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新たな住宅セーフティネット制度の驚くべき現状と子育て世帯への支援制度(2/4ページ)

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この極端な急増に何があったのか。牧田司氏の記事によれば、その理由は、大東建託パートナーズによる登録申請があったためだという。現在、全体総戸数の約9割が、大東建託の物件という状態だというのだ。

登録住宅が増えることは願うべきことではあるが、これでは、セーフティネット住宅=大東建託住宅と言える状態ではないか。そもそもこの制度は、個人のオーナーが利用するには難しい仕組みなのだろうか。長谷川氏はこう話す。

「既往の調査において、所有物件を要配慮者に貸すことが一定割合のオーナーに拒否感があるということが明らかになっています。そういう方々の不安をいかに解消し、適切な住宅をより整えていくのがこれからの方向性と考えています」

住宅確保要配慮者の入居に対する賃貸人の意識

出典/(公財)日本賃貸住宅管理協会
「平成30年度家賃債務保証業者の登録制度等に関する実態調査報告書」を基に編集部作成

助成のための諸条件の緩和、入居後のフォローをアップデートしていかないと、個人オーナーは手が出せない状況といえるようだ。

「『新たな住宅セーフティネット制度』は、オーナーと行政がつながって作っていくものであり、オーナーに単独で頑張ってくれという制度ではありません。地方公共団体や居住支援法人、NPO法人などと協力し事業を進めていく仕組みであるべきです。どうしてよいのか分からない、誰に聞いたらいいのか分からないと与えられることを待つのではなく、行政の窓口に相談し、協力してこの制度を広げていってほしいと思っています」(長谷川氏)

20年12月、閣議決定された21年度の国交省の予算に「多様な世帯が安心して暮らすことができる住宅セーフティネット機能の強化」として1151億円が計上された。この莫大な予算が大東建託のために使われるだけでなく、空き家問題を抱える個人オーナーにも正しく開かれてほしいと切に願う。

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