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土地選びの基礎知識(4/8)

家の大きさを制限する建ぺい率、容積率とは?

菅 正秀菅 正秀

2016/01/23

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家の大きさ・広さを決める基準

 希望の家・間取りをかなえるためには、まずその土地にどれくらいの大きさ・広さの家を建てられるかを知っておく必要があります。その基準となるのが、建ぺい率と容積率です。

 建ぺい率とは、敷地面積に対し何パーセントの面積の家を建てることができるかを定めた数値です。たとえば、敷地面積が100平方メートルだとして、建ぺい率が60パーセントだと60平方メートルの面積の家が、同じく50パーセントだとすれば50平方メートルの家が建てられます。

 建ぺい率が高いと家の面積は大きくできますが、敷地に余裕がなくなる可能性があります。逆に建ぺい率が低いと家の面積は小さくなってしまいますが、敷地をゆったり使えるという利点もあります。

 また容積率は、敷地面積に対する延床面積の割合ですので、必然的に建物の階数を決める基準にもなります。とはいえ、建物の高さを規制しているわけではないので、床面積を小さくして階数を増やすなどの調整が可能です。

 たとえば、敷地面積が100平方メートル・容積率が200パーセントの土地があるとします。この場合、延床面積が200平方メートルまで可能なので、ワンフロアの面積を50平方メートルとすると4階建てまで、同じく60平方メートルとすると3階建てまで建てることができるというわけです。

建ぺい率・容積率以外の基準

 このような建物の面積制限のほか、細かい基準やチェックしておくべき項目があります。

 まずは敷地図をチェックしてみましょう。敷地図には方角や道路幅などが書かれているので、家を設計する際の打ち合わせにも必ず持参しましょう。その前に、この敷地図を持って土地の周りを実際に自分の目で確認することが大切です。図のイメージと、実際に土地を見た感じでは違いがあるはずなので、その感覚を体感しましょう。

 そして実際土地を見学する際には、以下の項目をチェックしておきましょう。

●正確な方角…敷地ラインと一致していることはほとんどなく、日照計画に影響する
●敷地の高さ…道路との高低差はアプローチの設計に影響する
●接する道路・歩道の幅…建物の高さ制限に影響する
●道路と接する部分の長さ…旗竿地などでアプローチの設計に影響する
●接する道路の交通量…カーポートの位置やプライバシーに影響する
●塀の高さと材質…プライバシー・日照に影響する、材質によっては通風や眺望にも影響する
●境界から隣家までの距離…隣家が近い場合プライバシーに多大に影響する
●隣地建物の窓の位置…互いのプライバシーに影響するので、その窓がどの部屋なのかも確認する
●水道・ガス・下水管の取り出し位置…水回りの設計に影響する
●側溝の幅・位置…ポーチ・カーポートの排水、雨水の排水に影響する
●電柱・電線・支線の位置…アプローチ・カーポートの位置に影響する
●眺望の良い方角…公園や隣地の庭などがあれば借景として生かした設計ができる
●周辺建物の外観・街並み…あまりに奇抜なデザインは街並みを壊しかねないので、その街並みに溶け込むような外観を心がける
●街路樹の高さ・位置…カーポートの位置に影響すると同時に、借景としても取り入れたい
●敷地内の樹木の高さ・位置…建物の配置に大きく影響するので、枝の長さや広がりもチェックし、樹木を残す・切るの判断が必要となる

 このように、法律で定められているもの以外の要素も大きく影響するので、土地の状態をしっかり確認しておきましょう。

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この記事を書いた人

株式会社フェリーズディア 取締役チーフコンサルタント

宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。 1958年、大阪府大阪市生まれ。創価大学法学部卒業。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。 その後、顧客と一緒にモノづくりをするために、地域中小建設会社に移り、注文住宅・賃貸マンションの受注営業を担当。大手建設会社との競合が激しい中、操業以後に流入してきた近隣住民のクレームにお悩みの経営者さんに、不動産会社時代の人脈を使い工場の移転先を斡旋した上で、その跡地に93戸の賃貸マンション建設の受注をするなど、15年間で約32億円の受注する実績をあげる。現在は、建築にも明るい不動産コンサルタントとして、不動産会社のエスクロウ業務(契約管理)・新人社員指導等を行なっている。 一生に一度の買い物ともいえる住宅の購入をアシストできる人材を育成し、業界の健全な発展に貢献すべく活動中。

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