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三井不動産が「出会い系」ビジネス? その概要とは何か

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「MIKKE! Christmas market」 写真/編集部

「社内では『出会い系』ビジネスと呼んでいます」

16日に都内で行われた記者発表でこう話したのはShareTomorrow代表取締役の須永尚(すながたかし)氏だ。ShareTomorrowは、主要株主が三井不動産、設立2021年7月1日の企業だ。須永氏は三井不動産ビジネスイネベーション推進部の部門長も兼務する。


ShareTomorrow代表取締役 須永尚氏

しかし、ShareTomorrowが発表したのは「いわゆる出会い系」のマッチングサービスではない。 “シェアリング商業プラットフォーム”「MIKKE!(みっけ)」 のことだ。

MIKKE!とはいったいどのようなビジネスか? それはお祭りにおける露店が現代版にアップデートされたイメージと考えると分かりやすいかもしれない。移動販売のクルマを利用した出店(でみせ)で、移動しながら販売するのではなく、特定のエリアに駐車してさまざまなものを販売する。


12月16日〜20日まで豊洲公園 花木とモニュメントで行われていた「MIKKE! Christmas market」

出店者にとってのメリットは、新規店舗開設などの投資をしなくても、車両をシェアすることでさまざまな場所に短期間でモノを販売、体感してもらうことができる。例えば名産・特産物などを扱っている地方のお店が、MIKKE!を通じてユーザーに体験、利用してもらうことで、その後のECでの継続的な販売につなげることもできる。

もちろん都内に店舗を構えている店であっても出張販売のようなかたちで利用し、ユーザーにファンになってもらうことで、その後の店舗に来てもらうということもできるかもしれない。エリアに関しては三井不動産が開発・運営する住宅やオフィスの立地を活用することが想定されていることから、集客力の高い場所で販売することができるのも魅力だろう。

一方、ユーザーはオフィスや自宅の近くでたまたまMIKKE!に出合うことで、思いもよらなかった商品に遭遇することができる。つまり、目的買いではなく、セレンディピティ。それを須永氏がMIKKE!を「出会い系」と称している所以である。

この新規ビジネスの背景には三井不動産が推進するモビリティ構想がある。三井不動産は長期経営方針「VISION 2025」を策定、デベロッパーとしての資産やテクノロジーを活用、融合することで、イノベーションを起こし、持続可能な社会を実現するとしている。具体的にはヒト・モノ・サービスの移動にフォーカスし、ライフスタイルの多様性に合わせて移動型商業店舗などの近距離サービスなどを展開、立地に左右されない街の魅力やコミュニティの価値向上を目指している。

では、MIKKE!に出店したいと考える企業にとって気になるのは、「どのような車両が使えるか」ということだろう。

車両のタイプには複数あり、車両の大きさ別に大・中・小、そして冷蔵庫の機能の有無を選択することができる。「大」は車両内に人が入れるほどのスペースがあり、「中」「小」は車両外から商品などを眺める程度の大きさとなる。また、MIKKE!では調理ができるようなキッチンカーの提供は想定していないという。


「MIKKE! Christmas market」での各企業の出店模様 

肝心の出店審査はどのように行われるのか? 

「MIKKE!のコンセプトとの親和性や顧客情報の親和性・類似業種の販売実績などを基に、出店判断をさせていただいております」(三井不動産広報部)

さらに今後の活動に関しては、「都内でも気軽に訪問できないエリアや地方の有名店が湾岸エリアに出店する機会、インターネット上で話題の商品の場を体験の場を設けるなど、新たな購買の場としてお客様の体験価値を磨き上げていきます」(同)としている。

出店の相談はMIKKE!の問い合わせ窓口から行うことができる。

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