間の請求書や見積書、工事請書等が破棄により証明できない場合は、事実としては要件を充たしているのですが、「経営業務の管理責任者」としても「専任技術者」の10年以上の実務経験も証明することが出来ませんので、結果的には取得することが出来ません。尚、5年間の確定申告書も必要ですので、許可を取得したい方は確定申告書をはじめ書類関係はきっちりと保存しておくようにしてください。
財産的要件として、金500万円の残高証明書が原則として必要となります。もし、個人事業主から法人成りをして建設業の許可取得を予定されている方は新設会社の資本金を金500万円として設立登記した場合は別途、残高証明書は必要ありません。

【費用・期間】
知事許可で証紙が9万円、大事許可で15万円かかり、行政書士の報酬は約10万~15万円ぐらいです。知事許可であれば申請後約1ヶ月、大臣許可は約3ケ月が目安となります。

【最後に】
現行手続では、建設業許可取得の要件が年々厳しくなってきてますので、工事関係書類、会計書類、従業員の在籍(社会保険・労働保険)を充実させ、それらの書類を保存しておくことが大切になります!

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この記事を書いた人

司法書士・行政書士

おかだ司法書士 / 行政書士事務所。同志社大学経済学部卒業後、平成4年司法書士試験合格、平成7年独立開業、平成8年行政書士資格取得。 不動産登記、商業登記等の登記業務を中心に、建設業、宅建業、運送業等の許認可業務も取り扱っております。多くの不動産賃貸経営者をクライアントとする税理士事務所の依頼により、相続に伴う財産・事業承継に数多の経験があります。最近では、経営者の高齢化に伴い、いわゆる家族信託スキームを利用した権利の保全・財産承継の業務が増加してきております。 登記業務はどの司法書士に依頼しても成果は同じですが、遺言、信託等の保全業務は「する」か、「しない」かで結果は全く異なります。他の士業と連携し、トータル的に国民の権利保護に寄与できればと考えています。 [担当]不動産登記 岡田一夫は個人間直接売買において決済完了後に登記手続きを行います。

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