物件の囲い込み〜買いたい人がいるのに物件を売らない不動産会社
ウチコミ!タイムズ編集部
2015/05/22
更に、不動産業者と言えども分からない事があります・・・。
先ほど「不動産業者であれば、情報サイトを自由に閲覧する事ができる」話はしましたが、その情報の中には「売主さん」の情報は含まれていません。つまり、売却を依頼された不動産業者しか「売主さん」の情報は知らないわけです。
当然、売主さんと直接連絡の取れない「他の不動産業者」は、売主から依頼を受けている不動産業者に連絡をする事でしか情報を入手する事ができません。又「他の不動産業者」にとって、販売状況や販売諸条件などの情報も売主から依頼を受けた不動産業者に確認する事でしか情報を入手する事ができません。
わかり易くお話しすれば、売主に依頼を受けた不動産業者は「絶大な権限を持つ事」になります。同じ不動産業者と言えども、その垣根を超える事も、業者が言っている事の裏を取る事も殆ど不可能です。この様な事から、ニュースで取り上げられた違法行為が出来てしまうのです。
ただ、この違法行為を平気で行う企業側に大きな問題があるのですが、それを監視すべき不動産協会や監督官庁の責任も大きいと言わざるを得ません。不動産協会も監督官庁も「不動産業界の素人」ではありません。見て見ぬふりの匂いもして感じてしまいますね。
この辺りの「爆弾データ」なども出て来る事を期待します。いずれにしましても、売却の依頼を受けた不動産会社の行動を規制したり制限する術がなさすぎる現状のシステムに問題があるのは間違いありません。
こんな甘々な空気の中で、不動産業界の倫理規定もお粗末この上ないですね。本来なら、売主さんから販売を依頼された不動産業者であれば、売主さんの利益を優先させるべきところでその行動を起こす事も無く、自分達の利益のみ優先して・・・。
売主さんにバレナイ事をいい事に、情報サイトの掲載を勝手にやめてしまったり、売主さんに許可も無く「売り止めや商談中」という対応を取って売主さんの不動産売却の阻害行為を平気で行ってしまう。
全ては、自分たちの利益をより大きくする為だけの為に・・・。何でもしてしまう・・・。もはや倫理なんてものは、存在しているとも思えません。
以下の状況を改善しないといけません。
- 不動産販売に関する情報の独占がひどすぎる。
- 不動産業者の倫理規定が甘すぎる。
- 不動産販売の状況・経緯が見えなさすぎる。
- 不動産協会や監督官庁の取締りが緩慢すぎる。
不動産業界に限った事ではありませんが、自分自身で自浄作用を持つ業界や団体は存在しません。いつもの事ですが、外からの力で変革するのが世の常です。悲しい事ですが・・・。
今回「驚愕のデータ」と言っていましたが、まだまだ情報も出始めです。これからたくさんの情報が出てくると思います。消費者の皆さんにとってはとてもいい事と思います。
この記事を書いた人
賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン『ウチコミ!タイムズ』では住まいに関する素朴な疑問点や問題点、賃貸経営お役立ち情報や不動産市況、業界情報などを発信。さらには土地や空間にまつわるアカデミックなコンテンツも。また、エンタメ、カルチャー、グルメ、ライフスタイル情報も紹介していきます。