中古一戸建ての広告はここをチェックする
大橋高志
2016/01/04
中古一戸建ての広告のチェックポイント
中古一戸建ての広告やサイトに掲載されている情報には、以下のようなものがあります。
(1)価格
価格は税込み表示です。ただし、個人の売り主から購入する場合、消費税はかかりません。
(2)所在
所在地のことです。
(3)交通
通常、最寄り駅および駅またはバス停からの徒歩分数が記載されています。徒歩分数は最短ルートを、1分80mとして計算しています。ただし、信号待ちの時間は含まれていませんし、坂道が多いなど状況によっても実際の所要時間は変わってきます。実際には記載された時間よりも長くかかることも少なくありません。
(4)土地面積
敷地面積のことです。
(5)建物面積
各階の床面積の合計です。床面積に、バルコニーやグルニエ(屋根裏の収納スペース)の面積は含まれません。
(6)構造
木造、軽量鉄骨造、RC造などの建物の構造と階数が記載されています。ただし、記載義務のない工法までは記載されていません。
(7)間取
間取りのことです。注意が必要なのは、間取り図です。縮尺が適当なことが多いため、形や広さについては参考程度に考えておきましょう。
写真についても、部屋が広く見えるようなレンズやアングルで撮影していることが少なくないため、畳数などを確認して判断するようにしましょう。
(8)建築(築年数)
広告の場合、築年数の記載は必須です。
(9)土地権利
「所有権」か「定期借地権」かをチェックしましょう。「定期借地権」となっている場合、期限を迎えると立ち退かなければなりません。
(10)地目
登記上の土地の分類のことです。たとえば、「農地」で登記されていると、農地法の規制を受けることになります。「宅地」になっているか確認しましょう。
(11)都市計画
都市計画区域に定められている場合、「市街化区域」か「市街化調整区域」かの記載があります。「市街化調整区域」の場合、建て替えなどをする際に制約を受ける可能性があります。
(12)用途地域
物件が「市街化区域」にある場合、さらに土地の用途が細かく分類されています。住環境を重視するなら、高層の建物や大規模な店舗の建設が制限されている「第一種低層住居専用地域」もしくは「第二種低層住居専用地域」が望ましいとはいえますが、実際の住環境は現地を確認することでしかできません。
(13)建ぺい率
敷地面積に対する建築面積の割合のことです。建設面積とは、建物を真上から見たときの水平投影面積のこと。延床面積(各階の合計面積)とは異なります。
建ぺい率は用途地域ごとに定められているため、建て替えなどの予定がある場合は特に注意してください。
(14)容積率
敷地面積に対する延床面積(各階の合計面積)の割合のことです。
(15)道路
道路が面している方角と道路の幅が記載されています。道路の幅が4mより狭い場合、建て替える際には、道路の中心線から2mの位置まで敷地を後退(=セットバック)させなければならないので注意しましょう。
(16)現況
すでに空室か居住中かが記載されています。
(17)引渡期日
売り主が物件を引き渡すことのできる最短の時期です。
(18)不動産会社
物件の取り扱い不動産会社名およびその不動産会社の所属する業者団体や宅地建物取引業の免許番号などが記載されています。
(19)取引形態
「売り主」「販売代理」「仲介(媒介)」など、物件と広告を出している不動産会社の関係がわかります。仲介の場合、仲介手数料がかかります。
この記事を書いた人
住まいコンサルタント
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランニング技能士、木造ハウジングコーディネーター。 1970年生まれ。大手不動産建設会社を経て、首都圏の不動産販売・分譲会社へ転身。15年超のキャリアで約500件の引渡し実績を持つ。新築分譲の他にも中古住宅の再生販売、仲介業務など取引事例は多種多様。 不動産取引はもちろん、建築・土木・住宅ローン・保険・不動産税制などに明るい。 現在は第一線を退き、業界経験を活かした「完全な消費者目線」の住まいのアドバイザーとして活躍中。