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プロが教える賢い見積もりの取り方(4)

トラブル防止に必須! リフォームの見積もり書の確認は、工事内容を指差し確認しながら業者と一緒にチェックする

森田祥範

2016/02/25

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発注者と業者の認識にはズレがある

リフォーム業者に見積もりをお願いした場合、その見積もり書は、一般的には郵送で受け取る場合が多いようです。あるいは、リフォーム業社が、あなたの家の近くに寄った際に自宅ポストに入れておいてもらう、といった方法をとる場合も多くあります。

ですが、リフォームの見積もり書だけ渡されて、その内容を正しくチェックすることはできるのでしょうか?
リフォーム業者各社が出してきた、見積もり金額だけを手っ取り早く比較したい場合には、それでいいのかもしれません。
しかし、そうやって書面だけで見積もりを確認してしまうと、あとあとトラブルの種になることもあります。というのも、リフォームの場合、新築工事とは違って、きわめて部分的かつ限定的に行なわれる工事がほとんどだからです。「どこからどこまで施工するか」の認識が、発注者と業者で微妙にズレていることも少なくないのです。

たとえば、東側の壁に新たに出窓をつけるリフォーム工事をお願いするとしましょう。出窓をつけるには、壁の一部を取り壊す必要があり、出窓を取り付けた後で壊した壁を補修しなければなりません。こうした工事の場合、ポイントになるのは「壁をどの範囲まで補修するか?」という点です。

業者側ができるだけ手間と費用を節約しようと思えば、壁の補修を出窓の周囲数十㎝の部分にとどめ、外壁塗装の塗り直しも、その部分にのみ行なうはずです。しかし、そんな工事をすると、外壁のその部分のみ色が変わってしまい、家の見栄えが悪くなります。

一方、発注者側は当然、業者に見栄えよく施工してもらえるものと考えます。そのため、見積書に「外壁補修・再塗装3万円」と書かれていれば、3万円の費用で東側の壁一面を塗り直してくれると思うでしょう。

業者側は窓の周囲のみ塗装するつもりで、発注者側が壁全面を塗装してくれると考えていたとすると、工事中あるいは工事後に、必ず次のようなトラブルになります。


発注者:壁の一部だけ色が違うのはみっともないよ。壁全面を塗り直してくれるんじゃなかったの?

業者:いえ、私どもの見積もりでは、窓の周囲のみ再塗装することになっていました。もし壁全面を塗り直すなら、あと10万円いただきます。

発注者:そんなバカな!

指差し確認でズレをチェック!

実は、このような発注者と業者の「認識のズレ」を、事前に修正する方法があります。それは、見積もり書の内容を、施工現場で業者と一緒に確認すること。

住宅の外回りをリフォームするのであれば、日中明るい時間帯に業者と家の周りを歩きながら、「見積もり書にある外壁補修・再塗装というのは、壁のここからここまで再塗装してくれるということですね?」と、指差し確認すればいいのです。もし、それが業者の認識と違っていれば、その時点で見積金額が修正されるはず。

見積もり書に「■m」「●㎡」などの記載があれば、その数値が正しいかどうか、メジャーでおおまかに確認しておくこと。また、「別途工事」の記載があれば、どの部分のどんな工事が別途扱いになるのか、その場で説明してもらってください。あとで「言った」「言わない」の問題が起きないよう、指差し確認の様子を動画で録画して保存しておくといいでしょう。

このように、リフォーム業者と現場で指差し確認を行なうには、そうしたい旨を事前に業者に伝えておく必要があります。見積もり書の受け取りは郵送でも構いませんが、その場合は担当営業マン(あるいは見積もり担当者)に後日自宅まで来てもらう必要があります。

工事範囲を図面にしてもらう

リフォーム工事といえども、建築工事です。建築工事には必ず図面と見積書が必要です。
ですから、図面のない契約書にはサインをしないことです。図面で工事範囲を確定すれば間違えることはありません。悪質業者は図面を残しません。要注意です。

追加工事が発生しそうな場所も見ておく

見積もり書と図面を見ながらの、工事内容の指差し確認では、もうひとつポイントがあります。それは、追加工事が発生しそうな箇所を事前に聞いておくこと。

たとえば、「壁や床を開けてみたら、なかが腐っていた」という例はしばしば見られます。壁のなか、床下がどうなっているかは事前にわからないため、壁や床の工事では、見積書にない追加工事が必要になるケースも多いのです。
そこで、あとになってあわてないために、「追加工事が必要になるかもしれない箇所を教えてください。その場合の金額の目安も教えてください」と、見積もり時に聞いておきましょう。リフォーム経験豊富な業者であれば、家の状態を見て、「この辺は補修か改修が必要かも」とわかるはずです。

リフォーム業者3社から相見積もりを取るということは、こうした指差し確認作業を3回行なうということ。その分、手間と時間はかかりますが、リフォームで失敗しないために、ぜひ実行してみてください。

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この記事を書いた人

モリタマネジメント株式会社 代表取締役

宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、ファイナンシャルプランナー、増改築相談員、二級建築施工管理技士。 LATUバリ建築スクール(インドネシア、バリ)ディプロマ取得。 1952年生まれ 兵庫県出身。早稲田大学卒業後、積水ハウス株式会社に入社、特建事業部(ゼネコン部隊)に配属。主に土地所有者の土地有効利用を中心とした営業に18年間従事する。また自社集客手法の独自企画や金融機関等のセミナー講師も務めて実績をあげる。 在籍期間の完工実績棟数は387棟。全国特建事業部表彰(特建営業300人中1位)、社長表彰(全社営業3800人中2位)、全社チーム別獲得粗利益表彰(全社全900チーム中1位)などの記録多数。退職するまでプレーイングマネージャーにこだわり続けた。 94年に建築リフォーム会社を設立し、現在まで22年間でテナントビル・マンション、店舗、住宅などのリフォーム工事を中心に約4000件余を完工。不動産の事業化プランニング、賃貸収益物件 (テナントビル、マンション)や店舗の収益最大化手法には定評があり、不動産オーナーの熱烈なファンが多い。 2009年、中小企業コンサルを目指して「ナニワの再建屋」桂幹人の門をたたき薫陶を受ける。桂幹人の実践的コンサルティングと自らの経験とを融合させた「モリタメソッド」を完成した。11年、多くの事業家を実践指導し、新たな事業を創る実践コンサルティングを開始、賃貸ビル・マンションオーナーの満室セミナー、工務店の脱下請け事業構築セミナー、中小企業経営者の新規事業構築勉強会(実践的指導)主催。また経営者、営業幹部の個別コンサルティングも行なっている。 指導先業種は、建設業、工務店、リフォーム会社、鉄工所、内装業、建設資材問屋、自動車輸出入業、子ども服セレクトショップメーカー、自費診療専門整体院チェーン、ブライダルを手がける呉服店、ヒーリングサロン、多店舗展開の美容室、大阪黒門市場マグロ専門店、デザイン事務所の新規事業支援等多岐にわたる。

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