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業者の選び方・つきあい方(2)

悪徳リフォーム業者に引っかからないために

森田祥範

2016/02/19

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訪問セールスの巧みな話術に要注意

 悪徳リフォーム業者の訪問セールスでは、「これは!」と目をつけたお宅に、言葉巧みに接近してきます。以下、悪徳業者がよく口にするセールストークを紹介しておきます。

(1)挨拶・点検商法
「ご近所で塗装工事を始めるので、ご挨拶に回っています。お宅の外壁に大きなヒビを見つけたので、声を掛けさせてもらいました。よかったら、詳しく見てあげましょうか?」
「この地域で床下の無料点検を実施しています。お宅もいかがですか? もちろん、無料です」
「ガス会社のほうから給湯器の無料点検にうかがいました」(もちろんガス会社とは何の関係もないことは言うまでもありませんが…)

(2)不安商法
「外壁のクラック(ヒビ割れ)から雨水が内部に浸透して、構造部分の腐食が始まっています。すぐに手当てしないと、補修に数百万円かかりますよ」
「工事で近くの屋根に上がっていて、お宅の瓦が割れているのに気づきました。このままだと雨漏りで屋根材がダメになってしまいますよ。早めに気づいてよかったですね」
「残念ですが、シロアリが発生しています。このままだと土台からやられて、地震で倒壊する危険があります」(シロアリを持ってきて見せる輩も…)

(3)サービス商法
「近くでやっている外壁塗装がもうじき終わるので、そのとき使った足場を流用できます。その分、料金をお安くできますよ」
「お宅は角地で目立つ場所にあるので、工事をやらせてもらえば、当社のいい宣伝になります。宣伝費用が本社から出るので、半額で工事ができます」
「いま年度末なので、本日中に決めていただければ、100万円の工事を70万円でやらせていただきます」
「いまならキャンペーン価格で、通常の25パーセント引きです」

悪徳業者は住人の不安感をあおり、契約を急がせる

 悪徳リフォーム業者は、上記のようなセールストークで、言葉巧みに取り入ってきます。そして、「○○○が傷んでいるから、早く修理しないと大変なことになる!」と、住人の不安感をあおり、早急かつ強引にリフォーム契約書にサインさせようとします。

 しかし、住まいの傷み具合の点検・診断は、かなりの経験を積んだ一級建築士などでなければ、わからないはず。まして、点検した営業マンがその場で見積り金額を提示するなど、絶対にあり得ません。

 たとえば、住宅の外壁の一部にクラック(ヒビ割れ)があって、雨水による染みが見つかったとしましょう。悪徳訪問業者はその場で、「壁の木部が腐り始めている!」などと大げさに指摘しますが、クラックと染みだけでは、そこまでわかるはずがありません。

 正しく診断するには、クラック部分を少し削って、壁の内側を見る必要があります。そうやって壁の内側を見て、もし壁の内部の柱まで黒くなっていた場合、今度は土台に接している外壁をはがし、土台と柱の接合部分を確認する必要があります。

 そしてもし、土台と柱の接合部分に重大な不具合が発生していた場合は、建物の構造上の問題か、何らかの原因で地盤沈下したのか、その原因から究明しなければ、正しい対処法は見つかりません。これらの診断は、一級建築士立ち会いの下で、しかるべき業者が専用の機材を使って行なわれます。

追加工事を要求してくる業者は危険

 ところが、悪徳リフォーム業者の営業マンは、それらの手順を踏むことなく、クラックをざっと見ただけで、適当な見積り金額を出してしまいます。悪徳リフォーム業者は基本的に営業だけで、実際の施工は別の専門業者に丸投げするし、工事代金の回収もクレジット会社に任せていますから、契約さえ取れれば、あとは知ったことではないのです。

 こうして、悪徳リフォーム会社の思惑どおり、不必要な外壁補修工事が不当に割高な料金で行われることになります。被害に遭ったお宅はたまったものではありません。

 しかし、さらに悲惨なケースもあります。それは、後日左官職人が外壁の修理を始めて、土台の腐食など、想定以上に建物が傷んでいるのを発見した場合。もし、それらを根本的に修理しようとすると、工期も予算も足りなくなります。そのため職人は何も見なかったことにして、表面だけきれいに仕上げて工事を完了させてしまうかも…。そしてその家の住人は何も知らないまま、危険な住宅にその後何年も住み続けることになるのです。

 さらに悪質なケースでは、安く見せて契約したのち工事を始めたら、あっちが傷んでいるこっちが腐っているといいだして高額な追加工事費を要求することもあります。

 いずれにしても、訪販業者に限らず悪質業者は追加工事を要求してくることが多いので、契約を交わす前に見積書、仕様書、図面などでしっかりと工事内容を確認しておくことが大切です。これはどのような業者に依頼するときでも同様です。

何かおかしいと思ったときは…

 仮に、あなたが訪問セールスで不可解なリフォーム契約を結んでしまったとしても、契約日から8日以内なら「クーリング・オフ」で契約無効にできます。8日を過ぎていても、内容が悪質な場合は契約取り消しも可能です。

 とにかく、途中で何かおかしいと思ったら、工事をストップさせましょう。そしてただちに、以下の機関に電話で相談してみてください。

●公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター
 住まいるダイヤル:0570-016-100

●独立行政法人 国民生活センター
 消費者ホットライン:188(局番なし)

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この記事を書いた人

モリタマネジメント株式会社 代表取締役

宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、ファイナンシャルプランナー、増改築相談員、二級建築施工管理技士。 LATUバリ建築スクール(インドネシア、バリ)ディプロマ取得。 1952年生まれ 兵庫県出身。早稲田大学卒業後、積水ハウス株式会社に入社、特建事業部(ゼネコン部隊)に配属。主に土地所有者の土地有効利用を中心とした営業に18年間従事する。また自社集客手法の独自企画や金融機関等のセミナー講師も務めて実績をあげる。 在籍期間の完工実績棟数は387棟。全国特建事業部表彰(特建営業300人中1位)、社長表彰(全社営業3800人中2位)、全社チーム別獲得粗利益表彰(全社全900チーム中1位)などの記録多数。退職するまでプレーイングマネージャーにこだわり続けた。 94年に建築リフォーム会社を設立し、現在まで22年間でテナントビル・マンション、店舗、住宅などのリフォーム工事を中心に約4000件余を完工。不動産の事業化プランニング、賃貸収益物件 (テナントビル、マンション)や店舗の収益最大化手法には定評があり、不動産オーナーの熱烈なファンが多い。 2009年、中小企業コンサルを目指して「ナニワの再建屋」桂幹人の門をたたき薫陶を受ける。桂幹人の実践的コンサルティングと自らの経験とを融合させた「モリタメソッド」を完成した。11年、多くの事業家を実践指導し、新たな事業を創る実践コンサルティングを開始、賃貸ビル・マンションオーナーの満室セミナー、工務店の脱下請け事業構築セミナー、中小企業経営者の新規事業構築勉強会(実践的指導)主催。また経営者、営業幹部の個別コンサルティングも行なっている。 指導先業種は、建設業、工務店、リフォーム会社、鉄工所、内装業、建設資材問屋、自動車輸出入業、子ども服セレクトショップメーカー、自費診療専門整体院チェーン、ブライダルを手がける呉服店、ヒーリングサロン、多店舗展開の美容室、大阪黒門市場マグロ専門店、デザイン事務所の新規事業支援等多岐にわたる。

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