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「タイパ」と賃貸――タイムパフォーマンスが上がる部屋を探せ

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「タイパ」と賃貸――タイムパフォーマンスが上がる部屋を探せ

話題の新語「タイパ」とは?

最近「タイパ」が話題となっている。新語だ。「タイムパフォーマンス」を略したものだそうだ。

意味は「かけた時間に対する効果」であるとのこと。すなわち「時間対効果」をいう。
「タイパがよい」は、費やす時間に対して得られる効果や恩恵がより大きいことを指す。費用対効果をはかる「コスパ」(コストパフォーマンス)の兄弟・姉妹となる言葉が生まれたといってもよさそうだ。

さて、そんなタイパだが、賃貸物件を選ぶ際にも一応注意しておくとよい考え方だ。「タイパのよい賃貸」とはどんな物件・部屋をいうのか? 例を並べていこう。

「駅近」はタイパの王道

まずは、物件が駅に近いこと。すなわち「駅近」だ。賃貸住宅に限らず、駅近は住む場所としてタイパが追求できる王道の環境といっていいだろう。(ただし、首都圏中心部など大都市部の駅が前提となる)。

「駅近は便利」とはよくいうが、ここでの便利のうち、その大半は短い時間でさまざまな用事が効率的にこなせること――つまり「タイパのよさ」が占めている。

商業施設やその他の利便施設が駅の周りに集中する都会の駅近エリアでは、たとえばこんな場面でタイパのよさが実感されやすい。

・通勤 ・買い物 ・外食 ・クリーニング ・市、区役所等での手続き(近年は各庁舎のほかに駅近に窓口が設けられることが多い) ・銀行、ATM、郵便局、宅配便関連の手続き ・通院、薬 ・美容 ・健康(フィットネスクラブ等) ・学び(カルチャースクール等)

さらに、駅前には大抵交番があるので、犯罪や事件が発生した際も“タイパよく”対処しやすいのが駅近だ。

先般の新型コロナワクチン騒ぎ(?)にあっても……

「接種予約できる病院やクリニックが周囲によりどりみどり。効率的に時間をやりくりできる駅近の便利さをあらためて実感した」

――そんな人も多かったのに違いない。

逆に、駅近だからこそタイパが悪くなるものがあるとすれば、それは自家用車の利用だろう。混み合う街中からの脱出、さらには帰宅の際も、時間がかかるケースが多くなるからだ。

宅配ボックスと大きな郵便受け

宅配ボックスのある物件が便利なのも、理屈を辿ればそれはタイパがよいからにほかならない。

留守で再配達が生じたり、再配達に合わせて自宅で待ち時間を割いたり、あるいは時間指定の荷物をやはり自宅で待っていたりといった「タイパが悪い」状態に、われわれを極力陥らせずに済ませてくれるうれしい設備が宅配ボックスだ。

さらに、サイズの大きな郵便受けもタイパで効果を発揮する。

レターパックやポスト投函される宅配便など、小型の郵便受けやドアポストでは受け取れない配達物も、大きな郵便受けならば留守中もしっかりと受け取ってくれる。再配達を頼んだり、待ったりする手間が、やはり生じにくくなる。

24時間ゴミ出し可

「24時間ゴミ出し可」も、タイパがよい物件の重要な要素のひとつだろう。ゴミ出しが、時間を選ばずあらゆる外出のついでに済ませられるからだ。

「近所へ買い物」「ハガキをポストに」と、いったワンプロセスの中にゴミ出しも収まることで、タイパも上がることになるわけだ。

掃除のしやすさもタイパ向上の秘訣

「せっかくの休日、部屋の掃除に長い時間をとられるのが苦痛です」――

そう嘆いていた複数の賃貸入居者の部屋を見せてもらったところ、掃除のタイパを悪くする細かな要素がたくさん出てきたことがある。挙げてみよう。

「収納が少ない」
……そのため、床やテーブル、その他家具の上などに置きっぱなしになっているモノがとても多かった。それらをいちいち移動させながら掃除をすることで、時間が余計にかかっていた。

「収納に扉やフタがない」
……扉やフタのない収納の場合、中にホコリが溜まりやすい。掃除の手間や頻度が増していた。

「部屋にコンセントが少ない」
……それが原因で、床に延長コードがたくさん這う状態になっていた。掃除機をかけるのにも、床を拭き掃除するのにもそれらが邪魔になり、手間と時間が増していた。

「掃除しにくい水まわり」
……「キッチンや洗面台の水道蛇口と壁の間に手を入れにくい、あるいは入らない」「IHクッキングヒーターと天板の境目が深く掃除しにくい」「バスルームが狭く中で動きにくい」「トイレ内に配管があって掃除の邪魔になる」など、作業を面倒なものにさせる要素が水まわりに多かった。

――逆に、以上のような点に気を付け、なるべく掃除がしやすい部屋を選ぶことで、掃除のタイパは上げることが可能となるわけだ。

洗濯物の乾かしやすさもタイパに影響

乾燥機能付きで、なおかつ衣類等がよく乾く性能のよい洗濯機を使っている場合などはともかく、洗濯というプロセスの中でもっとも時間を要するのが、洗った洗濯物を乾かす作業だ。つまり洗濯物干しだ。

そこで、たとえば一般的なベランダの物干しのほかに、室内には天井設置型の物干しユニットが備え付けられている部屋ならば、天候や外出の予定など気にすることなく、洗濯の時間を自由に選びやすい。すなわち、タイパの向上にもつなげやすいことになるわけだ。(天井にユニットが無くても床置きの物干しなどで対応は可能だが、室内空間を大きく占領され不便なことが多い)

そのうえで、浴室には浴室乾燥機も付いているとなれば、洗濯における、時間的自由度と効率=タイパはさらに上がるはずだ。

以上、タイパ=タイムパフォーマンスが上がる部屋を見つけるためのヒントをいくつか挙げてみた。

なお、最初に出てきた「駅近」だが、その環境から来る意外なデメリットに会うこともある。実例を下記に集めてあるので、ぜひ目を通してみてほしい。

「駅近最高? いやそうでもない? 住んでみれば分かる――メリット・デメリット証言集」

(文/賃貸幸せラボラトリー)



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この記事を書いた人

編集者・ライター

賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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