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賃貸募集成約事例ファイル――特殊な条件が付いた物件でもPRコメントでしっかり意図を伝えられる

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「賃貸募集成約事例ファイル」――それは賃貸物件を所有する大家さんが直接入居希望者を募ることができるウチコミ!を活用し、実際に成約した事例を紹介するコーナー。今回は、福岡県小郡市三沢で猫可物件を手がけるアパートオーナーM夫妻に話を聞いた。

猫の保護に少しでも貢献したい それが賃貸経営のきっかけ

――賃貸経営をはじめたきっかけは何ですか?

元々この場所(福岡県小郡市三沢の物件)は貸し店舗で、2階を僕らの居住空間にしていたのですが、1階の店舗が出てからしばらくは空き店舗でした。平成28年頃、これから消費税が上がるということで「何かしよう、いっそ店舗ではなくアパート経営がいいのでは」と考えました。せっかくなら特徴的な物件にしたいと思い、夫婦で猫が好きなので猫の保護に少しでも貢献できないかと妻に相談したところ、女性専用がいいというアイデアをもらったんです。

――その貸し店舗は相続をされたのですか。

はい。戦後すぐに祖父が土地を手に入れて魚屋さんを始めました。そのあと貸店舗にしてクリーニング屋さんになったり銀行の出張所になったり。その後何年も空き店舗だったんです。

――そうなのですね。駅に近くて立地はとてもよいですよね。

いくつか問い合わせはあったのですが、やはり駐車場がないのがネックだったみたいで、いよいよ建物の老朽化も進んできて本当に何とかしなければと思っていました。

――その頃から猫ちゃんを飼われていたのですか。

物心ついたときから一緒ですね。昔の魚屋さんはネズミ避けに猫を飼っていました。僕の子供の頃の写真にも猫が写っています。

――賃貸経営は兼業でされているのですか。

そうです。僕はサラリーマンで、妻はパートをやっています。受け継いだ土地の確定申告などは殆ど僕がやっていたので、名義は母でしたが、経営としては僕が受け継いだ形になります。

猫可物件の少ない福岡県小郡市

――アパート経営をされるにあたって大変だったことは何ですか。

業者さんに意図が伝わりにくかったですね。関東の方だと猫が飼える物件は増えているかもしれませんが、こちらはまだまだで、ひとつひとつ説明しなくてはいけないんです。このあたりで猫を飼っている方というと、戸建てで持っているか、内緒で飼っているか、くらいですから。

――保護猫を一匹飼うのが絶対条件という特殊な物件ですが、入居者募集は大変でしたか。

そうですね。普通の猫可の物件よりは決まりにくいかなと覚悟はしていました。ただ、一度入居すれば長く住んでいただけるのではないか、とも考えています。

――完成は昨年の7月ということですが、最初、管理会社さんの反応はいかがでしたか。

幸いにも担当の方が猫好きで、とても興味を持ってくださいました。私たちが作ったチラシを動物病院に送ってくださったり、直接お話に行ってくださったり。6部屋しかないのに、すごく親身になってくださって。ウチコミ!に登録したいと相談したときも、「necottoはネットを使う人にも合うと思うので、むしろ掲載してください」と言ってくださいました。

――necottoについて、別のポータルサイトやSNSでもたくさん発信していらっしゃいますよね。

ネットを使う人で、猫を室内で飼うということに理解がある人に知ってもらいたいです。口コミで広がれば猫の保護にも繋がると思うので、保護団体さんにお話しに行ったりもしています。他の猫可能物件で入居待ちの話も聞くので、もっと知っていただければ空室も埋まるのではないかなと期待しています。初めは2年くらいで満室になればいいな〜くらいに思っていて、徐々に埋まってきてはいるものの、なかなか手こずっています。だからこそ、ウチコミ!を始めたのです。

入居の条件「週1回必ずSNSに猫の写真を投稿する」

――実際にウチコミ!を使ってみていかがでしたか。

登録がすごく分かりやすかったし、エージェントさんの反応が早くて好感が持てました。ただの猫可物件ではなくて、「猫を飼ってね」という私たちの思いを盛り込めるところがあって嬉しかったし、お部屋を探している人にアプローチできるのは新しくて良い仕組みだなと感じました。ウチコミ!さんが福岡で展開してくれてよかったです。

