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「住みよさランキング2021」関東&北海道・東北編 関東ブロックの3位は渋谷区(東京)、2位は文京区(東京)、1位はどこ?

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3位は渋谷/©︎yokokenchan・123RF


東洋経済オンラインの提供記事です

東洋経済が全国の812都市を対象に20の指標に基づいて評価した「住みよさランキング2021」。「全国総合トップ50」に続いて、地域ブロックとそのブロックの都道府県に絞り込んだランキングを紹介する。

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今回紹介するブロックは「関東」と「北海道・東北」。なお、住みよさランキングの算出に用いた「安心度」「利便度」「快適度」「富裕度」の各視点や、算出基準となっている各指標の詳細は「『住みよさランキング2021』全国総合トップ50」で説明している。


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関東ブロックは東京都がトップ3を独占

関東ブロックの1位は武蔵野市(東京)、2位は文京区(東京)という結果になった。武蔵野市は全国順位で2位、文京区は同3位に入っており、詳細は6月16日配信の「全国総合トップ50」を参照いただきたい。

3位になったのは渋谷区(東京)。長らく若者の街として知られる同区は近年、渋谷駅を中心に再開発が行われている。再開発でオフィスフロアを持つ近代的な高層ビルが建設され、ビジネスの街へと変貌しつつある。

医療・福祉など「安心度」は前回と同じく低位で、とくに指標の「20~30歳女性人口当たり0~4歳児数」は最低偏差値の30を記録している。しかしながら、飲食店数や小売店店舗面積などの「利便度」は前年同様に全国1位だ。

納税や住宅地価などの「富裕度」は前年から横ばいの53位となった。快適度については前回の全国107位から同64位へとランクアップし、低位の「安心度」を他の視点が補うかたちとなっている。

4位にランクインしたのは印西市(千葉)。千葉ニュータウンがあり、1996年に市制施行した新興都市。2019年に「住みよさランキング」の評価指標を見直す前は、7年連続で全国1位だった。今回は「快適度」「富裕度」の順位を上げ、ブロック順位は前回9位からランクアップしている。全国順位では、前回から14上げて18位となった。

人口は10.3万人。人口規模は県内中位にあるが、直近2020年の人口は3年前比で6.43%増加(全国5位)と、増加率が全国的に見ても極めて高い。

人口の減少が続く日本において、人口増加が続く自治体は数少ない。「快適度」の指標のうち「転出入人口比率」では偏差値の上限70となっており転入者は多い。

埼玉県内で1位となった市は…

残りの関東ブロック各県を見ると、県内におけるトップの入れ替わりはなかった。茨城県内はつくば市が1位。国の研究機関や筑波大学などがある学園都市だ。指標のうち「転出入人口比率」が1位、財政収入を財政需要で除した「財政力指数」は1.0を超えて財政に余裕があり、「快適度」と「富裕度」のスコアは高い。

栃木県内は、県庁所在地の宇都宮市が1位となっている。商業・金融機能が集積した北関東の中核都市だ。群馬県内は太田市が1位。SUBARUをはじめ自動車関連工場が多く、北関東屈指の製造品出荷額を誇る。宇都宮・太田市は、4視点のうち「富裕度」のスコアが高く総合順位の支えとなっている。

埼玉県内の1位は戸田市。「安心度」「利便度」の評価が低い反面、高スコアの「快適度(全国12位)」と「富裕度(全国11位)」が牽引して総合評価を引き上げている。順位を算出する指標には組み込まれていないが、公共交通機関の交通の便という面では、18㎢というコンパクトな面積の市に対して、池袋・新宿・渋谷など都内繁華街を結ぶ埼京線の駅が3駅もあり、都内へのアクセスが良い。

神奈川県内は鎌倉市が1位。閑静な住宅地でも知られ「快適度(全国28位)」と「富裕度(全国19位)」のスコアが高い。指標のうち「食料品小売店数」と「個人所得」がともに偏差値上限の70を獲得している。

