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中古マンションの賢いチェック方法(3)

中古マンションの住み心地はここをチェック

菅 正秀菅 正秀

2016/01/04

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採光性、遮音性の確認

 物件選びの際、多くの人が気にするのがリビングのつくりかもしれません。近年、マンションでも部屋の隅に柱の出っ張りをほとんど見かけなくなりました。これは柱をバルコニーや外廊下に出し、居室をすっきり広く使うことのできる「アウトフレーム工法」によるものです。中古マンションでも、この工法を採用していることがあり、部屋の使い勝手に優れていることから注目されています。

 ところで明るくて広い部屋にもデメリットがあります。天井から窓を切る「ハイサッシ」は、新築マンションのリビングでは欠かせないものになりました。これは「逆梁工法」という、従来は床スラブの下を通していた梁を上に通す方法で可能になった工法です。これまで天井に出ていた梁の出っ張りを、階上の住戸のバルコニーにもっていくことで大きな窓を切れるようになりました。下階の住戸の採光性に優れますが、日当たりがよすぎてカーペットが焼けたり、天井が高くなったぶん、冬は部屋が暖まりにくいなどのデメリットもあります。

 バルコニー側の全面を横長のリビングにした間取りも人気ですが、この場合、ほかの部屋がいわゆる「あんどん部屋(採光性の悪い部屋)」になっていないか注意が必要です。

遮音性と床のつくり

 音漏れはマンションに住まう人にとって大きな問題です。遮音性は、床・天井・壁のコンクリートが重要な役割を果たしています。もっとも気になるのはやはり階上からの音です。人が歩いたり子どもが飛び跳ねたりするときの「ドスン」といった「重量床衝撃音」、イスを引いたりスプーンを落としたときの「カチン」といった「軽量床衝撃音」の2種類があり、床スラブのコンクリートの厚さで伝わり方は相当変わります。最近のマンションは床スラブの厚みを200ミリメートル程度にして遮音性を高めていますが、20年前くらいの物件になると150ミリメートル程度が通常です。

 ほかにも二重床や遮音フローリングなど、マンションの床は防音の工夫がいろいろと施されています。床スラブとフローリングの間に支持脚を立てて空間をつくった二重床は、とくに軽量床衝撃音を遮断するのに有効です。しかし、家具の置き方によっては脚を増やして荷重を分散する必要が出てくることもあります。

 遮音フローリングは、床スラブとフローリングの間に遮音性の高いクッション材を挟むもので、手軽でローコストですが、歩いたときに床が沈む感じがするので、見学時に感覚をよく確かめましょう。

 管理組合ではリフォーム時の床材や工法に気を配り、遮音等級を表すL値が、多くは45以下、厳しいところでは40以下になるように定めています。

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この記事を書いた人

株式会社フェリーズディア 取締役チーフコンサルタント

宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。 1958年、大阪府大阪市生まれ。創価大学法学部卒業。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。 その後、顧客と一緒にモノづくりをするために、地域中小建設会社に移り、注文住宅・賃貸マンションの受注営業を担当。大手建設会社との競合が激しい中、操業以後に流入してきた近隣住民のクレームにお悩みの経営者さんに、不動産会社時代の人脈を使い工場の移転先を斡旋した上で、その跡地に93戸の賃貸マンション建設の受注をするなど、15年間で約32億円の受注する実績をあげる。現在は、建築にも明るい不動産コンサルタントとして、不動産会社のエスクロウ業務(契約管理)・新人社員指導等を行なっている。 一生に一度の買い物ともいえる住宅の購入をアシストできる人材を育成し、業界の健全な発展に貢献すべく活動中。

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