――ウチコミ!での物件PRコメントもお二人の熱意が伝わってきます。

テレビCMを見て、すぐにパソコンで調べました。オーナーメインでカバーしてくださっているし、管理会社に相談して、トントン拍子で入居が決まって嬉しかったですね。

――入居希望者へのメッセージもとても丁寧に返していたと聞きました。

必ず2人で確認して、基本的には僕が返信の文章を書いて妻に見てもらっています。私たちで対応できることなら、何でもやらなくては、という思いで。

――内見では入居者さんとお会いしましたか。

実は内見前に、入居者さんのご両親が来られました。「明日娘が内見に来るのですが、私たちは今日しか空いていなくて…外観だけでもと思って」とおっしゃったので、是非にとお部屋の中もご案内したのです。入居の際にはお母様もいらっしゃって、「ご無沙汰してます〜」なんてお話ししました。

――入居者の方は、元々necottoを知っていたんですよね。

そうなんです。SNSで発信していて良かったと感じましたね。ただ、どうしてもSNSだけだと入居付けまでは難しくて。一度新聞に取り上げられたのがきっかけで、やはり発信することは大事だなと思いました。

――入居の際の同意書はお二人で作られたのですか。

僕たちが原案を作って、知り合いの行政書士の方に見てもらいました。「週1回必ずSNSに猫の写真を投稿する」という決まりがあるのですが、残念ながら虐待をしたり、知らないうちに数を増やしたりする方が「いない」とは言い切れないので…。もちろん入居される方はわかっているとは思いますが、念のための防止という意味合いがあります。こういうアパートを始めた以上は、入居者さんに心地よく住んでもらうのは当然のこと、猫ちゃんたちにも責任を持たなくては、と思うのです。

――女性専用ということで、セキュリティにもこだわっていらっしゃいますよね。

駅から近いということもあって、安心して暮らして欲しかったのです。セキュリティが高い物件は福岡ではまだまだ少なくて。業者の人には「いくらセキュリティを上げたって、部屋の電気を点けたら分かるじゃないか」と言われたりもしました。防犯カメラや明るい電気をつけたりすることで、ここに入れば安心、という家にしたかったのです。女性の安全を図るとともに、猫ちゃんの脱走防止にも直結しています。

ここは、入居者同士で仲良くしてね、という感じではなく、プライベートを重視しています。猫のことで何かあったら私たちがいるし、設備のことは管理会社がいますので。建設の際に業者からシェアハウスの話も出たのですが、もう少しプライベートが欲しいかなと。
利回り重視の経営とは少し違いますよね。

もちろん慈善事業ではないので、利益を出さなくてはいけませんが、長い目で見て住んでいただければいいかなと思います。原状回復費用としての礼金は、お部屋がどんな状態であれ3カ月以上はいただかないように決めています。これは入居の際に管理会社から説明してもらうようにしています。これから退去が出たら様子を見ながら調整していこうと思います。

――ほかの猫可物件のオーナー様とはどのように知り合ったのですか。

他県の猫可マンションを調べている際にSNSで見かけたり、向こうから話しかけてくださったり。旅行のついでに見に行きたいですと言ったら快諾してくださって、家の造りや募集条件を参考にさせていただきました。

――今後、コンセプト型物件の経営をされる方に一言お願いします。

もしnecottoが成功したら、利回りの面で「やりたい」と思う方が出てくるかもしれない。そういう方にはどんどん真似してほしいなと思います。そうすれば救われる猫も増えますから。その際にノウハウを知りたいということであれば、是非お話しさせていただきます。今後は私たちも福岡市に向けて展開していけたらいいなと思っています。

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この記事を書いた人

賃貸募集成約事例ファイル 担当編集

「賃貸募集成約事例ファイル」では、賃貸物件を所有する大家さんが直接入居希望者を募ることができるウチコミ!を活用し、実際に成約した事例や、ちょっとしたアイデアで空室が解消された事例などを紹介していきます。それぞれの工夫や取り組みが、賃貸経営に悩めるオーナーに対して少しでも参考になればと思います。

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