関東ブロック各県内でランクインした市のうち、今回躍進が目立ったのは茨城県内3位の水戸市(全国35位)と、埼玉県内3位の本庄市(全国180位)だ。水戸市と本庄市の全国順位は、前回から100以上順位を上げた。

水戸市は「安全度」「利便度」「快適度」「富裕度」のすべてにおいて前回順位を上回っていた。とくに「子ども医療費助成」が外来・入院ともに"18歳の年度末まで所得制限なし"で利用できるようになったことが「安心度」の順位上昇に大きく寄与。前回の全国650位から355位へと大幅な上昇につながった。

本庄市は「利便度(全国181位)」「快適度(全国24位)」が前回より100以上順位を上げている。「快適度」の指標「転出入人口比率」は、転入者が多く全国順位は前回271位から大幅に上昇し52位となった。

北海道・東北ブロック1位は国内有数の果樹王国

北海道・東北ブロックの1位は東根市(山形)。同市は、サクランボ「佐藤錦」発祥の地で、生産量は国内トップ級。山形空港や山形新幹線駅がそろう県内交通の要所であり、東北先端産業の集積地でもある。「富裕度」の全国順位はやや後退したものの、残る3視点は順位を上げている。

最も順位を上げた視点は「快適度」で、前回の全国順位518位から100以上浮上し397位となった。「快適度」の順位を牽引した指標は「転出入人口比率」。同指標は前回の全国240位から48位へと大幅なランクアップとなっている。総合の全国順位も小規模ながら押し上げ、前回全国57位から31位へとなった。

北海道・東北ブロック2位は富谷市(宮城)で、2016年に単独での市制施行後も仙台市のベッドタウンとして成長を遂げている。総合全国順位も伸ばし、前回152位から45位へとベスト50位内に食い込んだ。

東根・富谷市どちらも4視点のうち「安心度」のスコアが高く、「安心度」の指標のうち「人口当たり病院・一般診療所病床数」は平均を下回るスコアだが、他の指標はすべて平均値を上回るスコアとなった。

北海道・東北ブロック3位の盛岡市(岩手)は岩手県の県庁所在地であり、北東北の玄関口にあたる交通の要衝となっている。一次産業の農業による産出額は192.7億円で全国70位だが、三次産業の就業人口比率は80.1%(全国7位)と高い。「利便度」の指標「人口当たり小売販売額」や「人口当たり大規模小売店店舗面積」のスコアは高く、全国順位では二桁台となっている。

会津若松市が躍進したワケ

北海道・東北ブロック残りの各道県内トップは、北海道帯広市、青森県三沢市、秋田県にかほ市、福島県会津若松市という顔ぶれである。帯広市と三沢市は「利便度」のスコアが最も高く、指標のうち「人口当たり飲食店数」が偏差値最高スコアの70を獲得した。

にかほ市と会津若松市は4視点のうち「安心度」のスコアが最も高く、指標の「老年人口当たりの介護保健施設定員数」と「こども医療費助成」がともに偏差値60を超えている。

また会津若松市の総合順位は全国63位と、前回の183位から大幅に順位を上げた。とくにスコアを上げたのが「安心度」だ。前回の全国131位から31位へと大幅にランクアップしている。「安心度」は前述した2指標に加え「20~39歳女性人口当たり0~4歳児数」の偏差値が上限の70に迫る68.15を獲得した。

県内1位は獲得できなかったものの、大仙市(秋田)は総合の全国順位が前回の324位から117位へと大幅にアップ。「利便度」の順位は前回と横ばいだが、残る3視点は順位を上げ、中でも「安心度」は前回の全国215位から57位へと急浮上した。

「安心度」の指標である「子ども医療費助成」が外来・入院ともに"18 歳の年度末まで所得制限なし"で利用できるようになったことが、同指標の順位を前回663位からトップ集団の3位まで押し上げた。それが総合順位までをも押し上げる結果となった。


 

 

東洋経済『都市データパック』編集部 

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