中古マンションの広告はここをチェックする
大橋高志
2016/01/04
中古マンションの広告のチェックポイント
中古マンションの広告やサイトに掲載されている情報には、以下のようなものがあります。それぞれの内容とチェックすべき点を見てみましょう。
(1)価格
価格は税込み表示です。ただし、個人の売り主から購入する場合、消費税はかかりません。
(2)所在
所在地のことです。
(3)交通
通常、最寄り駅および駅またはバス停からの徒歩分数が記載されています。徒歩分数は最短ルートを、1分80mとして計算しています。ただし、信号待ちの時間は含まれていませんし、坂道が多いなど状況によっても実際の所要時間は変わってきます。実際には記載された時間よりも長くかかることも少なくありません。
(4)専有面積
バルコニーを除く床面積の合計のことです。壁の厚みを含めた面積(壁芯面積)を記載していることが多いので、登記簿面積は表示よりもやや狭くなります。
(5)バルコニー
バルコニーの面積が記載されています。
⑥構造
工法の違いによって、「RC」「WRC」「SRC」のいずれかが記載されています。
RCは建物を柱や梁で支える鉄筋コンクリート造のことです。適正階数は2~8階建てです。間取り変更などのリフォームがしやすいという特徴があります。ただし、近年は高強度のコンクリートが登場しているため、タワーマンションでもRC造を採用しているものもあります。くわしくは不動産会社などに確認しましょう。
WRCは同じく鉄筋コンクリート造ですが、壁や床などの面で建物を支える構造のものです。適正階数は3階建て以下で地震に強い構造です。室内に凸凹部分がないため、家具などの配置がしやすいという特徴がある半面、間取り変更などのリフォームはしづらくなります。
SRCは、建物を柱や梁で支える点ではRCと同じですが、こちらは鉄筋コンクリートではなく、鉄骨鉄筋コンクリートを使用したものです。8階建て以上の高層マンションに採用されています。〝鉄骨〟が加わっているぶん丈夫ですが、コストは高くなります。
(7)間取
間取りのことです。注意が必要なのは、間取り図です。縮尺が適当なことが多いため、形や広さについては参考程度に考えておきましょう。
写真についても、部屋が広く見えるようなレンズやアングルで撮影していることが少なくないため、畳数などを確認して判断するようにしましょう。
(8)建築(築年数)
広告の場合、築年数の記載は必須です。
(9)階数
何階建ての何階部分かが記載されています。
(10)敷地権利
「所有権」(現在では、「敷地権」となっているのが一般的です)となっているかチェックしましょう。「賃借権」の場合、所有権はありませんので注意してください。
(11)用途地域
都市計画による土地の利用目的です。細かくは12種類に分かれますが、大きく「住居系」「商業系」「工業系」の3つに分類できます。
(12)駐車場
駐車場の有無です。「有り」の場合、「空き」の有無、月額使用料が記載されます。
(13)管理
管理員が常にいる「常駐」、日中のみ通勤している「日勤」、複数のマンションを巡回する「巡回」、管理員がいない「自主」などが、記載されています。
(14)管理費
管理費の金額です。
(15)修繕積立金
将来の大規模修繕に備える積立金のことです。月額を低く設定しすぎているため、積立金が不足しているマンションも少なくないので、金額だけで判断するのは危険です。
(16)現況
すでに空室か居住中かが記載されています。
(17)引渡期日
売り主が物件を引き渡すことのできる最短の時期です。
(18)取引形態
「売主」「販売代理」「仲介(媒介)」などがあります。このうち仲介では、売買代金の3%+6万円(消費税別)の仲介手数料(上限)が発生します。
(19)不動産会社
物件の取り扱い不動産会社名およびその不動産会社の所属する業者団体や宅地建物取引業の免許番号などが記載されています。
この記事を書いた人
住まいコンサルタント
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランニング技能士、木造ハウジングコーディネーター。 1970年生まれ。大手不動産建設会社を経て、首都圏の不動産販売・分譲会社へ転身。15年超のキャリアで約500件の引渡し実績を持つ。新築分譲の他にも中古住宅の再生販売、仲介業務など取引事例は多種多様。 不動産取引はもちろん、建築・土木・住宅ローン・保険・不動産税制などに明るい。 現在は第一線を退き、業界経験を活かした「完全な消費者目線」の住まいのアドバイザーとして活躍中。