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”バリアフリー”とは真逆の空間

最近人気の建築法「スキップフロア」の落とし穴

岩崎未来

2016/02/25

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「スキップフロア」とは?

「スキップフロア」とは、フロアの高さを半階分ずつずらしながらつくる建築方法のこと。具体的にいうと、中2階や半地下などが存在する建物です。高低差をつけることで実際の面積よりも広く感じる効果があり、部屋を廊下や壁で仕切らず段差で仕切るため、開放的な空間になります。

 最近この「スキップフロア」を取り入れた住宅が多く、特に狭小住宅などには有効だったりしますが、やっぱりデメリットも存在するんです。

 高齢化が進む昨今では、やはりバリアフリー住宅も非常に人気です。しかし、段差が何カ所もあるスキップフロア住宅は、バリアフリーとは真逆の空間。高齢者といっしょに暮らす可能性のある人は、注意が必要です。

 ただ、その可能性がなかったとしても、自身もいつかは年老いる日が来ます。そのときは、リフォームが必要になるかもしれません。そのときのことまで考えて、施工会社と入念な打合せをしておきましょう。

壁がないため光熱費が高くなる!

 壁がなく、開放的な空間ではありますが、その分だけ光熱費の負担は増えることになります。すべての部屋がつながった大きなワンルームのような家になるため、冷房をつけてもなかなか涼しくならない、暖房をつけてもなかなか温まらない、といった難点があるのです。

 また、冷たい空気は下に、温かい空気は上にいく、という性質があるため、下層と上層で温度差が発生しやすくもなります。そのようなデメリットをできるだけ軽減させるため、施工会社に相談し、空調設備を工夫してもらうほうがよいでしょう。

遮音性が低く、プライバシーがない!

 スキップフロア住宅は、小さなお子さんがいるご家庭が建てるケースが多いようです。壁がなく、段差で区切られただけの空間は、子どもが小さいうちは家族の様子がどこにいても感じられ、開放的でよいかもしれません。

 ただ、子どもが大きくなってくると、「自分の部屋がほしい」「自分の時間を邪魔されたくない」と感じるもの。それは、もしかしたら親も一緒かもしれません。そのとき、壁がない家では音もダダ漏れ、すべて見えてしまうため、ストレスに感じることも……。

 必要なときには壁を設置できるようなつくりにするなど、将来のことをよく考えた設計を!

建築費用が高く、施工できる業者が限られる

 ひとつの空間に何層ものフロアをつくるということは、それだけ施工面積が広くなるということです。そのため、同じ広さの土地に建てる一般的な木造住宅よりも、コストは高くなってしまいます。また、施工が複雑になるため、どの会社でもつくれるとは限りません。施工期間も長くなる場合が多いようです。

 その会社の実績をしっかりチェックして、本当に自分が望む、上質なスキップフロア住宅が建てられるのかどうか、見きわめる必要があります。

 狭い土地を有効に活用できるほか、風通しがよかったり、広く感じたりするメリットもある「スキップフロア住宅」。特に都心部などでは、有効的な建築方法かもしれません。ただし、デメリットも多々あります。スキップフロアにする際は、将来のことをよく考え、見据えたうえでの理解と工夫が必要になりそうです。

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この記事を書いた人

住宅ライター

「1級建築技能士」という国家資格を保有する昔気質の職人を夫に持つ「大工の嫁」。群馬県在住で鹿児島県出身。 都内の大学卒業後、出版社や編集プロダクションに勤務し、さまざまな実用書・書籍を手がけた後に独立。間取り図や住宅情報誌などを見るのは趣味のひとつで。都内在住中、10年で6回の引越しを経験。その後、結婚し、第一子出産後、夫の故郷である群馬県に移住。 第二子妊娠中の今、毎夜夫の仕事話を聞きながら、マイホームへの夢を募らせている。

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